人物像
中野で古本屋「京極堂」を営む男。
家業は「武蔵晴明神社」の宮司、副業は祈祷師の一種である「憑物落とし(つきものおとし)」の「拝み屋」。
店の屋号に因んで「京極堂」と呼ばれる。
「この世には不思議なことなど何もない」と言うのが口癖であり、座右の銘。
宗教、口碑伝承、民俗学、妖怪等に造詣が深く、知識と理を尊び、根拠のない事は語らない。
重度の書痴でもあり、家屋敷から店舗に至るまで本で溢れている。
その莫大な知識と徹底した論理的思考によって複雑怪奇に入り乱れた事件を整理し、
それに纏わる因果と妄執を解き明かす「憑物落とし」を行う。
常に和装で、始終不機嫌な仏頂面。
しかし付き合いの長い者には感情の変化がわかるらしい。
また、興味のある本が見つかったと聞くと、大層喜んで足を運ぶのだという。
憑物落としの際には黒の手甲、両胸に五芒星を染め抜いた黒の着流し、
黒の足袋に鼻緒だけが赤い黒の下駄と、黒ずくめの格好をする。
痩身だが甘いもの好きで、干菓子などを好んで食べている。
『塗仏の宴』での潤の発言から察するに、下戸である。
個性の強いキャラクターたちのまとめ役的存在であるが、彼本人も相当の変わり者である。
古書肆を開業する前は高校教師であった。「好きなだけ本が読める」という理由から、転職を決意。
事件解決に暗躍する役どころながら積極的に干渉する事を好まない。
本人曰く「十四の時に力仕事をしないと誓った」らしく、非力であるようだ。
下北半島出身。幼少時は恐山の祖父母の下で育った。
家族は、妻の千鶴子と、実妹の敦子。飼っている猫の名前は石榴。
両津勘吉と面識がある。