講談社から刊行されている京極夏彦の長編推理小説。
「百鬼夜行シリーズ」の第二作目。
モチーフの妖怪は「魍魎」。第49回日本推理作家協会賞・長編部門受賞。
pixivにおいては、作品に直接関係したイラスト以外にも、強烈な印象を残した『匣の中の娘』を想起させるようなイラストに『ほう(ほぅ)』などと一緒に貼られていることもある。
ストーリー
--何だか酷く男が羨ましくなつてしまつた--
暗い性格で友達もいなかった楠本頼子は、クラス一の秀才で美少女の柚木加菜子に突然「私たちは互いが互いの生まれ変わりなんだ」と声をかけられる。不思議な事ばかり言い、難しい文芸雑誌を読む加菜子に戸惑う頼子だが、互いに孤独だった2人は親交を深め、2人で最終電車に乗って湖を見に行こうと約束するが、加菜子は中央線武蔵小金井駅のホームから何者かに突き落とされ、列車に轢かれてしまう。
たまたま列車に乗り合わせていた刑事・木場修太郎は頼子と共に加奈子が運ばれた病院へ向かうが、そこで加奈子の姉と名乗る柚木陽子と出会うことになる。陽子の意志で、加菜子は謎の研究所に運ばれ、集中治療を受ける。
関口巽は稀代の新人小説家・久保竣公と出会う。そして雑誌記者・鳥口守彦と稀譚社社員・中禅寺敦子と共に、武蔵野連続美少女バラバラ殺人事件の取材中に道に迷い、とある「匣」のような建物と遭遇する。その建物こそ、加菜子が収容された研究所・美馬坂近代醫學研究所だった。
陽子の下に脅迫状が届き、多数の警官の詰める厳戒態勢の中で謎の失踪を遂げる加菜子。同じ頃、鳥口は新興宗教「穢れ封じ御筥様」の調査を行っており、関口の紹介で拝み屋京極堂に相談を持ちかける。
バラバラ殺人、加菜子の誘拐、匣に取り憑かれた人々、事件の裏に渦巻く「魍魎」とは何なのか。
そして、京極堂の過去の秘密とは。
主な登場人物
関連イラスト
映画
2007年12月22日に公開。
監督は原田眞人。
主題歌
「金魚の箱」
TVアニメ
2008年10月7日から12月30日まで日本テレビ系にて放送された。
主題歌
- オープニングテーマ「Lost in Blue」(VAP)
作詞・作曲 - RUKA / 歌 - ナイトメア
- エンディングテーマ「NAKED LOVE」(VAP)
作詞 - YOMI / 作曲 - 咲人 / 歌 - ナイトメア
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1話 | 天人五衰の事 |
第2話 | 狸惑わしの事 |
第3話 | 羽化登仙の事 |
第4話 | 火車の事 |
第5話 | 千里眼の事 |
第6話 | 筥の事 |
第7話 | もうりょうの事 |
第8話 | 言霊の事 |
第9話 | 娘人形の事 |
第10話 | 鬼の事 |
第11話 | 魔窟の事 |
第12話 | 脳髄の事 |
第13話 | 魍魎の匣、あるいは人の事 |
余談
- OP作詞担当者がこの作品を読んで読めない漢字があったので、OPは『姑獲鳥の夏』をテーマにした曲になってしまったという逸話がある。
- アニメ制作スタッフはこの作品の後に青い文学の走れメロスを制作したので、同じBGMを使っていたり、日付の表記の仕方、背景画が近かったり、主人公の一人である戯曲家の男性が関口と同じ声優だったりして、なにかと当時は話題になった。
舞台化
期間・劇場
【東京】2019年6月21日(金)~6月30日(日)天王洲 銀河劇場
【神戸】2019年7月4日(木)~7月7日(日)AiiA 2.5 Theater Kobe
公式HP(下部に映像配信)
ネルケプランニング:【脚本】畑雅文【演出】松崎史也
ミュージカル化
【期間】2021年11月10日(水)〜15日(月)【劇場】オルタナティブシアター
【上演台本・作詞・演出】板垣恭一【作曲・音楽監督】小澤時史
登場人物が一部、性別が変更されているのが特徴。