枇杷十蔵
びわじゅうぞう
「俺の相棒は首斬り包丁(こいつ)だけだと思っていた...」
CV:後藤光祐
霧隠れの里の抜け忍。享年31。右頬に十字傷があり、口周りには特徴的な赤い格子状の刺青が施されている。霧の忍刀七人衆の一人で、筆頭格である『断刀』首斬り包丁の使い手(桃地再不斬の前任者)である。霧隠れ在籍時は、血霧の里を象徴するようなその残忍な性格と首斬り包丁を以てして、諸国から大いに恐れられた存在であった。
しかし、少年時代のマイト・ガイ、エビス、不知火ゲンマらの小隊を追い詰めた際、救援に駆けつけたガイの父、マイト・ダイと交戦するも、己の命と引き換えに禁術である八門遁甲の陣を使用したダイの前に七人衆の内、四人が死亡するという大損害を被ることとなった。
その後、移りゆく時代になかなかついていけない自里に嫌気が差し、里を抜け、暁の一員として行動する。暁では、うちはイタチの最初のツーマンセルの相手となり、共に任務を遂行していくが、故郷である霧隠れの里での任務から帰還する際、追手として現れた四代目水影やぐら率いる追い忍部隊と交戦状態となる。序盤はイタチとの息の合った連携で戦いを優勢に進めるが、尾獣化したやぐらの攻撃からイタチを庇い、致命傷を負ってしまう(この時初めてイタチが天照を使用する)。最期はイタチを相棒として認め、首斬り包丁を片手に故郷の地に果てた。その後、新しくイタチの相方となったのが干柿鬼鮫である。
血で染まった首斬り包丁が象徴するように、忍刀七人衆時代にはその残忍な性格で諸国に恐れられていたが、暁でのイタチとのツーマンセル時には、イタチに暁の説明や、また彼に対して「見た目で敵を測るな」等の忠告を行い、更には戦闘時にイタチを助けるなど、面倒見の良さが随所に見られる。
また、戦闘準備のためにイタチの術を把握し、フォーメーションを決めるなど、言動や武器に似合わず、用心さも持ち合わせている。(忠告や戦闘準備はダイ戦での反省であると思われる)
また、首斬り包丁の後任者である再不斬とはその生き様や雰囲気といい、何処となく被って見える節がある。忍の世が移りゆく中、十蔵もまた、忍としての己を悩み、必死に生きようとしたのかもしれない。
彼の死後、イタチが鬼鮫と組む事になった際、鬼鮫に対して「よく喋るな」「霧の中で迷ったゴロツキ」と鬼鮫の心境を突いた台詞が出ていたが、十蔵との出会いから連想させる台詞となっている。
また鬼鮫はお互いロクでもない人間だと卑下したが、「どんな奴でも、最後になってみるまでは、自分がどんな人間か?なんてものは分からないもんだ。」
「死に際になって、自分が何者だったか気付かされる......死とはそういうことだとは思わないか?」
等、十蔵の死に際を想起させるような台詞を鬼鮫に諭す場面があるなど、イタチにとって十蔵の死は自身の人間性に深く影響する出来事であったと思われる。
名前の由来は『枇杷』。