概要
新エリー都ヤヌス区の六分街に店舗を構える、個人経営のレンタルビデオ屋。1階に店舗と工房、2階には兄妹それぞれの私室がある。
兄・アキラと妹・リンの二人が店長兼店員を務め、規模も資産もこじんまりとした店ながら、兄妹の社交的な人柄やサービス精神旺盛な仕事ぶりにより、地元民からの評判は良好。
そんな二人の経歴は、過激なアクション映画よりも奇なり。
ホロウ離脱をガイドする非合法の後方支援ナビゲーター「プロキシ」の中でも、飛び抜けた手腕から「パエトーン」の異名で語り草となったのが、出自不明な二人の裏の顔。
本作『ゼンレスゾーンゼロ』のプレイヤー(主人公)枠にあたる兄妹で、ホロウ内部を舞台とするアクションパートではオペレーターを務めるため戦闘には参加しない。アドベンチャーパートでは街中を探索し、顔馴染みや顧客の面々、エージェント達と交流する事が可能。
新エリー都では多くのプロキシが活動しており、あくまで本作のプレイアブルキャラ達は、兄妹とツテがあるお得意様(特に邪兎屋)に過ぎない事になる。
ゲーム開始時にどちらをメインの操作キャラにするか選択し、選ばなかった方は助手という体となる。別に離れ離れにも一人だけにもならない実質的なダブル主人公だが、メインと助手で会話シーンの担当が違い、選んだ側に応じて入れ替わる。
バトル中のナビゲーターは助手側だが、フィールドやムービーで喋るのはメイン側、といった具合に差異があるので、どちらを選択するかはご慎重に。
出身は過去の騒動で崩壊した旧都らしく、故郷の滅亡後二人でいまの六分街へと引っ越してきた。
メンバー
「パエトーン」
インターノットで「伝説」と謳われる謎のプロキシ(非公認ホロウ調査ナビゲーター)。
実態は当兄妹が二人一組で運用しているアカウントで、非合法ながら業界屈指の手腕を持ち、具体的にホロウ内外でタイムラグ無しの通信・援護が出来るのはパエトーンだけらしい。
邪兎屋などホロウレイダーからは頼れるプロとして度々助力を依頼されているほか、同業者からも憧れの対象となっている。
依頼料の安易な割引は受け付けておらず、ビジネスライクに振る舞う一方で、信用できる相手なら料金のツケ払いを許していたり、サブアカウント名義でサービス価格の仕事を受ける場面も少なくない。
懇意にしている人々には「Random Play」店長との兼業である事も知られているが、プロキシ自体が無許可であるダーティーな仕事なので、特に依頼を直接持ち込むような場合には、協会や治安局に察知されないよう気を配られている様子。
正規の仕事を受けたり、治安局の関係者と出会った際にも、自律型ボンプのフリをしている。
その高名さから次々と仕事が舞い込んでいたが、本編序盤で拠点が謎のハッカーに襲撃され、危機を脱する為"パエトーン"としてのアカウントを放棄する事になってしまった。既知の者以外にパエトーンである事を証明する術も無いので、直前に作っていた(プレイヤー命名の)新規サブアカウントで一から活動をやり直す羽目に。
プロキシ業務の収入も1/3にまで減ってしまったらしく、再度地道な活動で評判を集めつつ、家計のためビデオ屋の営業にも本腰を入れ始めている。
なお、本人達もエーテル適応体質である様だが、他同社作主人公のように直接的な戦闘力は持っておらず、劇中では幾度も不慮の事故や攻撃に晒され九死に一生を得ている。
- H.D.Dシステム(Hollow Deep Dive System)
兄妹がパエトーンとしての仕事に用いている演算装置。基本的には、イアスを通じてホロウ内でエージェントを先導するガイド担当と、ホロウデータの処理や通信の調整を行ないながら適宜ルートを算出するサポート担当のペアで依頼の遂行に当たっている。
現地で活動するエージェントとのコミュニケーションにおける生命線で、システムにトラブルが発生するとイアスも沈黙してしまう。
- fairy
本編序盤で邪兎屋が依頼のもと争奪していた、謎の超高性能AI(女性型)。
上記ハッカーによる脱出情報消失から邪兎屋を救う為、ダメ元で拝借・起動した結果、主人公と何かしらの「契約」を交わし、そのまま一方的な協力者としてH.D.Dに居座ってしまう。
新エリー都の全情報媒体8割から即座にデータを収集する力を持つとされ、これにより兄妹は今までを優に越えるホロウ内ルートの算出やハッキングを行えるようになったが、出自不明な彼女を訝しみ警戒もしている。
無機質な音声と態度で話すが、意外と慇懃無礼でプライドの高い面もあり、主人公ではない方を"助手2号"と下に置いたり、軽く見られると即実力を見せつけようとする等、中々にイイ性格。
本作第三のナビゲーターで、ゲーム中でもその声を聴く機会は多い。
- イアス
襟元にオレンジ色のスカーフを巻いた「Random Play」のボンプ。感覚同期を行なう事でホロウ内ではパエトーンの分身として動き回り、エージェントたちを適切なルートへ導く他、撹乱用の煙幕弾を投げ込むなど軽微な戦闘支援も可能としている。「スカーフの喋るボンプ」によるダイレクトなサポートはプロキシ・パエトーンの大きな特徴の一つ。
スカーフには番号が振られており、パエトーンの“憑依”を受ける1号の他にも、「Random Play」店内には同じデザインのボンプたち(カウンターで店番をしている18号、工房の門番もといドア番をしている6号など)がいる。
余談
なお、ギリシャ神話には同名の登場人物が存在しており、伝えられるエピソードは概ね「過ぎた力を求めながら、扱い切れずに大地に災厄をもたらし、事態を収めようとした父神の手によってやむなく最期を迎える」という悲劇的なもの。
miHoYoの先行作品の一つ『原神』でも同様のモチーフを取り上げた任務の顛末が顛末だっただけに、そのネーミングから不穏な気配を察している旅人兼任のプレイヤーいるが、上記の通りその名を半分失った事がどれだけ影響するか未知数。