概要
CV:田村ゆかり
誕生日は1月22日。第11話にて初登場。ロリータドレスに日傘を差し、左目にカタカナの「ヌ」と「イ」が組み合わさった形の眼帯のようなものをしている少女。一人称は「ボク」(稀に「私」になる事もある)。
鬼龍院財閥の会社・リボックス社に所属する「グランクチュリエ(高次縫製師)」。
鬼龍院皐月の母・鬼龍院羅暁によって本能字学園に送り込まれ、纏流子と生徒会四天王の決戦に乱入する。
人懐っこく無邪気そうな性格をしているが現れた途端に皐月が狼狽してしまうほど非常に危険視されている人物であり、四天王も「あれほど狼狽した皐月様を見たことが無い」と言うほど。
また皐月とはお互いよく見知った深い関係がある模様で「皐月様」と呼び「貴女に逆らったことはない」と発言するなど、一見下手に接している。
しかし口調はもちろんのこと、極制服を真っ向から否定する発言をしたり、「ボクと貴女は一心同体じゃない。昼も夜も」と意味深な言葉と共に突然髪の毛を撫でるなど蛇崩乃音のそれの比ではないほどに馴れ馴れしい態度で接している。
その上で皐月も「貴様は誰とも交わらない」と強く突き放した敵意と嫌悪の色の態度で見ている。
性格については最悪と言っていいレベルで快楽主義的な面があり(当人曰く「人生は楽しまなきゃ損」らしい)人をいたぶり殺すことさえも楽しむなど人間性が破綻してしまっている。
行動はほとんどが自分が楽しそうと感じたことに準じているらしく、本能字学園に現れたのも実際は羅暁の命令というより自身の独断に近いと思われる。(羅暁もこうした縫の行動を「芸術家の気まぐれは制御不能」として、ほぼ放任している。)
更に理由は不明だが体温が非常に低いらしく、人衣一体状態のとき彼女に触れられた「鮮血」はその異常な冷たさに驚き、流子を引きずって飛び退いてしまった。
実力は非常に高く「剣の装・改」に変身した猿投山渦の攻撃を生身のまま日傘で難なく受け止め、さらに極制服を形作る要の糸・「絆糸(ばんし)」の場所を見抜いて小指の爪で抜き取り切断、これにより一撃で「戦維喪失」させてしまう等、生命戦維で作った服の構造を熟知し、四天王を遥かに超える未知数の戦闘能力を持っている。
猿投山をあしらった縫はそのまま流子との対戦を始めようとするが、そこで流子を煽るために取り出して見せたものが、流子のものと対を成す紫色の「片太刀バサミ」。
半年前に、纏一身が極秘に研究している「何か」を奪う為に纏家に訪れて彼を襲う。
一身に「断ち切りバサミ」で対抗されるも、その圧倒的な戦闘力で難なくいなしあっさりハサミを奪い彼に突き刺し追い詰める。
しかし丁度その時流子が訪れたことで注意が反れ、その一瞬の隙を突かれて一身に左目を潰される。
それに逆上して追い打ちをかけ、彼に突き刺していた片方の片太刀バサミを残し逃亡した。
この際、一身が地下の研究室に隠しておいた神衣「鮮血」を見逃している。一身が「これが自分の長年の研究成果」として取り出したのが前述の「断ち切りバサミ」であったため、真に極秘開発されていたのが神衣だと気付けなかったのである。
左目を奪われたことも含めて針目はこの件を根に持っており、流子を煽って暴走させ、一身の研究成果が彼の娘を殺すよう仕向けることで意趣返しを目論んでいた。
この一件で皐月から本能字学園への一切の立ち入りを禁じられるが、13話では凪田信二郎という無星生徒に声も体型も完全に変えて変装し、暴走したことで鮮血を着て戦うことを戸惑っていた流子を再び戦えるようにする(=自分に立ち向かわせて遊ぶ)為、風紀部員に虐げられる弱者を演じる自作自演の復活劇を行った。
(変装を解く描写から、変装にも生命戦維を使用して体を変えていたと思われる。)
しかし、結果的に流子が暴走の恐ろしさを自覚したことでかえって実力を引き出せない状態となり、その様子に興ざめする。
