解説
戦車に乗って危険な荒野を行く本シリーズでは欠かせない、戦車戦の頼れる裏方職。シリーズ皆勤。メタルマックス3あたりからは巨大なスパナがトレードマークになっている。
強大な戦闘能力を持つ戦車も壊れてしまえばただの鉄の箱。メカニックがいなければ町の修理屋への依頼を余儀なくされる為、旅先でクルマがイカれたらどうしようもなくなってしまう事態も多々ある。
メカニックは上記の状況を覆し、クラスではそうそう換えの利かない『修理』の役割を担う縁の下の力持ち。直接の戦闘行為こそ得意ではないのだが、アイテムや特技1つで壊れた兵器を直せる重要性は、強敵ひしめく地域を戦車で征くなら身に沁みているだろう。
破損のみならず、成長すると大破まで修理が可能になり、後ろ盾としてより重要になるだろう。大破は修理費用が高額になる為、経済的にもパーティを支えてくれる。
特技システムが導入された砂塵の鎖以降は、得意ではなかった戦闘能力にもスポットライトが当てられるようになった。
よく考えてみれば豊富な知識で機械の修理を得意とするのだから、機械の急所も熟知していて然るべきであり、タンクやマシーン相手に大きなダメージを与えることができる。
「ストップシグナル」「クラックダウン」で機能停止させる作品もあれば、「解体」で一撃必殺さえできる作品も。
鋼の季節でデビューした「ゆるめる」による守備力デバフは、対戦車などで定番の戦術として採用されるに至っており、近年のメカニックの立ち位置は本作でほぼ固まった。
修理の方面も一層と強化され、「タイル命」で装甲を貼り直したり、「即席修理」「最も危険な修理」で戦闘中の修理が可能な為、パーティの継戦能力アップに寄与している。
メタルマックス3以降
前述の機械系統のモンスター(サイバネティック、マシン、タンクの全て)にダメージの上昇補正が付与されただけではなく、機械に特化した攻撃スキルも充実した。
だが、メカニックのステータス上昇率は、運転LV以外は底辺であり、折角の攻撃スキルもほぼ活かせていないのが実状。
お陰で『メタルマックス2リローデッド』では、ソルジャーやレスラーのサブジョブにすると、本職以上にスキルを使いこなしている、少々悲しい状況が発生してしまう。
但し、メインジョブとしてメカニックは、完全には死んでいない。
メインとサブをメカニックでそろえれば、解体を100回以上使えるようになるのは、メインジョブのメカニックだけの特権である。
また、装備できる武器の総数こそ豊富に見えるものの、通常属性以外の武器は基本的に『LOVEマシン』以下の火力の武器しか装備できないのが弱点。
更に、通常属性武器は『マグナムガデス』以外の連続攻撃武器が持てない謎仕様まであり、限界突破するまではとにかく白兵戦に苦労する。
スキルの仕様が大幅に変更され、キャラクタークリエイトで外見とジョブの不一致が出来るようになったのも合わさり、ステータスの伸びが悪い汎用メカニックは、一気にいらない子となってしまったのだ。
他にも、正規メンバーのラロの存在が大きい。
ラロはメカニックにしては、ステータス上昇が良い上に専用スキルもあり、余計に汎用メカニックの使用価値を失わせた(これはナースもほぼ同じである)。
この為、一部の個人運営の攻略サイトでは「メカニックを選択する必要はない」とまで酷評されている始末である。
唯一(?)メカニックの光る所があるとすれば、コーラ・ギンスキーやラッキーナのように、明確なジョブ設定のないキャラクターのデフォルトになると、「困ったらこのジョブで良いや」的な汎用性がある所だろうか(正直「だからどうした?」程度のものだが……)。
世界観として
メカニックの職業は、この荒野の時代においても現実同様に重要性の高いポジションとして重宝される。町の修理屋との違いは前線で戦うかどうかであり、『戦車の修理』の意味では両者に全く違いは無い。その為、花形のハンターとは逆に抜群の安定性を持つ職業であり、実際初代メタルマックスや砂塵の鎖においては、主人公の親はメカニックにするつもりで主人公を育てていた。