演:石垣佑磨(ドラマ版)
概要
本作の主人公。
いじめや、それによる偏見を受け不登校となり、引きこもりになったが自殺することも出来ず、ふとしたきっかけでボクシング教本と出会い、自室で四六時中ボクシングのワンツーだけを反復行為として没入するようになる。
やがて自分の居場所を夜の街に求め彷徨うようになるが、不良達に度々絡まれ、体に染みつくまでとなったパンチでその都度彼らを撃退していくうちに「下北不良(ヤンキー)狩りボクサー」として名を轟かせることになる。
これがきっかけで、元ボクサーで「路上のカリスマ」と言われるほど伝説的な喧嘩屋であった伊沢マサキを始めとした多くの友や敵と邂逅し、街での自分の居場所を見出していく。
人物像
普段は内向的で優しい少年だが、喧嘩となると別人のごとき集中力で底知れぬセンスを発揮させる。
しかし、心の中では過去の暴力や周囲の冷遇、自殺をしたかもしれない恐怖と、その防衛本能によって産まれた好戦的な一面が常に巣食っており、それが時には激昂時の暴走やコミュニケーションのすれ違いとなって現れ、周囲や自分を傷つける結果となり、後悔の念に苛まれてしまうことがある。
特に顕著となったのは、友人の金田シンイチが襲われ、その主犯格であるカトーこと加藤を倒した直後で、「自分は戦いから降りられない」と思うあまり、不良達を手当たり次第に襲うヒステリーに陥ってしまっていたことも。
戦闘スタイル
基本的な格闘スタイルは初期はボクシングのストレートのみであったが、土屋や緑川ショウゴとの戦いや訓練の中で、パンチだけではなく蹴り技も使いこなし、タックルなど組み技にも対応する打撃系総合格闘家のようなスタイルを取るようになる。
戦闘経験が増すにつれプロテクターやバンデージなどの守備装備も装着するようになるなど技の覚えも早く、一度見ただけの技を実戦で有効に使ったこともあった。
様々な技を組み合わせる戦法と類稀なる学習能力は自分より格上の相手すら圧倒し、技術全体の大味さをカバーしてきたが、体重移動などの原理を具体的に把握していないことから、筋肉がついたことで体質が変わり、一時期は力任せの戦法になり精彩を欠いたり、小原ヨシトに敗北したことからその大味さが課題となり、ボクシング部の先輩である山崎の指導のもと、物語終盤ではヨシトやマサキに匹敵する技巧を体得した。
結末
ドラッグキング一派の手によってショウゴが堕落し、マサキの妹にして初恋の相手である伊沢マイや佐野メグミが被害にあったことからドラッグキング達に戦いを挑み、勝利する。
ドラッグキング一派との抗争後に、マサキとの最後のタイマンを行いこれに勝利。
だがその後、かつて助けた少年に不意を突かれて刃物で腹部を刺され、重傷を負ってしまう。
3年後の街では、件の少年に刺されて死んだと噂されていたが、下北沢でヤンキーに絡まれた、元ひきこもりの少年の前に突如として現れ助ける。
そしてその少年をかつての自分と重ね合わせるかのように「君は変われる」と激励し、群衆の中へと消えていくところで物語は幕を閉じた。
連載終了後に出た総集編のインタビューで、作者はユウが生きていることをほのめかしている。
余談
2005年に放送された本作のドラマでユウを演じた石垣佑磨氏が作者に直接尋ねたところ、ユウは身長173センチメートル・体重62キログラムという設定らしい(つまり、石垣氏の公式プロフィールと同じ)。