プロフィール
※一部加筆あり
年齢 | 14歳前後 |
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身長 | 142cm |
体重 | 精神体のため無し |
性別 | 概念が存在しない |
出身 | 不明 |
趣味 | 不明 |
CV | 高山みなみ |
概要
『サクラ大戦3』の黒幕。ややクセの付いた亜麻色の髪、赤と水色が左右対称となった衣装、顔の左半分だけにメイクを施した、子供のような容貌をしたピエロ。名前の「サリュ(Salut)」は仏語で「救済」を意味する。
なお、サリュは作中に敵として登場した怪人たちとは異なり、プロフィール通り生物を超越した存在のために性別は不確定である。よって、ここでは便宣上「彼」の呼称を用いる。
人物像
幼さと底知れなさが混在した形容し難い不思議な性格の持ち主で、おどけた風貌からは禍々しさと同時に何処か物哀しさを漂わせている。終盤に至るまで彼の存在意義や行動理念は謎に包まれており、6人の怪人たちとは一線を画している。
外見とは裏腹に相当な妖力の持ち主であるが、能力自体は破壊といった直接的なものではなく、主に他者の心や意識に介入する。また、オープニングや大神隊長の見た夢の中のムービーでは、マリオネットの操り糸を振るうシーンがある。彼の能力の一環か道化師のイメージを意識したものと思われるが、後述の「パリシィ怪人」たちとサリュの関係を比喩表現したものとも捉えられる。
作中において
作中では早い時期から大神の悪夢として度々現れては、謎めいた言葉を残し彼の睡眠を妨害しry……得体の知れぬ不安を植え付けたり、副隊長に選ばれた隊員の意識を一時的に奪い、大神に警告めいた独白を投げ掛けている。
彼が現世に実体として現れたのは、謎の植物の根がパリ中に蔓延り、同時期に原因不明の復活を遂げたカルマール公爵が二度目の死を迎えた直後のノートルダム寺院。(その前の公爵との戦闘中、特定の条件下で実体化前のサリュが大神に語り掛けるイベントが発生する)
ここで彼は自身と怪人たちの素性、かつて滅ぼされた「パリシィ」と呼ばれる一族を語り(後述参照)、さらに大神を除く巴里華撃団のメンバーが「パリシィ」の末裔であるという衝撃の事実が明らかになる。
彼の目的は「パリシィ」が崇める神「オーク巨樹」を復活させ、滅ぼされた一族の無念を晴らす事。謎の植物の正体は「パリシィ」の怨念によって汚染されたこの「オーク巨樹」であり、6人の怪人たちの魂を取り込む事で急成長。瞬く間にパリを覆い尽くしてしまう。サリュは「オーク巨樹」内部に留まり、巴里華撃団を待ち構える事となる。
巴里華撃団が乗り込んできた後には、さらなる糧を(かて)を得るべく「オーク巨樹」の中心部にて、「蒸気獣オバド」を用いて副隊長不在の華撃団と交戦するも、撃破され目論みは阻止される。
ところが、「オーク巨樹」の糧はパリシィの末裔や怪人だけでなく、彼自身も例外ではなかった。オバドが破壊された後、彼は自らの魂を捧げる事で、「オーク巨樹」の中枢である「デルニエ」を覚醒させる。
「デルニエ」と融合した後も彼の存在は消える事無く、完全に自我を保っている。しかし、融合前に比べ威圧さが増し、口調が荒くなるなどの変化が生じている。
(「魂を捧げろ……」「罪深き者どもがぁっ!!」など)
「デルニエ」を破壊された後に、再びサリュとして実体化。自分とは相対存在と言える“都市の守護者”である大神に、“自然の守護者”たる自身が復讐のために守るべき自然を利用していたに過ぎない事を論される。さらに「パリシィ」の末裔たちである巴里華撃団メンバーの説得と祈りによって忘却していた愛と温もりを思い出し、「オーク巨樹」と共に浄化。永きに亘る呪縛から解放される事となった。
ちなみに、本編クリア後のおまけ要素である「カジノ対戦」では、ポーカーとブラックジャックにおけるディーラーの一人として登場。当然ながら最強クラスの難敵である。各ディーラーは対戦中も個性や状況に合わせた台詞(ボイス)があり、サリュの場合はあどけなさの残る子供のような口調と表情と思いきや、突如として鋭い目つきに変わり声色もやたら凄味のある低いものになるなどコロコロ変わる。その様子は本編以上に落差が激しく、慣れない内はカード捌きとは別の意味でかなり怖い。
戦闘時
彼との直接対決は、出現した「オーク巨樹」の中心部。遮蔽物が一切無い正統派のマップであり、「蒸気獣オバド」や「デルニエ」の攻撃性能、その特殊能力を存分に発揮してくる。
