概要
作中でロック・リー、マイト・ガイの師弟と、ガイの父マイト・ダイが使用する木ノ葉流体術の奥義であり、体に8つある「門(経絡の弁≒リミッター)」をチャクラによって無理矢理外すことによって、通常では出すことのできない身体の潜在能力を引き出すことが出来る。
有り体にいえば「火事場の馬鹿力」を意図的に発揮させる術で、これにチャクラによるブーストを掛けることで、常人離れした忍すら驚嘆する瞬発力を得る。
門は頭に近い場所から、右脳に開門、左脳に休門、胴体に生門・傷門・杜門・景門・驚門、心臓に死門の八つ。
非常に強力な技であるが、限界以上の力を無理矢理引き出すことになるために、身体にはとてつもない過度の負担がかかってしまい、開けた門の数によっては使用後に動くこともままならなくなる。
そう言った大きなリスクから、八門を開く事で使われる体術含め禁術となっている。
更に、これらは上記の様にチャクラは飽くまで身体能力の強化の為だけに使用されており、攻撃の特性そのものに一切チャクラが付与されていない。
そのため、チャクラの無効化や吸収等の手段自体が意味をなさない。
また、体術だが忍術のようにエフェクトを伴ったり、飛び道具としても機能する。
驚門まで開くと使用者は青い汗をかき、それが蒸発することでチャクラのオーラに似た青い蒸気を身に纏う。
更に八門全てを開いた状態は『八門遁甲の陣』と呼ばれ、自身より遥か格上の相手(五影クラスの大物)でさえ圧倒してしまうほどの力を得られるが、使用者は必ず死ぬ。
使用の際には身体から紅い血の蒸気が出る。
無論、弱点も存在する。
上記のように身体へ極度の負荷がかかる他、単純な物理攻撃であるがゆえに搦め手を用いる相手には通用しづらい点である。
実際、ガイが十尾の人柱力となったうちはマダラに対して使った際には、八門を死門まで開いてガイが与えたダメージを結果として回復されてしまっている。
そもそも八門ガイと言えど求道玉に触れる事は出来ないので、マダラ戦ではミナト、我愛羅、カカシのサポートが必要不可欠だった。
例えば、マダラに限らず大蛇丸や飛段といった不死身系の能力を持つ相手には攻撃を当てても復活されてしまうため無意味となる。
そもそも彼らを倒すには、封印術で封印する、バラバラにして土に埋める等の対応が必要ではあるが。
千手扉間やミナトの飛雷神の術や、神威などの瞬時に長距離移動が可能な忍術を扱う相手の場合、八門を開いたのを見て逃げられてしまう恐れがある。
また、ペインの口寄せのカメレオンや二代目土影無の透明化、二代目水影鬼灯幻月のような強力な幻術などを相手した場合、感知できなければ攻撃どころではない。
他にも、多くの忍が習得している分身の術でも、分身を陽動に使って無駄撃ちにさせられるなんてことも考えられる。
作中で、ガイが体術を弱点とする鬼鮫とマダラに使用した際や、ダイが霧隠れの忍刀七人衆からガイたちを守った際には一定の成果を得られているが、仮に卑劣様のような相手の場合、はたしてまともに対峙してくれるかは疑問である。
ちなみに、マダラが八門遁甲の陣について知っている様子から、彼が現役の頃にはダイ以前の使用者がいたと考えられる。
八門遁甲を利用した技
蓮華(裏蓮華)
八門の内、一つだけはずすことで使用できる“表蓮華”に対し、三つ以上を解放(作中では始動前に更に四つ目を開いた)することで放たれる“蓮華”の真の姿。
視認不可能なほどの超高速で動き回りながら相手に連撃を叩きこみ、最後に第五の門を開き地面に向けて叩き落とし、直後左手の包帯で相手を拘束して引き寄せ、右手・右足の同時攻撃で相手を吹き飛ばす。
中忍試験でリーが我愛羅との対戦で、奥の手として発動させた。
この技で我愛羅をあと一歩まで追い詰めるも、我愛羅が守鶴の力を発動させたため、そこから逆転負けを喫してしまう。