早々に流子に飽き、用済みとばかりに流子を一方的に蹂躙し、片太刀バサミで「鮮血」を切り刻みバラバラにしてしまった。そのままトドメを刺そうとするが、現れた皐月によって手を止め流子にはもう興味がなくなったことを伝えその場から去った。
また11話で初登場の際、1話で流子が通った道と同じ場所を歩いていたり、自分の片太刀鋏を取り出すモーションが流子が初めて片太刀鋏を持った時と同じものだったりと作中で幾つも流子のイメージと重なり合うかのような描写がされている。
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正体と物語後半の活躍(ネタバレ)
キャラのつかみどころが無さ過ぎて男の娘説やぬいぐるみ説など様々な憶測が飛び交ったが、大体ハズレだった。
針目縫もまた、羅暁や流子と同じく生命戦維との融合を果たした人間。
誕生の経緯は二人とはまた異なり、原初生命戦維で作られた人工子宮の中で受精卵の段階から育てられた。使用された受精卵が誰のものかは不明だが、後のセリフから卵子の方は羅暁の可能性が高い。
その出自から羅暁や流子よりも生命戦維との融合度は高いが、逆にそれが災いしたのか体内の生命戦維との反発によって生命戦維(神衣)を装着できない事が判明。それゆえ神衣を着る側ではなく、作る側としてグランクチュリエ(高次縫製師)という道を選んだ。
心臓の生命戦維の色は流子が赤であるのに対し縫は紫。どういう理由か片太刀バサミも流子の赤に対して紫に染まっている(演出によりオリジナルの色は不明だが纏一身が所持していた際は左右同色)
20話で単身本能字学園に乗り込んできた流子と交戦。戦闘の最中で彼女の精神を揺さぶり、冷静さを奪った所で動きを封じ、羅暁との連携によって強引に「純潔」を着せる(「純潔」を体に直接縫い付けた)事でその精神を支配した。余談だが、この直後に流子は景気付けと称して縫の唇を奪っている。
21話では操った流子を助け出すことを不可能だと言う一方で、依然として片太刀バサミの片割れを流子に渡していない点を皐月に指摘され、その洗脳に一抹の不安を抱いている事を見抜かれた。
案の定その不安は的中し、裸の太陽丸を沈めようとした直後に正気を取り戻した流子によって背後を突かれた。
22話では一度は鋏を両方手にしたが、振るう間も無く「鮮血」に踏み台にされ、人衣一体した流子に奪われ、両腕を切り落とされた。以前ならば超回復によって癒着・再生できるはずだったが、片太刀バサミが真の特性を発揮したことにより腕は再生不能、一部の戦維は鮮血に吸収された。
さすがに商売道具でもある両腕を切り落とされてしまったせいか、これ以後の縫は歯をむき出しにした狂気的・闘争的な本性を露にするようになる。
腕を失ったことでも戦意は衰えなかったが、鳳凰丸礼の介入によって強制的に撤退。本能字学園にて神羅纐纈の仕上げに取り掛かる。このときは流子・皐月への憎悪を露にした狂気の形相で、口を使って縫製を行っていた。
23話でついに神羅纐纈を仕立てあげ、羅暁に献上する。その際、羅暁から生命戦維から作り上げた(黒い長手袋の様な)腕を与えられた。羅暁は「縫製のような繊細な作業は出来ないが、十分な戦闘能力がある」と称しており、縫自身も「この星はまもなく生命戦維に覆われる。もう服を縫う必要はありません」と満足していた。
24話では黒い腕を刃や翼の形に変形させ、分身を作り出す技とあわせて発信装置の防衛を行ったが、四天王とヌーディスト・ビーチの連携により障壁を突破され、発信装置を破壊されてしまう。
しかしその直後、羅暁から「その身体を捨てろ」と命じられると、「oui、maman(ウィ、ママ)!」と笑顔で答え、自らの首を切断。体内の生命戦維を捨てたことで原初生命戦維との融合を果たし、流子たちに切り刻まれた羅暁の身体を修復・一体化した。そして羅暁に褒められ、彼女と一体化することを喜びながら消滅した。
上記の「ママ」発言と、その後の羅暁の「生命戦維を纏う事が出来なかった哀れな娘」という発言から、彼女もまた皐月や流子と同じ羅暁の娘だった事が窺える。