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スチームパンクの編集履歴

2023-07-08 21:28:39 バージョン

スチームパンク

すちーむぱんく

スチームパンク(Steampunk)とはSFのジャンルのひとつ。レトロフューチャーのサブジャンルとして捉えることもできる。

スチームパンク(Steampunk)とはSFのジャンルのひとつ。レトロフューチャーのサブジャンルという側面もある。


意味合いとしては「産業革命の原動力となった蒸気機関が、現実の歴史における絶頂期のありようを超越して発展した技術体系や社会を前提としたSF作品」などと形容することができる。


スチームパンクの特徴

蒸気機関が主要な動力源として普及している世界観を描く。よりコンパクトな内燃機関や大出力の電動機などが発展・普及した現実の技術史を参考にしながらも、制約の大きな動力である蒸気機関をどのように発展させ、またそれらによって成立する社会をどう描いていくのかがスチームパンク作品の面白さの一つと言える。


電気を動力とする機械は、一般家庭にもあるものでは電話やラジオ、軍隊の施設や科学研究所などにしか無いものではコンピューターが関の山か。


蒸気機関が身近だった時代は、石炭に起因する煤煙による大気汚染が深刻な問題(注)となっていた事から、発展を追い求めるほどに世界は暮らしにくい場所になっていくという、大きな矛盾を内包しながらも形作られる歪な理想郷の姿を描く側面も持つ。

  • 注…「霧のロンドン」は元々大気汚染を揶揄した言葉。

時代背景はおおむね19世紀から20世紀初頭(1914年以前)にかけて、産業革命から世界大戦頃までの社会、またはその頃の時代をモチーフにした世界を舞台にする作品が多い。


モチーフとしては

などが登場する。


なお、「スチームパンク」という名称は、1980年代後半にサイバーパンクをもじって作られた派生語であるが、それ以前にもスチームパンクに相当する作品は世に出ている(その頃のジャンルを説明する際「ラピュタとか犬のホームズみたいな」ということが多いが、それらはプレスチームパンクに属する)。

また、19世紀から20世紀初頭にかけてのSF作品に見られるような、「当時の未来予想」に基づく、今日から見れば時代錯誤的な未来像(レトロフューチャーを表現した作品も、スチームパンクと見なされる場合がある。


英国ヴィクトリア朝時代の古典的な服飾に、多くは真鍮製の各種ガジェットを組み合わせたスチームパンク的ファッションスタイルは、ネオヴィクトリアン(Neo-Victorian)と称され、海外のイベントではコスプレの定番モチーフとなっている。もちろん絵の題材としてもたいへん魅力的で、pixivにおいてもそういったイラストにつけられるタグとして定着している。

「亜種」もいろいろ

SFの浸透と拡散に伴い、「まずガンダムはSFじゃねえし」などの偏狭な原理化-先鋭化-細分化が暴走する中で誕生したこのジャンルは、皮肉なことに「単にそのスタイルのみを模倣しただけの作品」が名乗ることもあり、現在ではスチームパンクを標榜していながら作中に内燃機関や電力が登場するなど、単にレトロ風の技術やスタイル・デザインを表す記号として用いられる例も少なくない。そこに「スチーム」が一切登場しなくてもである。

大雑把に纏めてしまうならば、産業革命期からヴィクトリア朝をモチーフにした技術社会を描いた作品群を指し、さらに言えば、単に19世紀の西欧風の雰囲気を漂わせる世界観を描いたものも含まれ得る。

非常に広汎な題材を扱うSFの一ジャンルであるため、定義の厳密化も一筋縄ではいかないというのが実際のところだろう(例えば、ウィキペディアの「スチームパンク映画」カテゴリーには、今川泰宏監督版『ジャイアントロボ』が入っている。シズマドライブと呼ばれる機関で機械が動く近未来を描いたこの作品ならテックパンクにカテゴライズする方が正しいのだが、入っちゃってることからも分類が一筋縄ではいかないことがうかがえる)。


