「親は親、キミはキミでしょ?」
CV:なかせひな(アニメ版)
概要
八十神高校に通っていた主人公や花村陽介より一つ上の3年生の女生徒。
商店街の酒屋「コニシ酒店」の長女。1年生に弟の小西尚紀がいる。
ジュネスでバイトしており、陽介を「花ちゃん」と呼びからかっていた。
弟の尚紀との関係は良好で、彼曰く「すぐに長女ぶる」「なんでも一人で抱え込む癖がある」らしい。
シュークリームが好物。
作中での経緯(以下、ネタバレを含む)
4月12日にテレビのアンテナに吊るされた山野真由美アナウンサーの変死体を目撃。
遺体の第一発見者としてテレビのインタビューを受けていたが……僅か2日後の14日早朝、今度は彼女自身が「電柱に吊るされた」変死体で発見された……。
それによって怪奇殺人事件は「連続」怪奇殺人事件となった。
彼女の死こそが陽介らをテレビ世界と言う「もう一つの世界」へいざなうきっかけとなったとも言える。
モロキンこと諸岡金四郎が死後彼女を「殺されて当然」だと批判したり、二階の規律に厳しい男子生徒からは交流関係が派手であったなどと言われ校内の評価は良くない。
しかし、彼女のファンらしき女生徒や同級生の女生徒からは「悪い噂が流れていたけど、本当は良い子」と語っている。ジュネスのバイトも家のためを思ってやっていたということなので、尚紀の台詞などから面倒見がいい性格が窺える。
彼女の生まれた家は地元に代々続いている店の一つだったが、ジュネスがオープンしたことにより、客足が遠のき閉店してしまった。
そんな状況下で彼女はジュネスでバイトをしており、父親にも罵倒されていたことがテレビ世界の探索によって明らかになる。また、それが陽介のシャドウ出現にも関わったと思われる。
「私…本当は花ちゃんのこと…」
陽介「お、俺のこと…?」
「ウザいと思ってた」
早紀は陽介のことを本当はどう思っていたのか?
上記のシャドウの発言が早紀の本音かどうか、ファンの間で度々議論されることがある。
今作におけるシャドウは本人の認めたくない部分やマイナス面を誇張させたものであること、彼女がこのシャドウを受け入れられず拒否した結果殺されてしまったことから考えると、早紀は完全に陽介のことが嫌いだったわけではないのであろう。
実際、漫画「The Magician」では、早紀が文化祭で陽介つ出会ったこと、彼に少なからず興味があったらしい描写がある。
恋愛感情があったかはわからないが、「ちょっとウザいところはあるけど、なんだかんだでほっとけない弟みたいな存在」として陽介を見ていたのではないだろうか。
親の都合で田舎に引っ越して、商店街の人々から陰口を叩かれる日々を送っていた陽介に語った「親は親、キミはキミでしょ?」という言葉。
この言葉は、彼女が最も言って欲しかった言葉だったのかも知れない……。
「キリノアムネジア」
陽介が主人公の本作ではメインヒロインを務める。
こちらでの設定ではクマ同様に悪意のない存在だったのだが、霧が晴れると凶暴化するシャドウの本能には抗えずに早紀を殺してしまい、その罪悪感から自身の記憶を封じたということになっている。
陽介からは「アムネジア」と名付けられてとある人物のシャドウ(イワナガ)を相手に自称特別捜査隊と共闘。戦いを終えると彼らから自分と過ごした記憶を消去して自らも消滅した……。
なお、シャドウとしての姿は漆黒のロングドレス、肘まで覆うレースの手袋、氷雪のような肌、幾重にも重なる鎖を特徴に持つとされる。
ペルソナとして覚醒した際の名称は不明に終わっている。
関連イラスト
弟の尚紀と一緒に描かれることが多い。
関連タグ
【警告】以下、ネタバレ注意!!
早紀の死の真相
物語終盤、早紀と不倫相手だった山野アナを殺害した犯人と思われた生田目太郎の口から真実が語られる。
実は生田目はマヨナカテレビに映った山野アナが無残な死を迎えてしまったことから、遺体の第1発見者である早紀に身の危険を忠告するために純粋な善意から接触していたことが明らかとなった。
しかし、それは実を結ぶことなく、早紀は何者かによってテレビの世界に放り込まれ、自身のシャドウに殺されたことから、連続怪奇殺人事件の第2の被害者となってしまった……。
【警告】更なるネタバレ注意!!
生田目が真実を語った後、主人公達自称特捜隊は堂島遼太郎と共に、早紀と山野アナを殺した真犯人の正体に辿り着く。
自称特捜隊と堂島に追い詰められた真犯人は、テレビの世界へ逃走する。
主人公と陽介と千枝、そしてクマがテレビの世界の中で最初に訪れた場所である【殺風景な部屋】で、真犯人は自称特捜隊の面々に対して早紀を殺した真相を語る。
山野アナの遺体発見から暫くしない内に、真犯人は山野アナの遺体の第一発見者となった早紀に目を付ける。
「好みのタイプ」だったという彼女に真犯人は「目をかけていた」が、早紀が生田目と会っているところを目撃。これを見た真犯人は「生田目が山野アナに飽き足らず学生の早紀とも関係を持っている」と誤解。
警察関係者だった真犯人は早紀を稲羽警察署の取調室に呼び付け、事情聴取という名目で探りを入れ、更には自分とも関係を持つように強要する。
早紀はこれを拒絶して真犯人を平手打ちするが…真犯人は逆上し、彼女を取調室のテレビへと放り込み、逆怨みに等しい罵声を浴びせた。
早紀の余りに無惨な最期と真犯人の身勝手な動機を知った陽介は自称特捜隊の面々と共に怒りを露わにしていた。
テレビ版ペルソナ4(以下、P4A)の終盤では、【禍津稲羽市】において、陽介に助けを求めながら真犯人によって稲羽署の取調室内のテレビへ落とされてしまった早紀の姿をテレビ越しに見るしかなかった陽介が、歯噛みして悔しがるシーンがある。
真犯人とその背後にいた存在との死闘の後、真犯人はテレビの世界に禍津稲羽市を生み出すほどの力を失ったため、シャドウ達に喰い殺される末路を望んだが――。
花村「つまんねえ遊びは終わったんだ。テメェは連れて帰る。生きて裁きを受けなよ。…それが現実のルールってもんだろ」
想い人だった早紀を殺した真犯人は許せないが、主人公の叔父にして真犯人の相棒だった堂島の思いを汲み取った陽介は、真犯人に法の裁きを受けさせることで、早紀の無念を晴らしたのだった。