「巴里の最強怪人とは、このシゾー様の事ピョン!」
プロフィール
概要
人物像
『サクラ大戦3』に敵役として登場したウサギの姿をした太り気味の小男で、本作の舞台である巴里に出現した最初の怪人。名前の「シゾー(Ciseaux)」は、フランス語で「鋏(ハサミ)」を意味する。設定資料集によると、初期設定案では「ウサギ・ザ・リッパー」の仮称が用いられていた。
シルクハットやアスコットタイで盛装し、赤いサングラスを身に着け、武器として巨大なハサミを携えている。オープニングムービーや設定資料集で確認できるサングラスの下の眼差しは、後述のコミカルさは微塵も無い凶悪な殺人鬼そのもの。パリで相次いだ切り裂き通り魔事件の犯人であり、結成して間も無い巴里華撃団の初陣の相手でもある。
ウサギの獣人から『不思議の国のアリス』を彷彿させるが、出身地や相手を切り刻む手法、初期設定時での仮称から『切り裂きジャック』こと「ジャック・ザ・リッパー」がモチーフのようである。
性格は強い者へ媚び、弱い者へは容赦の無いという、小物臭漂う典型的な悪党。自分の姿にコンプレックスを抱いており、ウサギ呼ばわりした者は誰であろうと巨大なハサミの餌食となる。「ウサギウサギ言うなピョン! シゾー様と呼べピョン!!」(第一話)
その一方で単純な誘導尋問に引っ掛かる間抜けさ、上記のように「~ピョン」と付く語尾やウサウサと怪しげで胡散臭い笑い方など滑稽な挙動が目立ち、コメディリリーフとシリアルキラーの二面性を持ち合わせている。
初見におけるインパクト、その秀逸なキャラクター性が多くのファンの心を掴み、怪人達の中ではマスコット的存在の人気者である。
作中での役どころ
作中では通り魔事件以外に、ウサギの大群を使役しライラック伯爵夫人ことグラン・マのパーティーに乱入し騒動を起こしている。襲撃後は尖兵である「蒸気獣ポーン」を引き連れ凱旋門へ向かい、駆け付けた警官隊を一蹴している。直後に当時はまだ隊長の大神と隊員の二人の計三名であった巴里華撃団を相手に「蒸気獣プレリュード」で応戦するも、返り討ちに遭い一度は死亡する。
怪人達の長であるカルマール公爵によって復活した後は、同僚のピトンと共にダンスコンテストの会場であるエッフェル塔を襲撃。どうも凶悪事件よりパーティー荒らしが目立つような……。そんなに恐怖与えたかったら端から逃げ惑う民衆から切り裂こうとしないのかねぇ?さらにエッフェル塔を陣取った際は、自慢のハサミで塔の切り倒しを試みているが・・・
切り倒すにしてもおめーのハサミ、小さ過ぎるぞ。
と突っ込みどころ満載。
戦闘時は選択次第で、同じ時期に渡欧していた帝国華撃団の三人組と一戦を交える事になり、約一名と思いっきり遊んで(遊ばれて)いる彼を見られる。
リベンジが叶わず再び死を迎えた後は、その魂はサリュの手を経て「オーク巨樹」復活のための贄にされ、最終的に中枢である「デルニエ」に収められたが……?
ちなみに、本編クリア後のおまけ要素である「カジノ対戦」では、ポーカーとブラックジャックにおけるディーラーの一人として登場。ポーカーでは役の成否を問わずとにかく勝負に出る、ブラックジャックでも自滅が多いと不安定なプレイで、エリカに似た性質を持つ弱キャラ。当時の攻略本等でもチップ稼ぎのカモとして紹介されていた。
蒸気獣プレリュードの必殺攻撃、及び発動時の台詞
「堪忍袋の緒が切れたピョン! まっぷたつピョン!!」
「Ggantesque Cseau(ジガンテスク・シゾー)!!」
彼の名前とスペルが異なるが、技名は直訳するとズバリ見た目そのままで「巨大なハサミ」。
演出中に背景に浮かぶ星座は、ウサギの怪人である彼に肖った「うさぎ座」である。
彼の操るウサギを象った「蒸気獣プレリュード」の耳に当たる刃を大鋏に変形させ、前方の対象を切り刻む。攻撃力は低いものの攻撃範囲は通常攻撃より横の判定が強く、隊列によっては思わぬダメージを貰う事も。どうせなら食らえば数分の一の確率で即死攻撃搭載した方がまだ恐怖感あったのに。
後述の『プロジェクトクロスゾーン』に登場した際にも使用しており、大鋏だけでなく『サクラ大戦3』本編での通常攻撃である機銃と打撃武器を交えている。また、こちらでは掛け声のみで上述の台詞は用いていない。
その後の彼の活躍
本編にて「オーク巨樹」に魂を取り込まれた怪人の中では唯一復活を遂げており、本作の後日談である『ミステリアス巴里』を皮切りに、ドラマCDや舞台にも登場。しかも、彼を演じる高木氏ご本人が歌うなんとも愉快で素敵なテーマソングまで作られた。
さらに近年では、パチスロやクロスオーバーゲーム作品『プロジェクトクロスゾーン』にてサクラ大戦シリーズの敵キャラとして降魔殺女と出演を果たす。殺女や他のキャラクターとは違い、彼だけは愛機である「蒸気獣プレリュード」に搭乗して戦闘を行う。なお本項冒頭に記した台詞は、『プロジェクトクロスゾーン』の作中以外に公式サイトの紹介ページで実際に喋っているもの。
このようにシリーズ全般の敵キャラクター中では破格の待遇を受けており、人気者の名に恥じずメディアへの出張が多い。