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花梨(鬼の花嫁)の編集履歴

2024-11-22 09:10:38 バージョン

花梨(鬼の花嫁)

かりん

小説、漫画『鬼の花嫁』の登場人物。

概要

CV:千本木彩花,影山灯(朗読劇にてのキャスト)


人物

柚子の妹。

開始時点で高校2年生で、鬼に次ぐ上位のあやかしである、妖狐の[狐月瑶太>狐月瑶太]の花嫁。

平凡な容姿の柚子とは対照的に、ピンクブラウンに染めたショートボブ、髪の毛から爪先まで一部の隙もなくサロンで完璧に整えた美貌、甘え上手で社交的な可愛らしい美少女。

漫画版は柚子と異なりツリ目気味で母親似のカールした髪質で、幼少期~小学生までは頭頂部に大きなリボンをしていた。


かくりよ学園初等部(小学生)で同学年の上位のあやかし・狐月瑶太の花嫁に選ばれる。

狐月家は鬼の次に地位の高い妖狐の一族でも本家に近い上位分家で、かくりよ学園高等部のスクールカーストでも上位のあやかしとして幅をきかせている。

両親と瑶太から溺愛され一度も叱られず育ったため、非常に我儘な性格。

花嫁に選んだ瑶太は元より花嫁として周囲に羨望の目で見られたこと、実家の両親が何かにつけて「花梨は花嫁」「花梨は特別な子」と偏愛したことからプライドと選民思想が強い。

花嫁ではない姉(柚子)を見下して優越感に浸っていたため、柚子が自分より格上のあやかしの花嫁に選ばれると「何かの間違い」「お姉ちゃんなんかが花嫁に選ばれる訳がないのに」と頑なに認めようとせず、最後まで柚子に花嫁を辞めさせようと暗躍した。

(実際にはどんな醜い女性だろうと花嫁に選ばれる可能性はあり、花嫁の序列は嫁ぎ先のあやかしの序列に比例するため、花梨が柚子に対して「柚子様」「鬼龍院様の花嫁」と敬わなければならない立場になったことが我慢できないという嫉妬心に過ぎなかった。)


派手な外見に反して瑶太を一途に愛しており、冒頭で柚子が元カレに振られたのは遊びに来た元カレに挨拶しただけの花梨に勝手に元カレが惚れており、花梨は一切元カレを誘惑していない。

進学先のかくりよ学園でも花梨に憧れる生徒は男女問わず多かった上、高い偏差値を誇るかくりよ学園で文武両道・成績優秀で非の打ち所がない花嫁として高等部の時点で周囲に絶賛されていた。

逆に幼くして花嫁に選ばれたため対人関係が瑶太同様に狭く、二人だけの世界に生きる様はあやかしの男子生徒からも、花嫁になりたい人間の女子生徒からも「理想のカップル」と羨まれていた。

イジメは家庭内で行って外面を完璧に保つ、婚約者の瑶太が家庭内イジメを容認するという環境のために手遅れなほど性格が捻じれていったのがその後の命運を分ける。


漫画版は柚子が気弱な性格に変更されて発端となる事件が起こらない可能性があったためか、瑶太の性格と共に大きく悪役らしい攻撃的できつい性格に変更されている。

柚子を家庭で陰湿にイジメたり、柚子に「土下座して今度一切逆らわないと誓えば、『私の』家に入れてあげないこともない」と発言したり傲慢で実家を支配する女主人めいた言動が多い。

他にも瑶太に「腕だけじゃなくて顔まで燃やしちゃえばよかったのに」「こいつ(玲夜)もお姉ちゃんみたいに燃やしちゃってよ」と暴力を行使するよう命令したり、瑶太も原作と異なり警告なしで柚子の腕を燃やしたり、花梨にキスでおねだりされて柚子の誘拐に同意したりと、妖狐一族の女性当主・狐雪撫子が嫌悪する「花嫁が絡んで理性を失った愚かなあやかし」としての描写が強調されている。


