タレントとしての知名度は日本トップクラスなのに、歌手としての知名度はインディーズ並という、知る人ぞ知るすんごいシンガーソングライター。今でこそ好きなタレント上位だが、1980年代は、当時のキャラクターから、嫌いなタレント上位だったという変わった経歴も持つ。
だが、「マジカル頭脳パワー!!」において頭脳指数1000点取る頭で作詞作曲をすると、他に比類無き「所ソング」が出来上がる。1977年『ギャンブル狂想曲』による歌手デビュー以来、20枚近くのオリジナルアルバムをはじめとして、現在でもコンスタントに、忘れた頃に新作CDをリリース。近年は楽曲提供も盛ん。デビュー時からの音楽仲間は、アルフィーの坂崎幸之助。「全日本 商売で歌をつくってんだからこの次のCDはどうすんの会」会長。
所の歌は、既存の歌のパロディで笑いをとる方面(『西武園恋歌』『勝手に千葉でシンドバット』『泳げたいやき屋のおじさん』など)、とにかくダジャレや語呂合わせ、メロディーの面白さにこだわった方面(『寿司屋』『スブタ』『組曲・冬の情景』など)、世相批判(『駅前のワシントン条約』『兄弟農地』など)、流行に踊らされる人間をからかう方面(『銀座アンノン娘』『アピール』など)、素直に家族や友人への感謝を歌い上げた方面(『女房にします」』『騒いでいようぜ』『ご自由にどうぞ』など)など、多様な方面に分かれている。真面目に聞いてみると、思わず泣けてきたりする歌も多いのである。しかし、放送禁止や発売自粛になった歌もある。
趣味人であり「世田谷ベース」という事務所を兼ねた趣味の宝庫を持っている。世代的なものなのか、アメリカ文化に対する思い入れが強く、特にアメ車に関して並々ならぬこだわりを持つ。2009年から友人のビートたけしと共に、フィクションスクープマガジン『FAMOSO』を出版している。また、赤塚不二夫、タモリ、明石家さんまなどとも浅からぬ縁を持つ。
何かの番組でたけし(所はたけしを「おじさん」と呼ぶ)と共演すると、双方往年の名作をやってくれることも多い。
桑田佳祐も、著書『素敵な夢を叶えましょう』で「一人の人間としてリスペクトしている」
と絶賛している(所曰く、だったらギターの1本でもくれ)。
声優業もこなす。アルフやディズニー映画トイストーリーのバズ、崖の上のポニョのフジモトとしても有名。Pixivにはこれらのイラストに「所ジョージ」タグがつけられる傾向。「デジタル所さん」という、本人出演のアニメも放送されていた。俳優業も数多くこなしていた時期もあり、特に黒澤明監督作品『まあだだよ』においては日本アカデミー賞・助演男優賞受賞。すなわち、黒澤監督作品、宮崎駿監督作品、ディズニー作品の3本に出演経験があるという希有な人物。
こうやって記事書いていて思うのは、正体のつかみきれない、日本屈指のマルチタレントだと、つくづく、つくづく。すんごいですねッ!!