和田垣さくら
わだがきさくら
人物
物語開始以前に本物の三矢が何者かに殺害され、事態の発覚を恐れたマネージャー山本が急遽用意した、謂わば替え玉である。
当初、オーディションは四位であり不合格だったが、自分を合格させるように事務所に直接直談判をしたらしい。
本物の三矢と同じ黒猫であるが、瞳の色や髪型など容姿に差異がある。(三矢→青眼、和田垣→緑眼)
ミステリーキッス加入後も入れ替わりに気づかれないよう仮面を被り、三矢ユキとして活動するよう指示されていた。
無邪気で明るく天真爛漫な性格で、唐揚げが好物。
しかし、ダンスレッスン中に転倒したり、古参客の今井に「以前よりダンスのキレが悪くなった」と心配されるなど、アイドルとしてのセンスは本物の三矢より劣っている。事実、市村しほにも「前の方がよかった」と陰で言われている。
大分県出身で母子家庭に生まれ育ち、母親に恩返しをするためにアイドルになった。
作中、母親と電話するシーンでは大分弁を喋っている。
彼女の母親もかつて夢に破れた過去を持っていることが示唆されており、娘には「どんな手を使ってでも夢を叶えろ」と常日頃言い聞かせていた。
視聴者からは、本物の三矢と区別して「偽三矢」と呼ばれることも多い。
また、2021年6月16日にポニーキャニオンから配信されたシングル『超常恋現象』には正式に「和田垣さくら」とクレジットされている。
作品投稿に関して
公式サイトでは和田垣さくらは「三矢ユキ」として紹介されている他、「和田垣さくら」としての存在は物語の核心に迫るネタバレである。
そのため、和田垣さくらのイラストを投稿する際はアルバム形式にしてワンクッションを置く、「三矢ユキ」と「和田垣さくら」のタグの併用は避けるなど、未視聴者への配慮をすることが望ましい。
最終話で判明した真実
「お母さん元気?うん、前んとこより大きい事務所に移籍したんよ」
「うん、順調すぎち怖いくらいや、最初ね?オーディションに落ちた時、マネージャーに食い下がったんよ、思い出したら笑えるんやけど」
「でもね悔しかったんようん上手くいったちゃ」
「あのまま、世に出てこなきゃ気は済んだんやろうけどさ、だけんCDデビューしたって聞いた時居ても立ってもおられんようになって」
他の登場人物と同じく正体は人間である。
そして、和田垣さくらこそ本物の三矢ユキを殺害した真犯人であることが明かされた。
当初、オーディションを不合格になった和田垣は、どうにか加入できないか事務所に直談判し、その際に自分が四位でギリギリ合格できなかったことを告げられる。
その後、ミステリーキッスがCDデビューをすることを知り、居ても立っても居られなくなった和田垣は、母親の「どんな手を使ってでも夢を叶えろ」という教えを忠実に実行することになる。
2019年10月4日深夜、小戸川のタクシーで上目黒の事務所を訪れた和田垣さくらは、先に二階堂ルイに呼び出されていた三矢ユキを鈍器で殴打し、絞殺した。
その後、都合のいいことに三矢ユキの死はヤノたちの手によって隠蔽され、目論見通り和田垣は急遽繰り上がりでミステリーキッスに加入することとなった。
その後、母親より何者かに盗聴されていることを教えられた和田垣は、ある方法で盗聴器の在り処を調べる。
そして12月30日、小戸川の快気祝いが終わり閉店した後の居酒屋「やまびこ」を訪れ――……。
「—―もう、よだきぃなぁ……」
運対決の果てに
「私、運だけはいいんだ」
小戸川「そうなんだ……俺も運はいいよ」
「運対決だね」
劇場版「イン・ザ・ウッズ」では10月4日のドライブレコーダーの映像を回収する為、タクシーに乗り込み小戸川を包丁で殺害しようとするが、エンドロールのニュース映像で殺人未遂容疑で逮捕された事が判明した。(詳細は不明だがテロップには「止めに入った男性も負傷」と書かれていたことやその後柿花が表彰されていることから柿花が止めにいったものと思われる)
もう一つの殺害動機
スピンオフである『ルートオブオッドタクシー』に於いて(ルート独自の設定の可能性もあるが)和田垣さくらが自分は呑楽の隠し子の一人だと思い込んでいたことが明かされた。和田垣は母親の「呑楽嫌い」をきっかけに誤解している(嫌う本当の理由は実父絡み)。この事を考慮すると三矢を殺した動機は「ポジションの繰り上げ狙い」や「アイドルとしての華の差を妬んだ」だけではなく、「同じ大御所芸能人の血を引いているにもかかわらず非嫡出子にされたと誤解したこと」「自分より恵まれた環境なのにそれを利用しようとしない三矢の良く言えば真面目さ、悪く言えば無自覚な傲慢さ」もあるように思える。
余談
先述のシングル『超常恋現象』のジャケット裏には、よく見ると和田垣にある仕掛けが施されているのが分かる。