概要
当時、第二次世界大戦末期に登場したStG44の影響でアサルトライフルの開発が進められた。
ソ連ではミハイル・カラシニコフが開発したAK47が配備されており、西側諸国はそれに対抗するために作られたのが、FNH社が開発したFALだった。
当初は、7.92mmクルツや.280等を採用した短小弾ライフルだったが、アメリカが7.62×51mm弾をNATO標準弾薬に要求したため、FALは口径の変更を余儀なくされた。
しかし、当時の世界情勢の背景に、東側のAK47の対抗馬としてFALは強く推され、西側諸国を始めとするおよそ70ヵ国で採用される。
イギリスでは、L85が正式採用されるまでセミオンリーのL1A1を、分隊支援火器仕様としてフルオートモデルをL2A1を使用し、英連邦諸国も追従して採用した。(イギリスはポンド法のため、インチ法で再設計された為、メートル法設計の本家FALとはパーツだけでなくマガジンの互換性すら無い。)
アルゼンチンもFM(アルゼンチンの国営造兵廠)が作ったFALを採用していたため、フォークランド紛争ではFM FAL対L1A1という状況にもなった。(英軍では弾薬不足から鹵獲品も多く使われたが、上記の通り互換性が無いため、鹵獲品と官給品の両方を持ち運ぶ兵士もいた)
カナダではC1として採用、L1A1同様にインチ法で再設計され、フルオート機能を除去している。また、ストックなどは樹脂製ではなく木製に変更している。フルオートモデルはC2A1。
60年代に入るとH&K G3が登場し一部シェアを持って行かれた。例:ドイツ、ポルトガル
その後、各国は小口径ライフルに次々と交代し、FALのシェアも失ってきたので後継種として、CAL、FNCが開発された。
なお、ブラジルのインベル社ではライセンス製造していたFALクローンであるM964をベースに小口径アサルトライフルの開発に着手、インベルMD2が開発された。
FNCのようにM16互換のSTANAGマガジンを使用するが、内部機構はFALと互換のある構造となっている。
性能
長所
堅牢な作りをしているため故障は少なかった。
セミオートの命中精度に至っては高く、マークスマンライフルにも使用される。
泥水に強く、ジャングルや湿地帯等には大いに活躍できる。
短所
フルオートには適さないNATO弾を使用しているので反動が強く、フルオートの命中精度は低かった。
泥水に強いが砂塵に弱く砂漠や荒野といった地域には適さなかった。
生産性も良くなく値段も少々高かった。
データ
全長 | 1143mm |
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銃身長 | 618mm |
重量 | 4500g |
口径 | 7.62mmNATO |
装弾数 | 20発 |
余談
ある凄腕の殺し屋がFALを狙撃目的で使用した場面があるが、FALの調達を頼んだ武器屋の店主の好奇心で不発弾を入れられてしまい、ゴルゴによる弾の選別も潜り抜けて狙撃を失敗するという非常に珍しい出来事が起こった。
当然、店主はその後消された。