概要
「唐(古代中国)から来た草の模様」という意味で、特定のモチーフ元が存在するわけではない。「唐草文様」とも呼ばれる。
基本的には蔓植物が曲線や渦を形作る様子を描いているが、中には本来蔓植物ではない種族をそのように描いたものも存在する。
シルクロード沿いを中心に各地で同様の模様が見られており、日本にもその終着点という事で伝わってきたものと考えられている。
ペルシアなどは「アラベスク」として次第に複雑化させていった一方、日本では逆に簡略化させてゆく方向が好まれ、メイン画像のように花が描かれるものすら珍しくなった。
明治に入る頃には色までもが「緑~黒色の地に白~黄色の線」で半ば固定され、その状態で風呂敷用の布地として大量生産された事でよりイメージを強固なものにしている。
なお唐草模様はツル植物の姿に生命力や子孫反映のイメージを重ねた縁起物とされている。
唐草模様=泥棒?
古典的な泥棒(こそ泥)のイメージと言えば、「唐草模様の風呂敷に荷物をくるんで首の後ろに背負っている、見るからに怪しいヒト」であろう。これには一応の由来があり、昭和以前はどこの家にもそうした柄の風呂敷があったので、泥棒が手ぶらで忍び込み、盗品を持ち帰るために風呂敷も拝借していた、という事から。
そんな露骨に目立つ泥棒がいるかは別としても、いまだにコミカルな泥棒のイメージとして根強い。
関連イラスト
唐草模様(漫画)
2008年に「赤マルジャンプ」に掲載され、その後単行本『SWOT』2巻に収録された。