「恐怖こそ自由!君臨こそ解放!矛盾こそ真理!それがこの世界の真実だ!
服を着た豚ども!その真実に屈服せよっ!!!」
概要
CV:柚木涼香
- 左:変身前/右:変身後
本能字学園を武力と恐怖で支配している生徒会長。
母親は学園の理事長にして世界のアパレル産業の70%を支配しているREVOCS社のCEO鬼龍院羅暁。つまりはお嬢様でもある。
衆前に姿を見せる時は学園の頂上から眩しく光り輝き、地上に降り立つ際は謎の布階段が登場する。
しかし、その性格は王者らしく峻厳苛烈で威風堂々。愛刀「縛斬(ばくざん)」を常に帯刀し、生徒とその家族をあらゆる力で掌握している。その堂々とした態度と風格たるや、初登場シーンでの全校生徒に向けた怒号のような演説も相まってか、男性と勘違いした視聴者も少なくないはず。
「人類は服を着た豚だ」と豪語し、忠実な配下である生徒会四天王をはじめとした多くの生徒を率い、生命戦維を織り込んだ制服「極制服」による全国の他校の支配を目指しており、「三都制圧襲学旅行」でついに全国学園支配を達成する。
転校生として本能字学園にやってきた纏流子に対して、彼女が持つ「片太刀バサミ」や流子の父親について何か知っているような素振りを見せており、幾度となく対立することになる。
母親が学園の理事長の為、校長や学園の教師陣は誰も彼女に逆らう事が出来ない。しかし、皐月本人は親の権力に縋ろうとは思っておらず、自分が利用できるものは全て利用した上で、他人の力に頼らず自らの力で目的を達成する事を信条としている。
実力や地位、功績等に応じて一ツ星から三ツ星の極制服を学園の生徒達に与えており、生徒達からの忠誠は絶対的である。
戦闘時は、前述の愛刀「縛斬」を使用。
白い鞘と黒い刀身が特徴の日本刀で、片太刀バサミと同じく生命戦維を切断することが出来る。
彼女の傘下に居る者は必ずと言っていいほど彼女から与えられた極制服を身に纏っているものの、彼女自身は「縛斬」で事足りると思っているため、極制服を身に付けていない。実際、その強さは彼女が「縛斬」を振るだけで周囲の人間が吹き飛ばされる程。
洞察力にも優れ、僅かな可能性にも希望を見出す強い精神力の持ち主でもある。
登場初期は白い学ランのような制服を着ていたが、流子が神衣「鮮血」を着るようになってからは、彼女も白いセーラー服型の神衣「純潔」(※詳細はタグ先参照)を着るようになり、戦闘時には流子と同じく変身して闘う。流子に勝るとも劣らぬ美しいプロポーションに、白と青を基調としたカラーリングなど、流子と対になるデザインとなっている。
生徒の前では冷徹な支配者として振る舞う彼女だが、執事である揃三蔵の前では穏やかな表情を見せ、彼の淹れた紅茶を好むなどお嬢様らしい側面も垣間見せる。
名前の由来
脚本の中島かずきは本作のベースとなったのは「男組」や「男大空」といった70年代少年漫画であると語っており、鬼龍院皐月という名前は「男組」のライバル・神竜剛次と「男大空」のライバル・鬼堂凱を合成したものである。 白い学生服に日本刀を持ち「大衆は豚だ」が口癖の神竜とは性格・生い立ちも含めて共通点が多い。
また、「皐」という字は、白い光のさす大きな台地の意味を含んでいる。彼女が登場する度に謎の後光が射すのも、この名前が通じているかもしれない。
関連イラスト
ちなみに…。
三話冒頭の回想では、幼少の頃の彼女が登場する。太眉と髪型は現在と同じだが、その容姿はとてもかわいい。中学生時代もすでに漢女ではあるものの、ショートカットやセーラー服が現在よりも幼い印象を与え、やっぱりかわいい。かわいい乃音と並べばアイドルユニットみたいにかわいい。
たった数年でどうしてああなった…?