原作は性格が良く言えば無邪気、悪く言えば幼稚。

花嫁なのにあやかしの一族を巻き込む事件を起こした罪悪感が全く無い性格を危惧した妖狐の当主・狐雪撫子により、更生しなければ瑶太の花嫁にすることはできないと警告される。

翌年に瑶太が結婚可能年齢になり、もし瑶太と花梨が結婚すると正式に妖狐一族の一員になってしまい、狐月家の花梨が柚子に危害を加えてしまうと妖狐の一員(花梨)が鬼の花嫁に危害を加え、抗争に発展する危険が非常に高いと政治的にも非常に危うい状況に立たされていた。

しかし花梨は上記の対応すら「皆が急におかしくなった」と自分が罪を犯して周囲が罰を与えたり監視するようになったことすら自分は何も悪くないと困惑する始末だった。

柚子を見下したりイジメることを悪いことと自覚していない節があり、柚子と最後に決別したのも柚子の言葉に逆上し、冒頭の柚子と対照的に花梨が癇癪を起こして決定的なことをしてしまうという結末になっている。




経歴

産まれた時から両親の愛情を一身に受け、姉妹仲もすぐに歪んでしまう。

小学生の頃に瑶太に見初められ婚約者となったことで、両親からより偏愛される。

歪んだ教育の結果、柚子を使用人同然にこき使うなど我が儘で傲慢に育ってしまった。

漫画版では(自分は何一つ支度を手伝わなかったにもかかわらず)柚子が作った夕食のステーキが固すぎると文句を言い、すぐスーパーで買い直して作り直せと店員に怒鳴る客のような言動をした上、家族はおろか婚約者の瑶太すら花梨の言うことに従うという向かう所敵なしだった。

その後柚子が祖父母から誕生日で貰ったワンピースを奪おうとして柚子の怒りを買い、引っ張り合いの拍子でワンピースが裂けたことでショックを受けた柚子から平手打ちを喰らう。

騒ぎに駆けつけた両親に「ワンピースを貸してほしいと言ったのに貸してくれなかった、わざと破いた訳じゃないのに叩かれた」と泣いて大騒ぎし、柚子が激怒した瑶太から火傷を負わされる姿を見て嘲笑する。


その後柚子があやかしのトップである鬼龍院玲夜から鬼の花嫁として見初められたことで一気に立場が逆転。

今まで柚子に無関心だった両親たちが掌返しで柚子(経由で鬼龍院家)から資金援助を貰おうと態度を一変し、瑶太も玲夜から一方的に燃やされ無様にやられてしまう。

漫画版では瑶太を心配していたが、怪我が治ったと分かるや「妖狐は強いんじゃなかったの?」と瑶太が柚子のパートナーのあやかしに負けたことにいら立つ台詞が追加。

「花嫁になっていいのは自分のような特別な存在だけ」というプライドから、平凡で見下していた柚子を鬼龍院家から実家に連れ戻し、花嫁から降ろそうと画策。

しかし全工程を婚約者の瑶太とその実家(鬼龍院家より格下)に頼るという他人任せなプランで、自分を愛する瑶太を利用するという最低な計画が失敗すると窮地に立たされる。

動機は柚子への嫉妬心なのだが「鬼に騙され利用されている柚子を助けて連れ戻し、家族皆でまた一緒に暮らしたい」という体で動き、本音の嫉妬心を認めなかった。(もっとも柚子と瑶太には本音を最初から見抜かれていた。)


鬼と妖狐の争いに発展しかねない行動と花嫁の権限を悪用する様に、玲夜だけでなく妖狐一族の当主・狐雪撫子の怒りも買って狐月家で強制同居・監視されることとなり、次に柚子に接触したら花梨を花嫁から降ろし、瑶太と永久に接触禁止という罰を通達される。

