愛着

水たまり。 いつもは気にならない。 というより邪魔なもの。 避けて通らないといけない。 でも、そこにあると気にならない。 隙間にある水たまり。 それはすぐ消えるだろう。

機体は古くなる。 そして新型が発売される。 そうやってサイクルを作っていく。 それも当然の流れだろう。 ただ、手元にあると愛着が生まれる。 それがサイクルに抗おうとさせている。 こうして買い替えの時期が延びていく。

今日も実装テストをする。 必要だと思うこと。 足りないと思うこと。 それは人それぞれ。 ただ、これを気に入っている。 必要十分。 それが満たされているのだから。

型落ち機体。 明らかに古い見た目。 そこからは歴戦の感が漂う。 それだけ戦い抜いている。 そして生き抜いている。 この機体へのこだわり。 乗り続けるということ。

だれにもわかってもらえない、でも、それはわたしの大切なもの―― あるクラスでの一幕。佐々木が大城をぶった。佐々木のノートを一枚破ったからということだった。大城は「自分が嫌われ者だからぶつんだ」と泣き、佐々木は「ノートをやぶられた」ことにひたすら怒っていた―― 自分を理解されないことへのもどかしさや孤独を覚えるこどもの短編です。

シリーズ2話です。 折原臨也と修学旅行へ行こう、という思いつきから、ベタな展開を詰め込んでみました。

毎日の小さなよろこび。 お気に入りのメガネを見る。 それを見てから眠る。 起きたらそれを見て掛ける。 こうして楽しみを見つけてから出かける。 今日もメガネを掛けて出かける。 そのはずだった。

人を厭いながら人を求める。 心の奥底にある、願いの一つです。

物持ちのよさ。 昔からそうだった。 あるものを最後まで使う。 結果的に物持ちがよくなった。 案外とそんなものだったりする。 意図して長持ちさせていることはない。 気がついたら、長持ちしている。

この街には何もない。 多分つまらない街だろう。 でも、そうは感じない。 住むために必要なものは十分ある。 人付き合いもほどほど。 それだけで十分だったりする。 だからこうして、住み続けている。

無数の星々。輝いている星を眺めて、僕は想う。 美しい星がいつまでも、きらめいていられるように。

辺境。 それが当時の呼び名だった。 今はガラリと状況が変わっている。 そこへ飛ばされた原因。 謂れのない噂。 それを否定しても始まらない。 それならばこの地で生きるのみだ。

型落ち。 それが最初。 今はそれどころではない。 完全に古い。 それでもいい。 むしろそれがいい。 それを維持しようとする。