概要
霧隠れの里に存在する特殊な能力を持った七本の忍刀を使いこなす忍者に贈られるような称号であり、その名は他国の忍達にも知れ渡り、恐れられていた。
だが、相次ぐ内乱等で次々と所有者が刀ごと離反していき、第四次忍界大戦直前時に霧隠れの忍として所属しているのは長十郎のみであり、事実上解体されたも同然だった。鬼灯水月は忍刀七人衆を復活させてそのリーダーになろうとしていた。
因みに、この称号は刀を受け継がれるたびに襲名されていき、第四次忍界大戦で穢土転生されたのは歴代の中でも特に扱いに優れていた選りすぐりの猛者たちである。それ故に名を連ねた者たちでもその強さにはムラやバラつきがあることや、本編未登場の七人衆在籍者もいくらか存在していることをうかがわせる。
忍刀を持つ事自体が霧隠れの忍にとっての一種のステータスであるようで、他里の忍に使われる事を露骨に嫌悪している。(水月は重吾を仲間にするなら必要かもと言っているが、対重吾戦での使用という事なのか、重吾の怪力であればこなせる為貸す事もあるという事なのか、その場の方便かは不明。重吾貸す意味だった場合は水月自身は他の人に使われることにあまり嫌悪していない事になる。)
原作では僅かな登場であったが、疾風伝では彼らにもスポットが当たり、どうして忍刀七人衆は解体したのか、どのような人物であったかが僅かながら窺い知れる。
また旧忍刀七人衆の前任者の殆どはマイト・ダイに倒され、生き残った者たちも西瓜山河豚鬼は里を裏切っていた事で上層部の命令を受けた部下だった鬼鮫に殺害される。抜け忍となり暁に所属した枇杷十蔵はうちはイタチを庇い戦死。
やはり抜け忍となったものの最後まで生き残っていた黒鋤雷牙もナルト達の攻撃に自ら死を選んだ為に旧忍刀七人衆は全滅、結果的に悲惨な末路を迎えている。
小説「シカマル秘伝」の登場人物で、元・霧隠れの抜け忍だった過去のあるゲンゴによれば、霧隠れの忍びは幼少のころから忍刀を使う訓練を受けており、それはやがて忍刀七人衆が扱う特異な忍刀を扱う為の下地とするためである。それは特殊能力を有した血継限界の血族を迫害した霧隠れにおいて、特殊能力を持たない、それに頼れない人間本人のたゆまぬ努力次第で強くなれるものとしての数少ない道筋の一つだったともいえる。
また、この忍刀七人衆が持つ特異な忍刀を扱うには特別な訓練が必要で、その際は前任者達や先任者達と師弟関係になるのだが、何れにおいてもあまり良い関係は築けなかった様である。
忍刀七人衆と顔見知りだった蘭丸が再不斬を知らなかった辺り、再不斬はまだ新参者であったと思われる。
長十郎曰く、前任者と先任者達の忍刀七人衆中で干柿鬼鮫は特に異質な存在だったらしく、誰もが彼は特別だと言われていたようだが、雷牙からは嫌われていた辺り、あまり良く思われていなかったようである。
ちなみに忍刀の使い手として以前にいずれも凄腕の忍であったことを付け加えておく。
『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』では、第四次忍界大戦後、里外に流出していた忍刀は全て霧隠れに返還されていたことが判明。
“血霧の里”からの脱却を目指す六代目水影・長十郎の政策に不満を抱く干柿屍澄真らが新・忍刀七人衆を結成し、クーデターを画策するも、鎮圧された。
ちなみに初期メンバーの共通点として、初出アニメオリジナルの黒鋤雷牙以外のそれぞれ名前の何処かに果実や魚の名が組み込まれているという命名法則がある。
後に『BORUTO』において登場した新・忍刀七人衆にもこの命名法則は受け継がれている。
各種忍刀と、主な所有者達
断刀・首斬り包丁
作中で最初に登場した忍刀で、全長が優に2mを超える巨大な忍刀。
一見するとただ巨大なだけの刀にしか見えないが、血液中の鉄分を吸収する事で刀身を修復する能力を隠し持っている。
その為、いくら刃こぼれしたり折られたりしても、敵を斬り続ける限り何度でも修復されていく。
また、意外にこの刀は何かと暁と縁があり、所有者である十蔵や水月も暁に加わっている。
・所有者
再不斬の死後、墓標代わりに使われていたこの刀を水月が「受け継ぐ」という名目で盗み、キラービーとの戦いで刀身に切れ込みを入れられ、そして五影会談襲撃時に四代目雷影に折られた。
その後は暫く行方不明になっていたが、第四次忍界大戦時に穢土転生された再不斬の手元に再び戻り、戦いの中で折れた部分が再生している。再不斬封印後ははたけカカシの手に渡り、アニメオリジナルストーリーにて再不斬から手に入れたこの刀で他の忍刀七人衆と渡り合っている。
なお、十蔵は穢土転生されなかったが、抜け忍である彼の遺体が霧隠れに渡った後、痕跡諸共消されてしまったために転生されなかったと言うところか。
大刀・鮫肌
作中で二番目に登場した忍刀。幾重の棘状の刃が重なった刀身を持ち、「斬る」事よりも「削る」事に重点が置かれた忍刀。
相手の肉体だけでなく、チャクラさえも削り取って吸収し、持ち主に還元して回復させる能力を持つ。