漫画版では狐月家の屋敷で「外出はなりません」と常に使用人にはりつかれ、癇癪を起こして暴れる花梨に瑶太が駆け寄って抱き寄せ必死に宥めるという地獄のような同居生活が描かれた。

何でもお願いを聞いてもらえて自由な実家に帰りたいと駄々をこねるも、瑶太にとっては花梨を失うことだけは絶対に避けたいため、今になって「我慢してくれ」と初めてお願いを拒否される。

当主の撫子に庇ってもらって婚約を首の皮一枚で維持できている危機的状況かつ、瑶太と花梨の柚子誘拐で狐月家の使用人たちから霊力をかき集め、結果的に誘拐に加担させた罰を狐月家全員が受けている状況から、花梨を見る目は非常に厳しいものだった。

漫画版では「花嫁は嫁ぎ先で大切にされるはずなのに、この家は皆、私を責める目をするから嫌い」と花梨は不平不満を口にしている。

さらに両親たちから「花梨が柚子に謝れば解決する」「狐月家からの資金援助を打ち切られ、引っ越し命令されたから柚子しか頼れない」と一転して責められ、挙句に今まで花梨のおかげで贅沢できたのを「お前はいつもそうやって我儘ばかり」「花梨がしっかりしていれば狐月家に見捨てられずに済んだのに」と冷たく突き放し、連れ帰ってくれと懇願する花梨を無視して帰宅。

瑶太と両親の変化を自分の罪だと顧みようとせず、「お姉ちゃん(柚子)のせいだ」と逆恨みを加速させてしまう。


あやかしの宴会最終日に女子トイレで柚子を待ち伏せし、罵声を浴びせて今までのように命令。

「花嫁なのは間違い」「実家に戻って」と促すが、本心を見抜かれた上に絶縁を言い渡される。

逆上して柚子に「両親に愛されない子」「私の機嫌を伺うしか価値がない」と罵倒するも、実家に依存しなくなった柚子には通じず「今が一番幸せだから」と穏やかな笑顔で返されてしまう。

(花嫁になってすぐ同居した柚子は自分のように同居先で辛い目に遭っているかと思いきや、実家にいるよりも晴れやかな笑顔で、自分との格差を感じて余計に惨めになったのもあっただろう。)

立ち去ろうとした柚子を怒り任せで階段から突き落とすが、寸での所で玲夜に柚子は救われる。

しかし玲夜や瑶太だけでなく、両家の当主である鬼龍院千夜(玲夜の父)、撫子も一部始終を目撃したため、前述の罰通りに撫子から花嫁の地位を剥奪され、両親共々遠い土地へ追放された。


原作では婚約解消させられた瑶太が号泣して離れたくないと花梨を強く抱きしめ、花梨は呆然として「えっ」と言っただけで終わるというあっさりとした顛末。

漫画版18話ではその後、悲しくも壮絶な二人の別れの場面が追加されている。

原作でも描かれていない花梨が花嫁に選ばれた時の場面は、歪む前の無邪気で幼い瑶太と花梨がずっと一緒に幸せな未来を歩めると、そう信じて疑わない瞬間だった。





その後(漫画版ネタバレ注意!)




(以下スクロールにて掲載)








花梨は資金援助を打ち切られた両親の所へ送り返され、国内の遠方へ追放された。

一度贅沢を覚えた両親や花梨は狐月家の資金援助を失い、親族全員から絶縁されて困窮する。

人間の誰もが知っている鬼龍院家と狐雪家を敵に回した両親が再就職するのは非常に厳しかったと思われ、花梨も退学になっているためアルバイトをさせられた可能性が高い。

(漫画4巻特装版書き下ろし小説にて、花梨が退学処分になったことが明かされている。)

