概要
映画の封切は昭和19年11月。製作は大映。
時節柄、元をかの国に喩えて最早神風にでも縋るしかない…という状況で国民の一致団結を促す戦意高揚映画の性格が強いが、戦前、戦中期の鎌倉時代を舞台にした考証等、映像資料としても価値が高い作品。
実際に映画の公開時にはフィリピンの戦いが始まってレイテ沖海戦が起き昭和の神風が吹いていたが、元寇の際とは異なり戦局が好転することはなかった。
映画
企画:情報局
後援:陸軍省、海軍省、軍事保護院
主題歌
映画公開の翌年、1945(昭和20)年1月にニッチクレコード(日本コロムビア)から発売された。
曲名は映画と同じ「かくて神風は吹く」
作詞:高橋掬太郎
作曲:竹岡信幸
歌唱:高倉敏、近江敏郎、日蓄男声合唱団
「…何の討ち死に 死んでも護れ…」といった歌詞や曲調から末期感が随所から漂う。
レコードを発売したニッチクは戦局の悪化から2ヶ月後の1945年3月には工場が軍需工場に指定され、生産活動の停止に追い込まれた。