概要
ファンタジー世界や過去の時代を舞台にした物語で、主人公が現代の知識、技術を利用する手法。
内政チート、産業チート、軍事チート、農業チート、交易チート等の細分化した呼び方もある。
一見お手軽そうに見えるものの、真面目にやろうとすると「持ち込む先にどの程度の基礎技術があるのか」という問題に直面することになる。全ての技術はその基となる基礎技術が存在し、更にその基礎技術にもその基となる基礎技術が存在している。単に現代で運用されている品の知識だけ持っていたとしても何も役には立たず、石器時代に行ったのび太(「石器時代の王さまに」)のようになるのが関の山である。
例えば現代の自動車の構造を完璧に知り尽くしている技術者が中世に遡ったとして自動車を作れるかといえばNOである。鉄鉱石をどこから採掘するのか、原油をどこから採掘するのか、どうやって精製するのか、ゴムはどこから調達するのかと数々の問題が存在する。
『戦国自衛隊』の主人公達は現代的な兵装をアドバンテージとして立ち回ろうとするも補給に四苦八苦した挙句、最終的に全滅する展開が描かれた。
一方で『紺碧の艦隊』シリーズでは、転生者が多数居た事もあり、基礎技術から積み上げる長年計画を立ててこの問題をクリアした。逆に言うと、敵に時間的猶予を与えているわけで、情報漏洩と相まって、チート度(技術格差)は少なめ。
異世界を舞台とする作品では、魔法等の現地の技術やオリハルコン等の現地の素材を組み込むことで解決する展開も多く見られる。
やや異なる用法としては、小説やゲームなどの物語の世界に入り込む作品において「元となる物語を既に読んでいるため、未来に起きる出来事や黒幕の裏事情等を知っている」ことを活用するのもこう呼ばれることがある。
そちらについての詳細は知識チートを参照。
現代知識チートで創られる物
現代知識チートで作られることに定評のある物。いずれも『特別な基礎技術がそれほど必要無く(マヨネーズ用の植物油程度)、専門知識の無さそうな人物(学生など)でも知っていることが不自然ではない』という共通点があり、主人公が金策やコネ作り・好感度稼ぎに利用する展開になるのがありがちである。
他にもカスタードプリン、三勤交代制、輪栽式農法(ノーフォーク農法)、やおい文化など定番となっているものは多数ある。
こちらは「持ち込もうとして失敗する」展開が多く見られる物。それぞれ「味の好みが違う」「写実主義文化なので奇形にしか見えない」「製法の知識が曖昧で完成しない」といった理由で失敗することが多い。
味噌と醤油は発酵に用いる菌の選別に苦労する展開も多い。
- 銃火器
現代の強力な武器として真っ先に思い付くもの。
とはいえ金属加工や火薬の調合など必要な前提技術が多岐に渡るため、真っ当な方法で開発するよりも『現代人のアイデアを基に、異世界に存在する素材を元に魔法やスキルで創られる』といった形で完成することが多い。飛び道具としては弓矢の上位互換(種類にもよるが連射が利く)な上に、『攻撃魔法ではないため対魔法の防御策が効かない』『硬質ゴムやトリモチ弾等の非殺傷かつ相手を無力化することを前提としたオリジナルの弾丸が作れる』等独自の利点がある。一方で『運用コストが高い』という欠点を付けられることも多い。
攻撃的な能力に恵まれなかった主人公の主力武器になる事もあれば、大量生産して戦力の底上げに使われたり、金策に使われたりする。
また、銃器よりも作りやすい兵器としてボウガンが採用されることも。特に戦記ものでは非戦闘員に配って即戦力に仕立てる展開が多い。
- 料理
趣味として本格的な料理の知識・技術を持っていることはどのような立場の人間でも不自然ではないため、採用率が高い。
ポテトチップスのようなお手軽な料理から、カレーをスパイスから調合したり、廃棄食材からコンソメスープを作ってみせたり、氷魔法を使ってアイスクリームを作ってみたりとバリエーションは豊富。恋愛要素のある作品ではこれが交流の切っ掛けになることも多い。
関連タグ
口だけの賢者:オーバーロードに登場するキャラクター。現代知識を持ち込もうとするも、その原理を全く理解していなかったせいで殆ど再現出来ずこう呼ばれた。