「やだよォ…葉っぱが美味いなんかやだよォォォ…!!」
「許シテクレヨォォ…!牛ニシナイデクレェ…!オ願イダヨォォォ…頼ムヨォ、牛ニシナイデクレヨォォォ…!!」
データ
別名 | 牛神超獣 |
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身長 | 61m(尻尾は15m) |
体重 | 7万7千t |
出身地 | 岡山県 |
概要
第16話「怪談・牛神男」に登場。
食肉牛600万頭の怨念と宇宙怪獣を合成した超獣。人間を依代にして、牛の怨念を超獣化させたものであり、どちらかと言えば妖怪のような気もするが。
それまでは超獣製造機などを利用した地球上の生命体と宇宙怪獣との合成生物が主流で、どちらかというと科学的な産物の超獣が、カウラ以降なんでもありになってしまっている。
「ウルトラ怪獣大百科」ではコオクスやブロッケン同様に超獣人間の一例とされている。
人間に食べられた恨みを晴らすためか、人間を好物としている(…といっても劇中ではビフテキを食べていた人間しか食べていないが)。また、オリーブの木も好物のようで、作中では牛窓オリーブ園でむしゃむしゃと食べていた。
また元が怨念なので、麻酔弾の効きはイマイチでも護摩行で沈静化できたりする。
頭部の角はそれ自体が武器になるほか、破壊光線「パープル光線」を放つ事が可能。また唾液で何でも溶かしてしまう。幻惑攻撃を行う能力も持つ。尻尾には鋭いトゲが複数生えており、腰蓑は牛の尻尾が変化したものという説がある。
右腕にはめた鼻ぐり(鼻輪)に呪いが集中している為、ある意味ではここが弱点。
牛神男
身長 | 1.7m |
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体重 | 65kg |
演 | 蟹江敬三 |
鼻ぐり塚で盗んだ鼻ぐりを、面白半分で腕輪にしたヒッピー青年・高井が、ヤプールが化けた僧侶によって呪いをかけられ変化させられた姿。
初めのうちは腕に毛が生えていき、頭に牛の角が生え、頭部が牛の頭に変化し、次第に牛になり最終的にカウラへ変貌する。
本物の牛同様に草を食べ、牛と会話が可能。
なお、味覚も牛と同じになってしまい、吉村隊員の母親が作った朝ごはんを「イヤな匂いだ」と称して粗末にしてしまった。その後、庭に生えている木の葉っぱを「美味い」と言いながら食べるも、前述の台詞を言いながら吐き出している。
出自及び活躍
食用肉のため屠殺された牛たちを供養する鼻ぐり塚。悪い意味での現代人の典型のようなヒッピー青年の高井(信仰を迷信と切り捨て軽視することが現代的だと勘違いしている奴はこの時期普通にいた)は、放浪旅行中にたまたま立ち寄った其処から鼻ぐりを盗みだし、面白半分で腕輪にする。
だが、不気味な僧侶(ヤプールが化けた姿)に呪いをかけられ鼻ぐりが取れなくなってしまう。
その日の夜、高井は牛の呪い(実際には怨念を利用したヤプールの仕業)を受け、次第に姿が変わって牛神男に変貌してしまい、最終的に超獣カウラとなってしまう。
街の人々を襲撃し、高井の姿だった時に出会っていたTACの吉村隊員の姿を見つけると、助けを求めてなのか彼を追い回す。吉村隊員が古墳の中に逃げ込むとその前に居座って動かなくなってしまった。
一夜明けてTACが攻撃を開始。その後エースと交戦する。最初は圧倒されていたが、よく分からない幻惑攻撃でエースを混乱させ、光線や突進攻撃で苦しめる。
しかし古墳から脱出してきた吉村隊員の助言を受けたエースによって右腕の鼻ぐりを蹴り上げられ、取り外されてしまう。
光線で鼻ぐりを鼻に取り付けられると大人しくなり、地面に叩きつけられて倒された。
牛の怨念が取り除かれたことにより、元の姿に戻った高井は、改心して農場で真面目に働くのだった。
後にその魂は最強超獣ジャンボキングの上半身になる。
なお「夏の怪奇シリーズ」でもある第15話・16話は岡山県のローカルテレビ局の開局記念キャンペーンの一環を兼ねたイベント編である。鼻ぐり塚は、岡山県牛窓町(現在は邑久町、長船町との合併に伴い瀬戸内市となっている)に実在する供養塔であり、この他にも牛窓オリーブ園が劇中で登場している。
ウルトラ忍法帖
朧党の忍獣として登場したが、技は蹄パンチと角アタック、口から吐く火炎くらいで忍法は使用していない。(マンに押し付けられて)越中国に居る将軍の所へお使いに行くティガの前に立ち塞がり、ゾフィーの命令でティガを追ってきたマンも一蹴して荷物を奪いめひらすに渡すが、中身が百年物の納豆だったため臭いでめひらすは気絶してしまう。最期はティガマジックで召喚した巨大バトにつつかれてボロボロになった所をゼペリオン光線で倒された。これでティガは正式なウル忍に昇格したが、逆にマンはゾフィーに免許を半分切り取られて見習いに降格となり、百年物の納豆も「臭いから要らないぞよ、何だこんな物」と将軍に捨てられてしまった。
余談
登場する第16話は脚本を石堂淑朗、監督を山際永三、特技監督を田淵吉男が担当した。また、カウラのスーツアクターは図師勲が担当した。
高井青年を演じた蟹江敬三は2年8ヶ月後、『ウルトラマンレオ』の円盤生物ブニョの人間体を演じており、こちらは完全な悪役である。
デザイン画では、肩の突起が3本ずつあり、右手には2本の刃がついていた。
予告ではエースのカラータイマーが点滅していたが、実際には点滅していない。
どちらも牛をモチーフにしているのでらしいといえばらしいかもしれない。
名前にもなっている「COW(カウ)」というのは英語で雌牛を意味する英単語であるが、前述の通り高井は男である。
話の後半で吉村隊員がTACの仲間達にこのカウラを「人間が超獣になってしまったんです」と説明しているシーンにて、それを聞いた北斗や竜隊長を含めて皆一様に驚いており、しかもあのいつも突発的な怪現象が起こって報告する度に「そんなバカな事があるかっ!」と突っぱねてばかりの山中隊員も含めて、全員すんなり受け入れている。それも何ら疑いもせずに(まあ北斗や南はいつも遭遇しているからまだしもだが)。
いつもなら北斗(或いは南)がそのような事態に遭遇して報告しても、真っ先に山中が先のように真っ向から否定し、他の隊員らも賛同して否定しだすのがいつものパターンであるというのに、この対応の違いは一体何なのだろうか。
もしかしたら、これまでにも(過去の幾つものシリーズを含めて)『人間が怪獣や超獣になってしまう、または憑依されてしまう』という事態が何度も起こっており、それを第12話で北斗が言及していたように、過去の防衛チームらのも含めたデータアーカイブスを閲覧するなりして理解・学習していた可能性がある。
尤も、そうなると何度もヤプールや超獣絡みの怪現象や事件が起こる度に、(その世界の警察も含めて)ろくに取り合わなかったり徹底的な調査もせずに否定したりなど、そういった負の面が何十回も描写される事に関して「お前ら学習能力あるのか?」と視聴者からすれば思わざるを得なくもなるが。
吉村の母親を演じた磯村千花子は、次回作『ウルトラマンタロウ』のZATの南原隊員の母親役を演じている。
関連イラスト
関連タグ
シシゴラン:同じく人間が変身した超獣。