曲線
きょくせん
曲がった線のこと。
通常は長さで表される一次元的な存在であるが、二次元以上の空間でなければ「線が曲がる」という現象が起こらないため、二次元以上でのみ存在する。
曲がっていなければ「直線」となるが、文脈によっては単なる「線」と同様、直線や折れ線も含めた「真っすぐとは限らない線」という意味合いで用いられている。
また、直線が「両側に無限に伸びている」と定義されるのに対し、こちらは両端があるものや、輪っかになっているものに対しても用いられている。
「直線⇔曲線」という対比は、「機械的⇔生物的」「男性的⇔女性的」という対比とよく結び付けられる。
経線は、三次元ユークリッド幾何学的に見れば曲線だが、球面幾何学的に見れば直線である。
緯線については、大円になってないため、球面幾何学的に見ても曲線である。
「コッホ曲線」のようなフラクタル図形の名前にも用いられているが、フラクタルの場合は一次元的な存在とはならない点に注意が要る。
二次元版は「曲面」となる。
日常的に言われる所の曲線は、「Z」の字のような折れ線ではなく、「S」の字のように滑らかに曲がったものとなっている。
これも極限的に短い部分を取れば直線と見なせるため、極限的に短い線分を繋げた折れ線と見る事ができる。
曲がり具合は「曲率」によって表す事ができる。
定義としては例えば、曲率がaであるというのは、曲がり具合が「半径1/aの円の円周」と同じという事となる。
別の言い方をすると、速度が単位時間あたりに変化する距離であるのに対し、曲率は単位長さあたりに変化する角度である。
曲率がどこでも0ならば直線となるし、0以外で一定ならば円となる。
曲率の逆数である「曲率半径」も用いられる。
各点の曲がり具合を通常の角度で測ろうとすると、端以外はどこでも結果が0°となる。
これが「滑らかさ」に結びつく性質であり、「微分可能である」とも表現される。
これにより、特定の点に対して一つの接線を定義できる。
逆に、折れてる部分を曲率で測ろうとすると無限大に発散してしまうので、折れてる部分は通常の角度で測る必要が出て来る。