概要
『NARUTO』の続編『BORUTO』にて、うずまきナルトが大筒木イッシキを倒すためにただ一度だけ使用した形態。
全身に九喇嘛の特徴が色濃く現れ、眼の色や瞳孔、顔の隈取、チャクラの衣が薄い黄色から赤橙に変化し、背中から9本の尾を形成する。
また、頭部にはチャクラの奔流が狐耳のように現れる。
この形態に変化すると、口調が落ち着きのあるものになり、戦闘スタイルも従来の多重影分身の術による物量戦やチャクラ量にものを言わせた大技などから打って代わり、格闘を主体とした細やかなものへと変わる。まさに「静」のモードと言えるだろう。
九喇嘛曰く、外部から必要なエネルギーを取り込んでいた仙人モードや九喇嘛がチャクラを貸し与えていた九喇嘛モードとは根本的に異なり、ナルトのチャクラと九喇嘛のチャクラから新たなチャクラを生み出す核融合のような力であると説明している。
発動させると全てのチャクラを使い果たすまで解除できない、一度限りの捨て身の技とされている。
戦闘能力
正真正銘最後の手段と豪語するだけありその力は絶大で、ナルトの全形態の中でも格闘などの基礎的な能力に関してはトップクラス(というかNARUTO・BORUTOの全キャラの中でも最高峰だと思われる)。
九喇嘛モードすら勝負にならなかったジゲンが更に強化されたイッシキを体術で圧倒する程の身体能力を獲得しており、写輪眼および輪廻眼を所有するサスケすら見切れず、それまで誰も対応できなかった杭による攻撃を悠々と掴み取れる動体視力を誇る。
術の威力も大幅に向上しており、通常の螺旋丸でもイッシキの攻撃を押し切り、超超大玉螺旋丸と見間違う程の大きさに巨大化して大爆発を起こすなど、凄まじいものとなっている。
九喇嘛モードなどと同じようにチャクラの衣を形状変化させて武器として使用する事も可能で、イッシキが秘術・大黒天より召喚した巨石を軽々と受け止めて投げ返したり、チャクラの衣そのものでイッシキを拘束するなどしている。
しかし、その真の力は死にゆく自分の命を「繋ぐ力」であるチャクラを介して相手に共有させる事にあり、云わばリスクこそが本命で上述の戦闘能力アップは副次的効果に過ぎない。
本来なら無闇に使ってもただの自滅で終わってしまうが、イッシキの寿命に著しい制限が生まれていた事から極めて有効に働き、僅かな時間の攻防の間に寿命を残り数分までに削りきっている。
消耗の激しさと忍術を縮小して無力化してしまうイッシキの特性と併せて終始素手による格闘戦を演じた。
代償
上記の通り、とてつもなく強力な力を一時だけ引き出す代わりに、使用者の命を燃やし尽くす形態ではあるが、実はこの使用者とはナルトではなく、彼の中にいる九喇嘛のことを指している。
通常、人柱力が死亡した場合体内の尾獣も死亡し時を置いてから転生するが、今回の九喇嘛の場合は「人柱力の体内から尾獣だけが消滅する」という前例のない形になり、再び蘇るかどうかすら定かではない。
結果として、死を覚悟していたナルトは死なずに済んだものの、生まれた直後からずっと一緒に過ごしてきた相棒を失うことになった。
また、それと同時に人柱力でなくなったナルトの戦闘能力は大きく下がり、有事の際には仙人モード+影分身によるチャクラストックという、ペイン六道戦以来の手法を用いている。ただし、大きく戦闘力が下がったとはいえ、逆に言えばそれでもペイン六道と渡り合える程度の戦闘力は持っているとも言える。