と思ったが、「純潔」の使用によって疲弊した彼女が一時だけでも揃の前で見せた表情は、眉根の力が抜け、歳相応に可愛らしかった。
この先ネタバレ*
実は皐月は母の羅暁が生命戦維と融合させる実験台として産み落とした子供。だが、実験開始時、既に一歳半だった彼女では十分な親和性が得られず失敗。そのため、翌年生まれた生後間もない妹が生命戦維と融合させられるが、心拍数が途絶えた事から皐月同様失敗と判断され、しかも飽くまでも実験台としか見做されていなかったために救命措置も行われず、ゴミ同然に棄てられた事実の一切を父・鬼龍院装一郎から聞かされた。当時五歳。
この年端もいかぬ年齢で真実を聞かされた皐月は笑う事をやめ、父の意思を継いで母への叛逆と殺された妹の復讐を誓い、羅暁に牙を突き立てる日を夢見て精進してきたとされる。それ故に皐月の今まで行った数々の施策や暴挙、本能字学園による全国学園支配及び全国の十代への生命戦維入りの制服の強制配布の意図は全て生命戦維の打倒を目的とした行為であり、本能字学園は皐月に従属する配下と生命戦維と戦うために鍛え上げられた精鋭を集結させ、羅暁に反旗を翻す為に作った城だった。
第17話の終盤にて羅暁スタジアムに流子が闖入した際、羅暁が背を晒すという絶好機を見逃さず躊躇なく背後から「縛斬」で心臓を深々と刺し貫いた。
「人は服のために生きるのではない!この鬼龍院皐月、生命戦維打倒の為に立ち上がる!」と宣誓し、実の母を磔にした。
ずっと従うふりをしながら羅暁の金を使って拠点を築き、自らに服従する兵士達を育て、遂に決起の日を迎えた皐月は名実共にREVOCS社に対立の意思を示した。
ちなみに、この行動に狼狽した流子に対する蟇郡苛や犬牟田宝火の発言から、皐月の真意及び計略を知っていたのは生徒会四天王と裁縫部部長の伊織糸郎、鬼龍院家で唯一信頼を寄せる執事の揃三蔵のみであったと見られる。
普通なら即死の重傷を負っていたにも拘らず生命戦維の力で容易く全快した羅暁に人衣圧倒して対峙し、斬首を果たして決着かと思われたが……それでも殺す事は叶わず、僅かな隙を突かれて形勢は逆転。フルボッコにされて「縛斬」を叩き折られた挙句、「純潔」まで奪い取られてしまい、全国に熟女のセーラー服姿をお送りする運びと相成ってしまった。ご馳走様です。
この時、恐らく今まで一度も敗北を味わった事がないであろう皐月の罵詈される姿に、敵ながら今まで毅然とした彼女を見てきた流子は戦慄し、仄かな私憤を覚えた事だろう。
直前の精神仮縫いを破った事から流子に何らかの〝手応え〟を得ていた羅暁は、自身と同様の不死身性と素養を見せた流子に対し、彼女が自分と装一郎の実の娘、即ち皐月とは正式な血縁関係を持った姉妹(きょうだい)である事を明かした。
19話では羅暁によって捕まってしまうが、20話では縛斬と同じ素材で出来た付け爪(足の親指)で四天王たちに映像を通して合図を送り、その後自力で檻から出て四天王たちと合流し、退却する。だが、そこへ「純潔」を装着した流子がやってきたため、彼女を止めるべく「鮮血」を身に纏って戦う。
しかし、「鮮血」の声が聞こえない皐月では「鮮血」との連携にも若干のズレが生じてしまい、その隙を突かれて敗北した。だが、皐月にとっては己の力不足すらも織り込み済みであり、更にその隙を突く形で四天王を割り込ませ、「純潔」から流子を引き剥がそうとした。
この作戦は「純潔」と流子の身体が縫合されていたこともあり失敗したものの、「鮮血」とマコが直接「純潔」に突入した際には、皐月がその機会を作っている。
流子が正気に返った後は、彼女を「流子」と名前で呼び、真実を伏せたまま戦力として利用しようとしていた今までの自分の行いを謝罪・和解にいたった。
このことで心の荷が下りたのか、満艦飾家のコロッケを皆と一緒に美味しそうに食べたり、四天王の働きを褒めてねぎらい、流子たちにも穏やかな微笑みを見せたりと、本来の優しい面を見せるようになった。
(流子も一度、皐月を「姉さん」と呼ぼうと試みたが、皐月は無理に呼ばなくていいと言って止めている)
なお、羅暁に折られた縛斬は犬牟田たちが新しく打ち直し、根元部分から作った「蛟竜」を蟇郡と猿投山が、先端部分から作った小刀「餓虎」は蛇崩が使用していたが、二人とも皐月が戻ってきたときに返還し、以後上記イラストのような二刀流スタイルとなる。
偶然にも、2本になったことで断ち斬りバサミと同じ「両側から同時に生命戦維を切断できる」という利点を獲得し、生命戦維の再生を遮断できる切り札となった。
最終話では序盤早々に縛斬が破壊されてしまい、さらに神羅纐纈の「絶対服従」により手も足も出なくなっていた。だが、「鮮血」によってそれが解除されると、流子とともに片太刀バサミを手にして二人で羅暁をぶった切った。しかし、羅暁が縫を取り込んで天種繭星を発動させるために宇宙へ飛び立った際、流子に全てを託して全ての極制服と「純潔」を吸収させた。そして、羅暁を打倒し宇宙から落下してくる流子を真っ先に受け止めに走り、みんなの力を合わせて無事に流子を受け止め、戻って来た流子からついに「姉さん」と呼ばれた。
その後のEDでは何と長髪をバッサリと切ったショートヘアの私服姿で登場し、流子とマコを驚かせた。その際、皐月は作中で初めて照れた顔を浮かべていた。その後、3人で街中のデートを楽しみ、一緒に記念撮影を行っていた。
なお、皐月が髪を切った経緯はDVD・ブルーレイ第9巻収録の第二十五話「さよならをもう一度」にて明らかになっている。
関連タグ
明堂院さつき … 名前が近いが、こちらはどう見てもお姉様なお兄様。
ラオウ … 恐怖による支配で世直しをしようとする点では共通する。
神竜剛次 … 劇画「男組」の登場人物。性格や名前のモデルになったのは上記の通り。