蒸気獣オバドの必殺攻撃、及び発動時の台詞
「パリシィの子供達よ……憎しみを称えよ!」
「Le roi des mouche(ル•ルワ•デ•ムーシュ)!!」
直訳すると「蝿の王」。背景に浮かぶ星座は「ハエ座」。
一時的に無数の小型オバドに分裂し、三体一組で多方向からそれぞれの光武F2に向けて念波のような攻撃を仕掛けていく。
ターゲット指定範囲は近距離だが、高威力かつ攻撃範囲はマップ全体に及ぶ、敵の必殺攻撃では屈指の性能。さらにオバドは一定の攻撃を受けると分裂し、指令塔である本体を破壊されると元の一体に戻ると同時に気力ゲージが満タンになる性質を持つため、広さの乏しいマップの環境も手伝い頻繁に発動してくる。
デルニエの必殺攻撃、及び発動時の台詞
「パリシィの子供達よ……死して我が糧(かて)となれ!」
「魂を我に……!!」
「Le cre´puscule des dieux(ル•クレピュスキュル•デ•ディウー)!!」
直訳すると「神々の黄昏」。
上昇しつつ果実状の頭部より取り出した「パリシィ怪人」たちの魂を一つのエネルギー球に凝縮し、人間の女性に似た身体の下半身の巨大な手で掴みながら急降下し対象を押し潰す。こちらも攻撃範囲は全体に及ぶ。
余談であるが、この技名の元ネタは恐らくリヒャルト・ワーグナーの楽劇である『ニーベルングの指環』の最終章、“神々の黄昏”と思われる。裏付けとしてフランスのパリオペラ座などにて、この『ニーベルングの指環』が公演される際、最終章の題名の仏語表記がズバリこれである。
サリュの正体とパリシィについて
作中でのキーワードの一つであり、彼が事ある毎に口にする「パリシィ」。
これは、紀元前三世紀からローマ時代の頃に実在したケルト系民族「パリシイ(Parisii)族」の事であり、地名のパリは先住民となったこの族名に肖ったものである。(以下、史実のものは「パリシイ族」、作中関連は「パリシィ」と表記)
作中でも僅かに示唆されているが、「パリシイ族」はパリがまだ「ルテティア(またはリュテティア)」と呼ばれていた当時に、セーヌ川を渡りシテ島へと辿り着いたとされている。史実ではその後もセーヌ川を交易として利用していた記録等が残されている他に、「パリシイ族」が鋳造した硬貨が発掘されるなどしている。
サリュによると自然と共に生きる「パリシィ」は、移住してから長い年月を経た後にローマ人により滅ぼされ(「パリシイ族」が関わった紀元前52年における『ガリア戦争』と思われる)、土地に染み付いた「パリシィ」の怨念を恐れた人々により封印される。
ところが、それから産業革命や蒸気機関などによる都市発展によりパリに施された封印は徐々に綻び、ついには溢れた怨念が具現化してしまう。それは大きく二つに分かれ、一つは「パリシィ」の無念を伝える存在。もう一つはそこからさらに生み出された、自然はおろか自ら封印を破壊した人間たちへ罰を与える「パリシィ怪人」であった。
つまり、前者に該当するサリュは自然の守護者にして「パリシィ」の代弁者でもあるのだが、事実上「パリシィ」の怨念そのものが自我と人のカタチを得た思念体のような存在である。
そして、後者に当たる6人の怪人たちは、「パリシィ」による粛清の代行者として、自分たちも気付かないまま「パリシィ」の意思に動かされているに過ぎない存在であった。
しかし、「パリシィ」の意思の化身であるサリュも自身もまた、結局は積年の怨念に縛られ衝き動かされていたも同然と言えるのは皮肉な話である。
余談
『サクラ大戦3』本編内で大神の夢に頻繁に現れる彼であるが、一度だけ悪夢から覚めた直後にマラカスを持って踊るドジっ娘シスターの出現により、不運にも大神隊長は頭の痛い寝起きと胃が痛くなる問題に見舞われる事になり、サリュは図らずも悲劇のお目覚めコンボに加わってしまう形となった。
本編以外のメディア出演では、パチスロにて他の怪人たちと共に出演している以外に、本編内で語られなかったエピソードを収録したOVA『エコール・ド・巴里』にも登場。巴里華撃団や他の人間と直接関わる事は無く、物語の要所々々に現れては独り言のように意味深な言葉を残している。
一方で彼を演じている高山女史の関係で、ユーザーからはバーローの通称で呼ばれる事が多々ある。とはいえ一部の喋り方がまんまな上に、拍車を掛けるように作中のサブキャラクターには、彼らと雰囲気が似た人物たちがいるため仕方が無いのであるが。当然ながら不快感を抱く方々もいるので、用いる際は計画的に。