戦前日本の秘密警察。某枢軸国のゲシュタポや某赤い国のKGBに相当する組織。
もともとは社会主義や無政府主義系の社会運動を摘発・弾圧するために主要府県に設けられた。1925年の治安維持法が制定されて社会運動への弾圧への法的根拠が整備され、全府県の警察に特高が設けられて、社会主義者や新興宗教家の摘発を行い、取り調べ中に過酷な拷問・リンチを行った。小林多喜二のように、拷問の末死に至った者もいた(小林は小説で特高の拷問を克明に描いていたために目をつけられたともいう)。
日中戦争・太平洋戦争]と]日本が戦時色を強めるにつれ挙国一致体制を維持するため、右翼・自由主義運動・伝統仏教やキリスト教などの既存宗教も含め、特高が反戦的・反政府的と見なしたあらゆる運動をほしいままに弾圧するようになり、便所の落書きまで目をつけるなど、恐怖政治・全体主義体制をつくり出してしまう。ついには特に戦争や体制批判と関係がない出版物や同人誌も「不敬」「厭戦的」などと難癖をつけて検挙・摘発するに至った。
戦後、特高関係者は公職追放にあうが、GHQの占領政策の転換に伴い旧自治省・警視庁の公安部門・公安調査庁などの上級幹部職に順次復職していき、特高において培われた拷問や尋問の技術は、戦後においても冤罪を生み出す源流となった。