CV:稲田徹
概要
本能字学園生徒会長・鬼龍院皐月が率いる生徒会四天王の一人。ランクは三つ星。
学園の風紀を取り締まる厳格な風紀部委員長。
容姿
金髪のオールバックに褐色肌、筋骨隆々な巨体が特徴で、生徒会の中では最も大柄な体格を持つ。やや福耳気味な両耳にはピアスを付けている。外伝小説によると、このピアスのは小学生の頃いじめによって開けられた穴に、伯父から贈られたピアスをしたというもの。
劇中、最小で2m弱~最大で巨大ロボ並(他の四天王が肩や掌に乗れるほど)と、体のサイズがちょいちょい安定していない。
彼の極制服は胸にデカデカと三つ星が描かれた白い学ランぽいもので、棘のついた金属製の肩甲・腕甲・靴を着用している。
また、両腕の腕甲にはムチが仕込まれており、第一話冒頭ではそのムチを自在に操り、極制服を盗んだ生徒を蹂躙していた。
人物
その不良じみた外見とは裏腹に風紀部委員長らしく学園の規則に対しては厳格であり、学園に侵入したスパイや纏流子など、皐月に仇なす者に容赦なく制裁を加える。
皐月に対しては絶対的な忠誠心を持ち、ストーリーを通して生きた盾として彼女に敵対する者の前に立ちはだかる。その一方で、学園生徒が自由に自動車を運転できる学園内であっても、皐月を自ら送迎するためにわざわざ教習所に通って自動車免許を取るなど、非常に生真面目でもある。
また、困っている生徒を助けるのも風紀委員の役目であるとという考えも持ち合わせており、原付きのガス欠で立ち往生していた流子と満艦飾マコを見つけた時は、二人を自分の車に乗せてやるなど紳士的な一面もある。基本的に無益な戦闘は好まず、塔首頂上決戦の折は身に振りかかる火の粉を払ったのみの結果として、一般生徒を倒した数が四天王の中で一番少なかった。
なお、彼が運転する巨大な初心者マークが貼られた車はキャデラック・シリーズ 62。日本が舞台のアニメだが、この車は右ハンドル仕様が存在しないので左ハンドルである。
色がピンクなのはドイツのポップデュオ「モダン・トーキング」の『Geronimo's Cadillac』という曲に由来すると思われる。
見苦しい振る舞いをする者には同じ四天王相手でも容赦せず、流子との対決で極制服を失った猿投山渦が敗北を認めず全裸で戦おうとしたときは「恥を知れ!」とムチで打ち据えた。
その一方で信念を貫く者には寛大なようで、犬牟田宝火が試合を途中で棄権した際は「戦い方はそれぞれが選ぶ道」として咎めなかった。また猿投山についても彼が自ら視力を捨てた後はその覚悟を認めている節があり、19話では極制服の限界まで戦った末に子分を失った猿投山を慰め、皐月救出に向かう際は「剣はお前の方が得意だ」と言って縛斬・蛟竜を譲っている。
至極真面目ではあるのだが、常に怒声のような大声を張り上げて喋る、わざわざ周囲の建物を破壊して登場する、運転時には自身のドラテクを披露しようと思い切りハンドルを切って壁に衝突するなど、どこか勢い任せで豪快なところもある。
伯父の健吉が鉄工所を営んでおり、彼に頼んで作ってもらった鉄製品の数々は、最終話においても活用されていた。
第4話で口論を交わして以来、マコの度胸を買い、彼女に一目置くようになってからは何かと絡むことが多くなる。『塔首頂上決戦』で敗北後観戦に回って以後はより絡みが顕著になり、『三都制圧襲学旅行』以降はマコが何か突飛な事をしたり、ピンチになったりする度に「満艦飾」と名前を呼び反応するようになる。第19話では伊織糸郎と犬牟田の開発した救急救命吸引具で、ガッツが匂いを探知した人型COVERSからマコを救出した。
寝るときは全裸派らしい。
過去
彼と鬼龍院皐月との出会いは5年前に遡る。
当時中学三年生の蟇郡は、私立輪廻堂中学の生徒会長を務めていたが、親の権力を悪用する不良生徒達の行いを止めることが出来ないでいた。