日本漫画アニメゲーム作品では、スチームパンクの世界観をベースとしてさらに様々な味付けが施され、蒸気機関のみならず「古代超文明の残した超技術」や、科学の一部として発達した「魔法などを下地に発展した近代~近未来世界」を描いたものも多く見られる(『ファイナルファンタジー6』『鋼の錬金術師』など)。

これらは「ファンタジー的スチームパンク」とでも呼ぶべき別種のジャンルとして定着しており、とりわけ魔法と機械文明が密接な関係にあるものはマジックパンクとも呼ばれている(とはいえ『幻世』『ギア・アンティーク』『ハウルの動く城』など、スチームパンク世界では、魔法の共存がデフォルトである風潮すらある。19世紀後半~20世紀初頭の英国がオカルティズムスピリチュアリズムの全盛期だったことに影響されているのかもしれない)。



……とまぁ、アレコレ小難しいことを書いてきたが、あくまで作品を鑑賞する側がどう定義付けるかの話であって、こういう話が作り手の創造性を阻害するべきものでない点には留意しておきたい。百回の議論よりも一つの作品が生まれることのほうがはるかに価値のあることなのだ。


代表的な派生ジャンル

エルフパンク

エルフなどの亜人が現代を闊歩する。アーバンファンタジーからの派生ジャンルとする意見もある。

作品によってはスチームパンク寄りになっているものもある。


クロックパンク

蒸気機関よりもさらに前、水車やバネといった歯車機関を主体としたもの。スチームパンクの派生としてはもっともスチームパンクに近い。


ディーゼルパンク

蒸気機関よりも後の内燃機関、主にディーゼルエンジンを主体としたもの。クロックパンク同様時代背景が前後することもあってスチームパンクに抱合されることもある。


ミスパンク(Mythpunk)

神話の神々が現代に現れる作品。

たぶん『女神転生』とか『聖☆おにいさん』あたりを連想しときゃいいはず。このあたりの作品から連想されるようにおおよそスチームパンクの印象とは異なる世界観であるため除外される傾向にある。


アトムパンク

化石燃料(注)ではなく原子力で全てが動く世界観。

例として『ドラえもん』の22世紀や『鉄腕アトム』などが挙げられ、所謂「原子力が未来のエネルギーとして注目され始めた時代の人々が想像する近未来」である。銀色で丸みを帯びた建物、空飛ぶ車、角張った形をしているロボット等が登場することが多い。


サイバーパンク

インターネットやAIなど情報科学が高度に発達したq世界観。または近未来的なディストピアを表すこともある。例として『攻殻機動隊』や『サイバーパンク2077』や『AKIRA』などが挙げられ、所謂「コンピュータ技術が飛躍的に進歩する時代の人々が想像する近未来」である。高層ビル群が立ち並ぶ夜景、脳に埋め込むデバイスやサイボーグ技術等の機械と生体の融合技術、怪しげな新興宗教などが登場することが多い。

発祥としてはこちらの方が古く、スチームパンクはサイバーパンクの派生ジャンルとして誕生したという経緯がある。ただし元を辿れば産業革命時代の人々が思い描いた「全てが蒸気機関で動く世界」がスチームパンクの世界観の元と言える。そのためスチームパンクは「蒸気機関が発展し始めた時代の人々が予想した近未来」である。


関連イラスト

試作品一号の愉快な逃亡生活歯車ガール


記事のあるスチームパンク作品

小説、原作小説

漫画、原作漫画

アニメ

アニメ映画

TVアニメ

映画

ゲーム、原作ゲーム

その他


別名・表記ゆれ

Steampunk 蒸汽朋克 スチパン


関連タグ

SF ファンタジー SFファンタジー レトロフューチャー

エンターテインメント作品のジャンル一覧

機械羽 ゴーグル 都市 歯車 飛空艇 錬金術

pixivスチームパンク(2010年に行われた企画

【Rif】(2014年からの企画)


絢爛なりし灰燼世界FGOの宝具)


5分18秒ショックヘタリアの二次創作)

スチームパンク松おそ松さんの二次創作、へそウォ含む)

東方蒸気世界東方蒸機関東方Projectの二次創作)


外部リンク

まとめサイト

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