講談社から刊行されている京極夏彦の長編推理小説。
「百鬼夜行シリーズ」の第一作目。
また、同作者のデビュー作品でもある。
モチーフの妖怪は「姑獲鳥」(うぶめ)。
あらすじ
「この世には不思議なことなど何もないのだよ」
夏のある日、関口巽は最近耳にした、産科医院を営む久遠寺家にまつわる奇怪な噂について、京極堂こと、中禅寺秋彦ならば或いは真相を解き明かすことができるのではないかと考え、彼のもとを訪ねた。
そして関口は「二十箇月もの間子供を身籠っていることができると思うか」と切り出す。
久遠寺梗子の夫で関口らの知り合いである牧朗の失踪、久遠寺医院の元看護師の変死、連続して発生した嬰児死亡、代々伝わる「憑物筋の呪い」など、久遠寺家にまつわる数々の事件について、人の記憶を視ることができる探偵・榎木津礼二郎や京極堂の妹である記者・中禅寺敦子、刑事・木場修太郎らを巻き込みながら、事態は展開していく。さらにこの事件は、関口自身の過去とも深く関係していた。
関口に懇願された京極堂は久遠寺家に巣食う『姑獲鳥の呪い』を祓うべく、憑物落としに臨む。
主な登場人物
- 関口巽(役者:永瀬正敏・・・主人公にして語り部。小説家。
- 中禅寺秋彦(役者:堤真一)・・・古書店『京極堂』の主人。拝み屋。
- 榎木津礼二郎(役者:阿部寛)・・・探偵。この頃はまだ大人しめだった。
- 木場修太郎(役者:宮迫博之)・・・刑事。
- 中禅寺敦子(役者:田中麗奈)・・・雑誌記者。秋彦の妹。
- 久遠寺涼子(役者:原田知世)・・・久遠寺家の長女。関口は過去に彼女と会ったらしいが…
- 久遠寺梗子(役者:原田知世 ※二役)・・・久遠寺家の次女。20ヶ月もの間妊娠の状態にある。
- 久遠寺牧朗(役者:恵俊彰)・・・旧姓藤野。梗子の夫で関口の先輩。密室状態の部屋で失踪した。
- 内藤赳雄(役者:松尾スズキ)・・・久遠寺家に住み込みの医者。
- 久遠寺嘉親(役者:すまけい)・・・涼子、梗子の父親。「鉄鼠の檻」で再登場する。
- 久遠寺菊乃(役者:いしだあゆみ)・・・涼子、梗子の母親。
映画
2005年7月16日に公開。監督は実相寺昭雄。