概要
背丈は150ヨージャナ(およそ1050km)にもおよび、最大の仏敵であるマーラの乗騎だといわれる。
仏典「ジャータカ」においては、マーラはギリメカラを駆って自身の配下と共に菩提樹の下にいる釈迦に襲いかかるが、ギリメカラは足元を払われて釈迦に跪いたという。
仏教を信仰するスリランカとヒンドゥー教を信仰するインドは古来から政治的に対立しており、スリランカではヒンドゥー教の神が悪魔として描写されることがあった(例:ガルダ→グルル)。
その中でヴェーダの偉大なる軍神インドラの乗騎アイラーヴァタが悪魔として語られた存在がギリメカラであり、神であるインドラ自身も釈迦の成道を妨げた魔王マーラに挿げ替えられたのである。
女神転生シリーズのギリメカラ
初出作品はFC 「女神転生Ⅱ」で、種族は“幽鬼”。誤植の為か名前が『ギリメカテ』表記だった。
基本的に剣を持った一つ目の象頭人身の姿か、巨大な象そのものという姿であり、シリーズを通してかなり高い登場率を誇る。
女神転生シリーズのギリメカラを語る上で外せない特徴は、物理反射という驚異の防御相性であろう。
作品によって、ギリメカラの防御相性やシステムが様々なので以下に列挙する。
女神転生Ⅱ
この頃は反射ダメージ自体が微々たるもので、むしろ所持している即死魔法の方が厄介な存在。
ガン攻撃が有効であり、さらに通常攻撃がガン相性の仲魔が多かった。
真・女神転生
種族“邪鬼”の最高位悪魔として登場。剣攻撃のみ反射で、ガン攻撃や技・突撃・針相性は有効。
この作品から攻撃反射の概念が与えられたダメージを全て返すというものに切り替わったことや、AUTO戦闘システム、強力な合体剣・武器、ギリメカラ自体がラストダンジョンに出現するなどの要素が絡み、初見殺しとして多くのメガテニストに衝撃を与えた。
所持スキルも状態異常攻撃ばかりで、どこまでも嫌らしい悪魔である。
なお、この頃は攻撃反射の原理について、「近距離で攻撃してきた相手に幻覚をかけ、自分自身を攻撃させているから」と説明されている。
真・女神転生Ⅱ
種族は“邪鬼”。剣・ガン・技系反射という物理攻撃に対して鉄壁の防御相性を誇るが、それ以外の攻撃は全て大ダメージを受ける。
今作のギリメカラは、旧都庁の魔法禁止エリアにも出現するなどシリーズでも悪名高い。さらに「if...」ではエナジードレイン攻撃も使用する。
真・女神転生デビルサマナー
今までのデザインから一新して、巨大な象の姿で登場。
呪殺・魔法攻撃に弱くなったが、エナジードレインを使うなど相変わらずの凶悪さである。
真・女神転生Ⅲ
種族は“邪神”。今作ではついにボス悪魔として登場し、通常出現するギリメカラも呪殺無効相性やランダマイザ(全能力ダウン)を所持する。
なお、今作で採用されたプレスターンバトルシステムにおける“攻撃反射”は全プレスターン消費の為、誤ってギリメカラに物理攻撃を繰り出そうものなら問答無用で敵にターンが回るので、反射ダメージはもとより辛うじて生き残ってもパーティ壊滅の危険性が格段に跳ね上がる仕様。
デジタルデビルサーガシリーズ
“鬼族”の悪魔で、破魔属性が弱点になるも火炎吸収や呪殺攻撃など総じて厄介な相手である。
レア悪魔として出会った者に上官のごとくふるまう“軍曹”ギリメカラが登場する。平均レベルが49以下の時は一撃をくれて何処かへ去って行くだけである。だが、実際の勝負ではその攻撃たるや物理・万能・呪殺攻撃のオンパレードで、対策なしで挑めば全滅必至の存在である。
真・女神転生 STRANGE JOURNEY
デビルサマナーシリーズのデザインで登場。物理反射・銃吸収相性で、主人公専用の銃スキルが充実しているだけに、凶悪な存在である。
今作では初見の悪魔は『アンノウン状態』で登場し、相手の正体がわからないままで一度戦わなければならない。つまり、ギリメカラに物理攻撃を行う可能性が格段に跳ね上がっているのだ。
呪殺以外の魔法スキルが弱点なのでアナライズ後はデビルCO-OPで簡単に倒せる相手だが、別の悪魔を挟んで二体で出現するなど基本的に面倒である。
デビルサバイバー2
“邪鬼”の悪魔で登場。
一般登場悪魔ぐらいの扱いであるが弱点が衝撃属性なのでスキル構成が可能な今作では撃破が簡単な部類の存在である。翻って弱点属性が一つなので悪魔合体による補強がかなり簡易、氷結激化を載せたブフダインによる高い火力等、ある意味シリーズ作品中でユーザーに最も優しい仕様である。
また、センプテントリオンの一角ミザールは物理攻撃主体であるため、ギリメカラを投入すればほぼ完封できるという頼もしさを見せる。