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地下鉄の編集履歴

2020-05-04 10:09:08 バージョン

地下鉄

ちかてつ

主に地下を走る鉄道。

概要

地下を主として走る鉄道の一形態。莫大な建設費がかかるかわりに輸送力が非常に大きく、都市部における交通アクセスに絶大な効果がある。さらに日本やフランスの一部の地下鉄のように普通鉄道と規格を揃えたものは、郊外路線と接続することで、多くの通勤列車を郊外から都心へ直通運転させることも可能。建設が済んでしまえば地上を占有せず、陸上交通に影響はなく、騒音や美観を損ねることもない。


大都市圏において、利用者の増加と自動車の通行量の増加により、路面電車から地下鉄に転換されたケースが多い。建設に莫大な費用がかかるためほぼ全てが国または地方自治体が運営する公営企業である。ただし日本では東京都大阪市の政策により「民営化」された東京メトロOsakaMetroが民営企業(私鉄)として扱われている(いずれも行政が出資しているが)。黎明期の東京の地下鉄(現在の銀座線)は純民間資本(東京地下鉄道と東京高速鉄道)によって建設されたのが世界的にみても特異であり、これを引き継いだ帝都高速度交通営団(東京メトロの前身)も公法人でありながら「私鉄」として扱われていた。


JR私鉄においても、部分的に地下を走る路線は存在するが、通常は地下鉄として扱われない(りんかい線総武快速線が該当する)。逆に、東京メトロ東西線名古屋市営地下鉄東山線のように割と長い区間地上を走る「地下鉄」もある。既存の郊外鉄道がなかった区間(東西線や東山線もこの部類に入る)では、郊外鉄道を地下鉄の延伸部分が兼ねている例も多い。もちろん『地下鉄が地上を走ってはならない』という法律は、どこの地域にも存在しない。


市街地では、地上に路線を通す土地がないために地下鉄が必要とされたのであり、逆に言えば地価が高くない(しかも平坦な)地区で地下区間を通すのは莫大な建設費用がかかるためにかえって不経済だからである。逆に、主に1970年代以降、首都圏や関西圏などの大都市圏で新規で建設された地下鉄以外の普通鉄道線も地下を通ることが多くなったのは、地価が極めて高いためである。また地下鉄も多くは道路など公有地の地下を走行することが多い。大阪の地下鉄の事業免許の多くが軌道法なのは、路面電車の代替という解釈による。


都心の地下を通る普通鉄道線は、地上線仕様の車両が乗り入れることになるため、地下鉄よりトンネルの幅が大きいなどの違いがある(地下鉄用であれば建築限界は車両限界+左右150mm以上で足りるが、普通鉄道では車両限界+左右400mm以上が要求される。その代り先頭車の貫通路は必ずしもなくともよいが、それ以外の不燃・難燃基準は現在では概ね地下鉄並に引き上げられているので車両費は大差ない)。このため、一般に地下鉄よりも普通鉄道の地下線の方が建設コストは高くなる。郊外路線に乗り入れをしない地下鉄の場合、断面を小さくしてトンネル掘削費を抑制することができるが、銀座線や東山線のように後に輸送力不足に悩まされる恐れもある。


電化方式について、比較的古い路線が第三軌条方式、新規路線は架空電車線方式(大多数が剛体架線方式)であるが、「地下鉄」扱いの線は日本国内にある全てが直流電化である。

海外に目を転ずればインドのデリーメトロのように交流25kV電化の線もあるが、当然ながら絶縁離隔の分だけトンネル断面が大きくなり工費もかさむ。

日本の技術供与を受けたソウルの地下鉄電車の大多数は交直流電車であるものの、これは地上の国鉄線区間が交流電化であるだけで、地下区間は基本的に直流電化である。


市街地に鉄道を建設する場合、モノレール路面電車として路上を通す方法もあるが、地下鉄や普通鉄道より低速(地下鉄が「高速鉄道」と呼ばれることがあるのはこのため)で、郊外の鉄道路線との相互乗り入れも不可能、連結できる車両も少ないので輸送力も大幅に落ちるというデメリットがある。


