概要
CV:田村ゆかり
第11話にて初登場。ロリータドレスに日傘を差し、左目にカタカナの「ヌ」と「イ」が組み合わさった形の眼帯のようなものをしている少女。一人称は「ボク」。
鬼龍院財閥の会社・リボックス社に所属する「グランクチュリエ(高次縫製師)」。
皐月の母・鬼龍院羅暁によって本能字学園に送り込まれ、流子と四天王の決戦に乱入する。
人懐っこく無邪気そうな性格をしているが現れた途端に皐月が狼狽してしまうほど非常に危険視されている人物であり、生徒会四天王も「あれほど狼狽した皐月様を見たことが無い」と言うほど。
また皐月とはお互いよく見知った深い関係がある模様で「皐月様」と呼び「貴女に逆らったことはない」と発言するなど、一見下手に接している。
しかし口調はもちろんのこと、極制服を真っ向から否定する発言をしたり、「ボクと貴女は一心同体じゃない。昼も夜も」と意味深な言葉と共に突然髪の毛を撫でるなど蛇崩乃音のそれの比ではないほどに馴れ馴れしい態度で接している。
その上で皐月も「貴様は誰とも交わらない」と強く突き放した敵意と嫌悪の色の態度で見ている。
性格については最悪と言っていいレベルで快楽主義的な面があり(当人曰く「人生は楽しまなきゃ損」らしい)人をいたぶり殺すことさえも楽しむなど人格面が人として破綻してしまっている。
行う行動はほとんどが自分が楽しそうと感じたことに準じているらしく、本能字学園に現れたことも実際は羅暁の命令というより自身の独断に近いと思われる。
更に理由は不明だが体温が非常に低いらしく、人衣一体状態のとき彼女に触れられた鮮血はその異常な冷たさに驚き、流子を引きずって飛び退いてしまった。
実力は非常に高く「剣の装・改」に変身した猿投山渦の攻撃を素の姿のまま日傘で難なく受け止め、さらに極制服を形作る要の糸・「絆糸(ばんし)」の場所を見抜いて小指の爪で抜き取り切断、これにより一撃で「戦維喪失」させてしまう等、生命戦維で作った服の構造を熟知し、四天王を遥かに超える未知数の戦闘能力を持っている。
猿投山をあしらった縫はそのまま流子との対戦を始めようとするが、そこで流子を煽るために取り出して見せたものが、流子のものと対を成す紫色の「片太刀バサミ」。
そして、自分が流子の父・纏一身を襲撃し殺害したことを告白した。
半年前に、纏一身が極秘に研究している「何か」を奪う為に纏家に訪れて彼を襲う。
一身に「断ち切りバサミ」で対抗されるも、その圧倒的な戦闘力で難なくいなしあっさりハサミを奪い彼に突き刺し追い詰める。
しかし丁度その時流子が訪れたことに注意が向き、その一瞬の隙を突かれて一身に左目を潰される。
それに逆上して追い打ちをかけ、彼に突き刺していた片方の片太刀鋏を残し逃亡した。
この際、一身が地下の研究室に隠しておいた神衣(鮮血)を見逃している。一身が「これが自分の長年の研究成果」として取り出したのが前述の「断ち切りバサミ」であったため、真に極秘開発されていたのが神衣だと気付けなかったのである。
左目を奪われたことも含めて針目はこの件を根に持っており、流子を煽って暴走させ、一身の研究成果が彼の娘を殺すよう仕向けることで意趣返しを目論んでいた。
この一件で皐月から本能字学園への一切の立ち入りを禁じられるが、13話では凪田信二郎という無星生徒に声も体型も完全に変えて変装し、暴走したことで鮮血を着て戦うことを戸惑っていた流子を再び戦えるようにする(=自分に立ち向かわせて遊ぶ)為、風紀部員に虐げられる弱者を演じる自作自演の復活劇を行った。
(変装を解く描写から、変装にも生命戦維を使用して体を変えていたと思われる。)
しかし、結果的に流子が暴走の恐ろしさを自覚したことでそれを抑えるためかえって実力を引き出せない状態となり、その様子に興ざめする。
早々に流子に飽き、用済みとばかりに流子を一方的に蹂躙し、片太刀バサミで鮮血を切り刻みバラバラにしてしまった。そのままトドメを刺そうとするが、
現れた皐月によって手を止め流子にはもう興味がなくなったことを伝えその場から消えた。
また初登場の1話で流子の通った道と同じ場所を歩いていたり、自分の片太刀鋏を取り出すモーションが流子が初めて片太刀鋏を持った時と同じものだったりと作中で幾つも流子のイメージと重なり合うかのような描写がされている。
余談
グランクチュリエ【grand couturier】とはパリのオートクチュール(高級注文服)の主任デザイナーかつ総責任者の総称として知られる名称で、クチュリエ【couturier】とはフランス語の「裁縫師(テーラー)」のことである。
ちなみに男性形と女性形が存在し、女性の場合はクチュリエール【couturiere】と呼ぶ。
……そう、「クチュリエ」は男性形である
そして、初登場回のサブタイトルは『可愛い女と呼ばないで』。
…………おや?
