もしかして
概要
この言葉はラテン語の propagare( 繁殖させる )に由来し言葉自体は17世紀に生まれたがそれ以前にもこの手法は用いらていていた、日本語では情報戦や心理戦と呼ばれることがある。
内容
ざっくばらんに言えば政治的・思想的な宣伝行為であり、情報の発信元がはっきりしているホワイトプロパガンダと情報の発信者を偽ったまたは隠蔽したブラックプロパガンダ、そのほかにグレープロパガンダに分類され、形式では企業が流すコーポレートプロパガンダやプロパガンダに対抗するカウンタープロパガンダが存在する。
歴史
わかっている範囲では西欧では古くから政治利用されてきた方法であるとされ、古代ギリシャでは「敵を貶め、自らをよく見せる」技術は直接民主制のシステムと相まって発展したとされる。また中世ヨーロッパにおいて『ローランの歌』や『アーサー王伝説』などの叙事詩や伝承をキリスト教的な観念に絡めて改編し、「創造主と王に仕えることこそ騎士の本懐」という封建的騎士道精神の構築に利用されていたとされている。
手段
この広告が行われる手法は歴史とともに変わってきている。過去においては絵画や建物が利用されたり、ポスターやパンフレット、書籍などが用いられたり、楽曲等も活用されたり近代ではラジオやテレビといった放送が用いられており、近年においてはインターネット、電子掲示板やSNSなども用いられている。
現代における状況
近代国家においても指導者は大衆の支持を得る必要があるため、あらゆる国や社会においてこの種宣伝が行われており、現在においても、宣伝は政党や政治家の政策・人格を表すのに欠かせない。
プロパガンダの発信者
なお、プロパガンダは個人ではなく利益追求者( 政治家・思想家・企業人など )や集団( 国家・政党・企業・報道・その他団体など )の意図によって行われるものであったが、近年のインターネットの普及など新たなメディアの発展により個人であってもこれが可能となっていると思われ、この行為を行っているものがレッテルとして用いる場合がある。
プロパガンダの問題点
怪文書に等しいブラックプロパガンダはともかくとして、情報の発信元が正しいからと言ってこれらの情報が市民にとって有益なものとは限らず、情報元が正しくてもソースロンダリングされたものであったり虚偽や歪曲が混入していたり、本来発信すべきデメリットを隠蔽するケースがあるからである。また、これらは特定の事象や個人、集団等に対する印象操作として用いられることがある。
各国の事例
これらの宣伝を国家規模で行った事例はいくつも存在し、最初に行ったのはアメリカ合衆国が第一次世界大戦時代に行ったものや、ロシア革命時のソ連などの事例が有名である。その後戦争などの「国家に問題がある状況」になると熱心に行われる傾向がみられる。
大日本帝国
太平洋戦争において旧大日本帝国は敗戦続きの戦果を「大本営発表」と称して「わが軍は敵・米英艦隊に多大な損害を与えたり」と虚偽を発表するとともに、物量に劣る自国の現状を誤魔化すために「欲しがりません、勝つまでは」などと宣伝して国威を発揚し、結果として東(南)アジア諸国に多大な犠牲を強いる結果となった。
ナチスドイツ
ナチス・ドイツにおいてもヨーゼフ・ゲッベルスが、民衆にナチスの功績を宣伝する「宣伝相」という役職についており、そのために芸術性を持ったプロパガンダ作品も数多く作成、ナチスの主導によって作られた「オリンピア」( レニ・リーフェンシュタール監督のベルリンオリンピック記録映画 )は皮肉にも芸術的に評価が高く、後世に数多く作られることとなったオリンピック記念映画の手本となっている。一方ゴッホやマティスなどの作品には「退廃芸術」の烙印を押して迫害、見せしめのための博覧会も開かれている。
戦時中のアメリカ合衆国
第二次世界大戦当時アメリカでは、ドナルドダックやポパイなどのアニメキャラクターが敵対国を非難する短編映画が多数制作された。敢えて身も蓋もない言い方をすればキャラの剣。
「総統の顔」のように作品そのものがキャラの剣の場合もあれば、「グーフィーの船乗り教室」の様に小ネタ程度のキャラの剣など、プロパガンダの尺は様々。
近年のアメリカ合衆国
アメリカ大統領選挙の際には政党や政治団体は候補者の告知CMや広告を流す一方、対立候補を擁する政党や政治団体もマスコミやインターネットを通じて相手候補の人格や過去の言動、資金集めを攻撃するなどネガティブキャンペーンをくり広げている。
企業広告
企業が行う広告もコーポレートプロパガンダと呼ばれることがある。例えば口コミを意図的に作り出す、ステマなどがそれである。
関連タグ
ブラックプロパガンダ ホワイトプロパガンダ プロパガンダ戦争