そこに当時中学一年生の皐月が現れ、不良達から親の権力を奪い、襲いかかってきた不良達を自らの力で一蹴。彼女の、あらゆる力を飲み込んで自分の力とする信念と覚悟を見るが、力で支配するやり方に反対した蟇郡は自分の卒業式の日に皐月に戦いを挑む。結果、皐月に敗れてしまうが、力に決して屈さないという覚悟を見せ、最後まで跪くことはなかった。
その覚悟を皐月に買われ、皐月の盾となる存在として勧誘される。以来、皐月に忠誠を誓った蟇郡は彼女が卒業するまでの2年間を待ち、共に本能字学園に入学した過去を持つ。
そのため、年齢は現在20歳である。
また、何故か中学校卒業時点まで生徒会長の引き継ぎはせず、現役であったようだ。
最終話エンディングでは、正装して花束を持ちながら、顔を赤らめている姿が見られた。
この時は流子・皐月・マコの3人のデートを見守っていたのだが、映像のみで台詞がなかったため、花束が誰に向けたものであったのかは不明。
本能字学園を卒業した後は親戚の鉄工所に就職するらしい(25話より)。
戦闘能力
身に纏う極制服は、完全防御の形態である「縛の装」と、攻撃特化型の「死縛の装」の二段階変形が可能。
ちなみに、変形した極制服の形態は、一見ミイラのようであるものの、よく見ると口の部分にボールギャグが嵌まっており、実際、内部の本人もギャグを咥えている。そしてそのままちゃんと喋れている。
また、敵からの攻撃を溜め込んでいる時はどう聞いても恍惚とした声を上げており、その様子を見たマコからは「老け顔の変態」と評された。
「変態では無い変身だ!」
どう見ても変態である。
縛(しばり)の装
変身した際の基本形態にして絶対防御形態。
並みの攻撃ではビクともしない頑強さを持ち、更に攻撃のエネルギーを蓄積することでその威力を相手に全て返す「死縛の装」へと変形する。
さらに表面の布はあくまで特殊能力によって硬化された通常の布であり「生命戦維」が含まれていない為、生命戦維を切り裂き吸収する鮮血の戦維喪失も通じない。
この姿は、彼の風紀委員としての「規則で自らを厳しく縛りムチ打つ事で他の生徒の規範となり、自分の意思で風紀を守るよう生徒の自主性に規律を託す」という真面目な思いを表現したため、このようなデザインとなっている。(だとしてもボールギャグはどうかと思うが)
なお、たとえ「縛の装」において敵が攻撃してこなくても自分で自分をムチでしばいて力を溜め込むと言う自家発電も可能。やっぱり変態だ。
死縛(しばき)の装
「縛の装」で一定の攻撃のエネルギーを吸収した際に変身可能となる攻撃特化型形態。
体を覆っていた布が全てムチとなり、広範囲に縦横無尽の攻撃を繰り出す。
「縛の装」で受けたエネルギーが多ければ多いほど攻撃力が上がり、この形態の変身時間の長さもそのエネルギーに比例する。
そしてムチを防いでくる場合は背中の棘付のリングと、両腕の腕甲を変形させた巨大な型に挟み込むプレス攻撃で「型にはまった生徒」にしてくる。
上記「縛の装」の対となる姿として、その姿勢を受けてなお反省せず風紀を乱す生徒に対し、涙を呑んで愛のムチを打つ粛清の姿を現したものである。
流子との決戦では、その攻撃を受ける暇の無い防御と猛攻によって立ち塞がったが、鮮血の機転によって「縛の装」の内部に潜り込んだ流子に「鮮血閃刃」で内側から防御を切り裂かれ、「死縛の装」が発動できなくなったところに留めを刺されて敗北する。
なお、こういうアレな能力を持った極制服だが、なんとデザインの随所には、アイアンマンのモチーフが盛り込まれているという、色々と挑発的な極制服でもある。
「縛の装」の胸部には、アークリアクターを思わせる円形パーツがついており、「死縛の装」の顔面部には、思いっきりアイアンマンのものに酷似したマスクが装着されている。