原作3巻で瑶太は再登場するも、花梨は登場しない。

その時点ではまだ柚子を恨んでいたようで、花梨と瑶太と共通の友人で幼馴染である妖狐の女子生徒・菖蒲から「今花梨ちゃんがどんな想いでいるか」「瑶太は花嫁(花梨)を失って衰弱していっている」と柚子を糾弾する理由となってしまっている。

そして花梨が花嫁を降ろされた理由が柚子にあると周知され、かくりよ学園ほぼ全部の生徒から柚子が嫌われるほど花梨と瑶太が学園で支持されていたと発覚。



原作5巻で引っ越した両親と柚子は再会するが、転居先に花梨の姿は無かった。

花梨がどこにいるか詰問しても両親は「知らない」「あんな娘」と花梨を見捨てている様子だったが…。

その後、玲夜の口から下記のことが語られる。


・瑶太の庇護を失って家庭の歪みに気が付き、家を出た

・今は別の所で無事に過ごしている

・会いたいならいつでも会わせられる

・(玲夜が会わせられるほど)内面が成長した


柚子は会わない選択をしたので姉妹対面は叶わなかった。



原作8巻(新婚編3巻)、作中5年の時を経てついに妖狐の当主・撫子と柚子の赦しを得て再び瑶太の花嫁になる。

瑶太は5年間ずっと花梨を物陰から見るだけ(接触禁止令を破らないよう)、花梨も5年間一目も会えない瑶太を一途に想っていたのが妖狐一族の心を打ち、撫子に直訴するほど二人を復縁させてほしいと味方が出来るほど更生した。

柚子も玲夜も「本能がある瑶太と違って花梨は新しい相手を見つけているのでは?」と思っていたが、よくよく考えれば人間の男性はあやかしほど強烈に愛してくれないだろうし、容姿も瑶太より下と思えば花梨の心が靡かなかったのも当然かもしれない。

諦めず想い続けた花梨と瑶太が報われる一方、花嫁との結婚を諦め、あやかし同士の恋愛に行ったあやかしが本能で苦しむ様子が描かれ、対照的な様が描かれている。






関連タグ

鬼の花嫁 毒妹 悪女 自惚れ

柚子(鬼の花嫁)


類似するキャラクター

斎森香耶 』:『わたしの幸せな結婚

両親に愛される妹、姉をイジメたり見下すことで優越感に浸る、自分より姉が幸せな結婚をするのが許せず妨害する、姉の婚約破棄を狙って悪事を働いた結果破滅して遠く離れた土地に追いやられる、現状再登場していないといった共通点がある。

容姿もウェーブした髪でツリ目、姉を見下し馬鹿にする表情が多いといった共通点がある。

此方は姉と自分の婚約者を入れ替えようとする、婚約者との間に愛情がないといった面でより救いが無い。


草摩慊人 』:『フルーツバスケット

毒親に偏愛と「特別な子」「愛されるために生まれてきた子(複数の異性から必ず愛される)」という歪んだ思想を植え付けられた、自分の地位や特権を濫用して気に入らない人間に暴力を振るったり精神的に虐める、自分の思い通りにいかないと癇癪を起こして暴力を振るう、自分の味方でいてくれる異性を常に傍に置いて振り回す、終盤周囲に見放されて立場を失う、全てを失って更生してから想い人とよりを戻して結ばれるといった共通点がある。

容姿も作中で「美人」と何度も称されるほど整っており、ツリ目も共通している。


右代宮絵羽 』:『うみねこのなく頃に

自分より立場の弱いきょうだい(此方は弟と妹)を見下して威張り散らしきつく当たる、自分より劣った兄が優遇されることが我慢できず次期当主から引きずり降ろそうとする、相思相愛のパートナーには可愛らしく甘えて性格の長所も見せる、親兄弟が絡むと敵対心をむき出しにした嫌味な言動に豹変するがパートナーには変わらず愛情を注がれる、最終的に大切な存在を失う(此方は最愛の夫と息子を殺されるという救いのない結末)と共通点が多い。

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