ゲームオリジナルにおいて始動前に第六門まで開き、自身の動きが光跡にしか見えない程の速度で連続攻撃する「真・裏蓮華(ガイの場合は究極裏蓮華)」や、高速移動の衝撃波で敵を浮かせ、そのまま低空で敵に連撃を浴びせた後、分身しているようにすら見えるほどの速度で空中に飛び上がり直後に急降下して追撃を三連発する「蓮華・無限乱舞」も存在する。
あくまでゲームオリジナルのため六門特有の青い汗は描写されていない
朝孔雀
第六門『景門』まで解放することで発動する。
相手に猛打と、それによる摩擦熱で発生した炎を浴びせて焼き尽くす大技。
炎の飛び散る様が孔雀が尾羽を広げる姿に似ていることから命名された。
第二部での干柿鬼鮫戦にて初登場。
ガイの必殺体術の一つで、この技を解禁した戦いでは必ず勝ってきたという。
超高速舟漕ぎ
アニオリエピソードだが、「急いで舟を漕ぐ」ためだけに第六門まで開いて頑張った事がある。
もちろん目的地に到着した後はガイはダウンした。
昼虎
第七門『驚門』まで解放することで発動する。
両手で「獣の顔」を形作り、それを一直線に付きだすことで強烈な空気圧を撃ち放つ。
ガイ曰く「空圧正拳」、放たれた空気圧は一点に収束したのち、拡散して相手を吹き飛ばす。
三度目の鬼鮫戦にて初登場。
ガイの必殺体術の一つで、全力で潰しにかかってきた鬼鮫の「水遁・大鮫弾」に対抗して放たれた。
鬼鮫は昼虎を「チャクラの気弾」と勘違いしており、また元々有している一時縮小する性質のせいで「水遁・大鮫弾」のチャクラ吸収効果が効いていないことに炸裂直前まで気付けず、もろに食らってしまった。
本来、大鮫弾が正常に作用した場合、吸収したチャクラで大鮫弾自体も大きくなるが、昼虎だけが小さくなっている事に違和感を覚えた直後炸裂してしまった。
なお、ナルトはこの技の名を聞いて“昼ドラ”から命名したと勘違いしてしまったらしく、「爽やかで売ってるガイにしてはドロドロしてるネーミング」と漏らしていた。
夕象
『八門遁甲の陣』における第一手。
拳で空気の壁を叩くことで、強烈な空気弾を発射する。
しかも一発撃つごとに威力、及び速度も加速していき、初弾の壱足から最大伍足まで撃ち放たれる。
その空気弾は、象の足型にも見える。
この空気弾だけでも絶大な威力を発揮するが、その真骨頂は暴風で拘束された敵に対して放たれる直接の殴打、ただの風圧だけで十尾マダラを拘束できる程の威力である以上それを産み出す拳で直接殴られた場合のダメージは想像を絶する。
うちはマダラ戦にて初登場。
マダラを仕留めるべく、死を覚悟したガイが放った渾身の必殺技だったが、マダラを打ち崩すには至らなかった。
しかし夕象の段階ですら喰らったマダラが「柱間以来だぞ…このワクワクは!」と言わしめるほどの強さを誇る。
この技により、それまで四神が技名の元ネタではないのかというファンの推測が打ち破られることになった。
なお、リーはこの技の存在をマダラ戦以前から知っていた様子であり、この技のメカニズムを話していた。
夜ガイ
『八門遁甲の陣』における最終手。
全身のチャクラを『死門』に一点集中させた後、すべてのチャクラを圧縮・解放し沸点に持ち込む「積」、そこから攻撃に移行する「流」から成る「加捉」によって放つ飛び蹴り(ダイナミック・エントリー)。
「積」は恐らく「赤」に、「流」は「龍」と「夜」に掛けていると思われる。
マイト・ガイ最大最強の体術奥義。
その実態は「ただの跳び蹴り」であまりにシンプルだが、その速度とパワーは空間を歪めるほどであり、十尾の人柱力となったうちはマダラに、積の段階ですらそのチャクラだけで「体術において俺の闘った者の中でお前の右に出るものは一人としていない=柱間以上」というマダラにとって最大級の評価をさせ、直撃時にはその半身を消し飛ばし、「死ぬところだった」と言わしめた(マダラがちょっと前の不死身の穢土転生状態でなかったことが救い)。
あまりの破壊力にガイ自身の脚の骨さえ砕け、その身は消し炭の如く焼け焦げた。
この一発で周囲の岩場は焼け焦げ、大きく削り取られている。