実はこの刀自体に意思があり、生き物のように自分の意思で動き回るだけでなく口も持っている。所有者と融合したり(『BORUTO』においては所有者に対し強制的に融合を行い、意思を乗っ取り暴走する危険性すらあることが明らかになった)、自らが認めたもの以外が掴むと柄からも鋭い棘を伸ばして拒絶したりする。……これ本当に刀?と突っ込んではいけない。
・所有者
前任者である河豚鬼を殺害して奪った後、長らく鬼鮫が所有していたが、後に鮫肌自体がキラービーの事を気に入り、彼の手に渡る(これ自体が潜入するための作戦の一つではあったが)。
第四次忍界大戦ではビーがそのまま所持していたため、穢土転生された河豚鬼は刀を持たない状態で戦わざるを得なかった。ちなみに鬼鮫は自分の体を鮫に喰わせて死体を欠片すら残さなかったため、カブトは鬼鮫のDNAを手に入れることはできなかったようである。
双刀・ヒラメカレイ
作中で霧隠れが唯一所有していた忍刀。「大双剣」とも呼ばれる。
魚を真上から見たような、意外と可愛らしいデザインをしており、刀身は一つだが柄が二つついている。
チャクラを貯め、それらを一気に開放する事で切れ味を増したり形状を変化させて剣たけでなくハンマーの様に打撃武器にしたり、刀身を柄毎に二分割し2本の刀に分離させる事などが出来る。
また、血霧刀法・骨抜きという技も持ち、チャクラの針を飛ばし、対象の経絡系にダメージを与えて死に至らせる。
・所有者
長十郎の先任者である名前が判明していない七人衆がマイト・ガイの回想に登場。彼もまたガイの父であるマイト・ダイとの交戦で戦死した可能性が高い。また、全ての七刀を使いこなせると評された鬼灯満月はこの刀を使いこなせると思われるが、七人衆としてこれを扱ったかは不明である。『BORUTO』ではかぐらに継承されるものの、それから数年後に起きた舟戸一族との抗争でかぐらが殉職し、再び長十郎の手に戻ることになった。
鈍刀・兜割
斧状の刃と、巨大なハンマーを持つ、変則的な鎖鎌のようなデザインの忍刀。そのまま二刀流のように扱う事もできるが、最大の特徴は鍔迫り合いに持ち込んだ時や硬いものを斬る時に、刀の峰をハンマーで叩き、二撃目を加える事でガード毎相手を切り伏せる事である。
・所有者
長刀・縫い針
刺繍針をそのまま巨大化させたような忍刀。突き刺した相手を縫い合わせるように拘束する他、刀に通した糸(ワイヤー)を周囲に張りめぐらせる事で相手の動きを封じる。
アニメではさながら必殺仕事人の様にワイヤーで相手の首を吊って絶命させていたりもした他、チャクラそのものを縫い留める効果がある為、鬼灯一族の「水化の術」のような特異体質を持つ相手も拘束できる効果が判明した。
それと同時にワイヤーの展開にはチャクラが消費され、規模に応じて消耗が激しくなる模様。
・所有者
爆刀・飛沫
斧に巻物を組み合わせた形状の忍刀。巻物に大量に張られた起爆札で相手を爆殺する事を目的とし、鍔迫り合いは勿論、たとえ軌道が逸れたとしても爆風に巻き込まれてしまう。トイレットペーパーの様に巻物を回す事で再び起爆札を補充することができる。
このシステムに、互乗起爆札の様に口寄せの術が応用されているのかは不明である。
・所有者
※マイト・ダイ交戦時の所有者は服装こそ似ていたものの甚八とは異なると見受けられる。
雷刀・牙
二刀一組の忍刀で、切っ先と鍔元に牙状の突起が付いている細身の刀身が特徴。刃に雷遁を帯びさせる事で、忍刀の中でも最高の切れ味を発揮する。このほかにも、避雷針の代わりにしたり、逆に周囲に放電したりすることも可能である。遠隔操作やチャクラの増幅なども可能。
(原理としてはうちはサスケ等が自分の刀に雷遁を纏わせたり、千鳥流しで周囲にダメージを与えるのとそれほど変わりは無い)
尚、この雷刀・牙は原作より先に第一部のアニメオリジナルのエピソードの中で登場した黒鋤雷牙(これまたオリジナルの元・忍刀七人衆)が所有していた忍刀であり、アニメから逆輸入された刀でもある。
後に原作でもマイト・ガイの過去回想にて登場した牙を所有する七人衆が雷牙によく似た人物となっているが、詳細は不明(アニメでは雷牙と同じ色使いで描かれている)。彼も穢土転生されなかったが、雷で身体を消し去り跡形も無くなってしまった為、転生されなかったと思われる。
・所有者
林檎雨由利→黒鋤雷牙(アニメオリジナルの時系列、設定的に)→オモイ→黒鋤文淡
アニメオリジナルの展開で、穢土転生された雨由利からオモイに戦利品として託さている。
その他の所有者
上記した者以外にも忍刀七人衆に名を連ねた者はいると思われるが、詳細は不明。うちはサスケの同志となった鬼灯水月の兄である鬼灯満月は、これらすべての忍刀を使いこなすことができ、正式に七人衆の一員となったかは不明ではあるが、穢土転生された中に満月の姿を見た霧隠れの忍びは「歴代の中でも選りすぐり」と評していた事から、歴代最強の忍刀七人衆の一人として名を連ねている。どの刀を主に使っていたかは不明。穢土転生された第四次忍界大戦では刀を持たずに水化の術で戦っていた。