※
但し原作者の中島かずきは針目縫を「謎の少女」とTwitterで紹介し、劇中でも実際にグランクチュリエと呼んだ黄長瀬紬は「あの女」と表現している。
また、18話にて縫自身も「女は下着を替えると過去も忘れるから」と語っている。
そもそも単なる「裁縫師」のフランス語訳ではなく、役職号と解釈すれば(しかも就任者によって男女形を言い換えるのもはばかられる高位なものであればなおさら)女性が男性形の称号を冠していてもおかしくは無い。
以上をもって現時点ではあくまでも一部での憶測・推測にすぎないが、何より「可愛い女」が別の人物を指していたであろうことは事は、十一話の会話より推測できる。
だがしかし色々な意味で個性的で濃いキャラ揃いのキルラキルである故にそういう可能性も無いわけではないので、心の準備をしておいても無駄ではないだろう。
また纏一身との格闘で嘔吐をするシーンがあるがこれがあまりにも白い上にいつまでも口の端にぶら下がっているため「綿ではないか」という見解もあるが、異常に体温が低いという描写とあわせて人外説にある程度の説得力を持たせている(画面全体がセピア調になる演出がとられているため、黄色でも白く見えることは見えるのだが)。
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この先ネタバレ
針目縫もまた、羅暁や流子と同じく生命戦維との融合を果たした人間。
誕生の経緯は二人とはまた異なり、原初生命戦維で作られた人工子宮の中で受精卵の段階から育てられた。使用された受精卵は誰のものかは不明だが、卵子の方は羅暁の可能性が高い。
その出自から羅暁や流子よりも生命戦維との親和性は高いと考えられるが、逆にそれが災いしたのか、体内の生命戦維の反発によって神衣を装着できない事が判明。それゆえ神衣を着る側ではなく、作る側としてグランクチュリエ(高次縫製師)という道を選んだ。
心臓の生命戦維の色は流子が赤であるのに対し縫は紫。何の因果か、それぞれが持つ片太刀バサミの色と対応している。
20話で単身本能字学園に乗り込んできた流子と交戦。戦闘のさなかで彼女の精神を揺さぶり、冷静さを奪った所で動きを封じ、羅暁との連携によって強引に純潔を着せることでその精神を支配した。余談だが、この直後に流子は景気付けと称して縫の唇を奪っている。二人にとってこれがファーストキスかどうかは不明。
21話では操った流子を助け出すことを不可能だと言う一方で、依然として片太刀バサミの片割れを流子に渡していない点を皐月に追求され、その洗脳に一抹の不安を抱いている事を見抜かれた。
案の定その不安は的中し、裸の太陽丸を沈めようとした直後に正気を取り戻した流子によって背後を突かれた。
22話では鋏を両方手にしたが人衣一体した流子に奪われ、両腕を切り落とされた。「僕の腕の価値がどれだけかわかっているの!?」というセリフに対して流子は「だから切り落とした」と即答、腕を踏んづけて生命戦維にしてから吸収した。ここで鋏本来の力が発揮したことがうかがえる。
腕を失った後も戦意は衰えなかったが、鳳凰丸礼の介入によって強制的に撤退。本能寺学園にて神羅纐纈の仕上げに取り掛かる。このときは流子・皐月への憎悪をあらわにした狂気の形相で、口のみを使って縫製を行っていた。