車両は、地下区間を走る基準に合わせた仕様となっており(耐燃性の強化・正面に非常用扉の設置)、地下鉄に乗り入れるJRや私鉄の車両もこの基準に合わせている。今のような不燃性基準は戦後になってから法制化されたが、それ以前に開業した東京・大阪の地下鉄についても当初よりこれを満たしていた。近年は地上線区間の不燃・難燃基準が地下鉄に近いレベルまで引き上げられたこともあり、目立った差異は正面の非常扉程度である。何度か列車火災事故が起きた日本では、国の内外を問わず地下鉄などで大規模火災が生じた場合、直ちにフィードバックされる。近年では韓国・大邱市の地下鉄火災ののち駅構造(排煙・脱出口)・地上線を含めた車両の部材溶融滴下防止などの基準が厳しくなった。


地下鉄の車両はどこから入るのか

という漫才のネタはあったが、前述した事とも関係するが、大都市では車庫を地上に作るスペースも無い為、都心の地下に車庫を設けるか、郊外で地上車庫を設けるかのどちらかになる。それでも車庫を作る場所が無い場合は、相互乗り入れしている私鉄の沿線に地下鉄用の車庫を設けるところも存在し、首都圏では日比谷線半蔵門線、関西では堺筋線などが挙げられる。また千代田線などはメーカーからの甲種輸送で新車を入れる際は、相互乗り入れしているJR綾瀬駅を通じて車両を入れている。ちなみに、京成電鉄とグループの北総鉄道の場合は都営浅草線に直通できない形式を除いて京急線沿線にある総合車両製作所から都営浅草線を通じて車両を搬入している。


なお、前述の漫才ネタ(車両を吊って穴から下ろす)だが、御堂筋線大阪市営地下鉄の路線として開業したときなど、マジでこの方法で車両を搬入することは珍しくない(むしろ、郊外路線と物理的に接続している日本の事情のほうが世界的には特殊である)。

ただし、「車庫だけ地上にある」という例はあり、東京地下鉄道(現在の東京メトロ銀座線浅草~新橋間)は上野駅附近の地上に、東京高速鉄道(同じく新橋~渋谷間)では渋谷駅(高架上にある)に隣接する場所に車庫を設けた。

OsakaMetro中央線(当時は大阪市営地下鉄の路線として営業)では、最初に開通したのが高架部分だけで、車両はクレーンで吊って搬入した。

また現在は他社線と線路が繋がっている東京メトロ東西線(当時は営団地下鉄)も、最初に開業した区間は地下のみで完全に孤立していたため、電車は御堂筋線同様の搬入であり、また孤立が解消されるまで地下に仮の検車庫を設けたが車輪の踏面の修正ができないため車輪がすり減らないよう低速走行した。


創作において

在来線とのデザインの差別化がし辛い傾向にあるため、映像作品に登場することは少ない。

例として、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』に登場するオトモ忍(巨大メカ)、ビュンマルのモチーフにリニアモーターカーが選ばれているように、単にパンタグラフの無い軌道車両というだけであればわざわざ地下鉄を選ぶ必要が無い


日本の地下鉄

地下鉄の定義は国土交通省と業界団体である日本地下鉄協会では違うので注意が必要、ここでは日本地下鉄協会がホームページで「地下鉄」として紹介しているものを列記する。

▲は国土交通省の定義では地下鉄とされていないもの。

北海道

東北

仙台市地下鉄東西線の西の始発駅、八木山動物公園駅は標高136.4mと、国内の地下鉄駅で最も高い。

関東

都営地下鉄大江戸線の六本木駅、1番ホームは地下42mのところにあり、国内の地下鉄駅で一番深い。

中部

関西

中国

九州

海外

アジア

イラン

中国

その他アジア


欧州

ロシア

その他欧州

南北アメリカ


関連イラスト

まだやめない大阪市電気局100形電車幻想郷への電車


関連タグ

第3軌条 トンネル 地下

電車 鉄道

メトロ…「首都鉄道」的な意味の名称。パリ地下鉄で使われたため、地下鉄的な都市鉄道でよく使われる。

サブウェイ…アメリカ合衆国での名称。イギリスでは「地下道」。

アンダーグラウンド…イギリスでの名称。アルゼンチンでも直訳で「スブテ」と呼ぶ。

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