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空中給油の編集履歴

2014-06-02 19:31:40 バージョン

空中給油

くうちゅうきゅうゆ

空中給油とは、飛行中の飛行機へ燃料の給油を行うことである。

概要

飛行中の航空機に直接、燃料を給油すること。

戦闘機などの航続距離を延長する手段として重要である。

艦艇爆撃機などの護衛を行う戦闘機や、長時間滞空して哨戒任務に当たる哨戒機、長距離飛行する偵察機、大量の爆装を積む為に燃料を減らして離陸する戦闘攻撃機、航続距離が短い艦載機、垂直離陸を行ったVTOL機には無くてはならない。

空中給油は1900年代初頭に確立され、第二次世界大戦を経て現在の様式となり、軍用機が作戦行動を行う上で無くてはならないものとなっていった。


方式

大きく分けて3つの方式がある。

フライングブーム方式

<< 苦戦しているようだな >>

給油機から燃料を供給するためのパイプを伸ばし、被給油側の機体の給油口に差し込んで給油する方式。(こら、変な想像をするなよ!)

空軍が多用する方式である。

給油機に搭乗したオペレーターが給油用パイプを操作することで位置合わせを行う。

このため1機ずつしか給油ができないが、反面大量の燃料を供給できるため爆撃機などの「動きは鈍いが大量の燃料を必要とする」機体に有利な給油方式である。

重量とサイズから大型の機にしかブームを積むことは出来ず、着艦時にブームが邪魔になる為、艦載機への搭載は難しい。


プローブアンドドローグ方式

空中給油ミッション

先端に漏斗状のパーツの付いた給油用ホースを給油機に取り付け、被給油側の機体がそこに空中給油専用の給油プローブを接続する方式。

位置合わせは被給油側の機体操作で行われる。このため被給油側のパイロットにも技量が要求される。

また、一回あたりに給油可能な量も少なめ。

但し「ホースを給油機からぶら下げておくだけ」なので、ホースの数さえ増やせば一度に複数の機体に給油できる。

また、ヘリコプターへの給油も可能。

給油装置自体が小型の為、戦闘機などの下に給油用のバディポッドを懸架することで空中給油機とする事も出来る。

戦闘機などの小型でよく動き、それほど燃料を必要としない機体に有利な方式で、米海軍をはじめ他の国々でも採用されている。


HIFR(Helicopter In Flight Refuling)

海上の艦艇から飛行中のヘリコプターに給油を行うための方法。

「飛行中のヘリに給油する」という意味で、立派な空中給油の手段の一つである。

悪天候時や艦艇側に十分な着艦スペースが無いような場合に使用され、艦艇と並行して飛行するヘリコプターが給油ホースを受け取るためのフックを降ろし、そこに給油用ホースを引っ掛けてヘリに引き上げ、給油口に空中で接続する。

「とりあえず給油用ホースさえあれば実施できる」という利点があり、哨戒ヘリには必須のテクニックである。各国の海軍組織でも「必修科目」の一つになっている。


余談

  • 「バディポッド」という装備を使えば、スマホ同士でmicroUSBを介して給電するケーブルの如く、戦闘機同士での空中給油もできる。(プローブアンドドローグ方式のみ)制約上大型の機体を運用できない海軍で多く使われている給油方法でもある。口移しとかいうな。
  • フライングブーム方式でも、給油用パイプの先端にアタッチメントを追加すればプローブアンドドローグ方式が前提の機体にも給油できる。
  • フライングブーム方式の機体であってもプローブが付いたドロップタンクやコンフォーマルフェールタンクを装着すればプローブアンドドローグ方式に対応できる。
  • ソ連の爆撃機Tu-16の空中給油機型は、給油側と受油側の翼端同士をホースで結合させ、給油を行うユニークな給油方式を採用していた。
  • ロシア(旧ソ連)のUPAZ-1/1A空中給油ポッドは戦闘機などに搭載するバディポッドとして以外に輸送機等を空中給油機に改造する際にも使用されている。
  • フォークランド紛争イギリス軍は2機のバルカン爆撃機をフォークランド諸島に到達させる為に11機のヴィクター空中給油機を使用し、バルカンへの給油だけで無くヴィクター同士の給油も行った。(ブラック・バック作戦)
  • 偵察機SR-71は飛行して機体が温まるまでは燃料が駄々漏れの為、離陸直後に給油を必要としていた。
  • ほとんどの戦闘機(マルチロール機)は最大積載重量>最大離陸重量の為、フル爆装で離陸する際には搭載燃料を減らして離陸後に空中給油をする。

関連イラスト

赤めく空


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