無敵ガミラス、敗れること無し!!
概要
CV:若本規夫
‐所属:大ガミラス帝星
‐階級:国家元帥
‐役職:中央軍総監
‐座乗艦:ゼルグート級一等航宙戦闘艦『ゼルグードⅡ世』(ネームシップ)
大ガミラス帝星において、アベルト・デスラー総統に次ぐ権力を持つ人物。顎まで伸びたもみ上げが特徴的である他、話口調がいささか時代錯誤しており、常に大げさに芝居がかったような雰囲気で、語尾には「~である」と付けたり、一人称は「吾輩は~」と言い、他にも「成敗!」などと言っている。
彼自身が名のある貴族出身であることから、現在の二等臣民等が活躍できるような政治体制には、強い不満を抱いていた模様である。そのことから、旧貴族の復権を狙っていた。
因みに貴族出身の彼が個の地位についている由縁は、小説版『宇宙戦艦ヤマト2199(下巻)』にて明らかにされている。統一前のガミラス星にて、統一を目指すデスラーから、その貴族の発言力の大きさや財力等を買われて陣営に加わるように要請された。それに従い生き延び、現在の地位まで上り詰めたようである。
だが統一を果たした後は、先の二等臣民の優遇等の措置に不満を露わにし、かの貴族社会による復権を目論み始めていた。デスラーに対しては、表面上はわざとらしくも担ぎ上げて、賞賛の言葉を贈ったりしているものの、内心では忠誠など無かった。あくまで貴族の台頭を測る為に一時的に身を寄せていたに過ぎないと考えられる。
貴族出身であるが為に、まるで絵に描いたような純血主義・差別主義者という性格の持ち主。オルタリアの反乱の際、惑星ジレル出身のミーゼラ・セレステラ相手に嫌味を言うなど現在のガミラス帝国政府が進める同化政策にも否定的な態度を見せている。その割に邸宅ではオルタリア人とガトランティス人(どちらも肌の色が異なる)を侍らせているのは何の冗談だろうか。元帥も相当冗談がお好きなようで・・・・・・。
元ネタは恐らく、ナチスの幹部にしてドイツ軍国家元帥でもあったヘルマン・ゲーリングと思われる。
人間関係
尊大な性格が災いしてか、友好的な関係の人間はいない。(だが彼に同調する者は多いようである)ガル・ディッツやエルク・ドメルを目の敵にしており、邪魔な存在であると目を付けていた。それはデスラーに対しても同様であり、いずれは自分こそが指導者になるべきだと確信を持っていた。
部下に「ゼルグートⅡ世」艦長のパシブ・バンデベル准将がいる。彼は完全に彼の下で動いており、最期まで上司の身を案じていた用である。一方で、媚を売ってきたグレムト・ゲールは、部下と言うよりも自分の都合の良い手駒という印象が強いと思われる。
軍事的能力
貴族としての影響力が多大なものである一方、軍事的能力は壊滅的なものであると言える。どうして国家元帥の地位に付けたのか不思議なくらいだが、やはり貴族特権等の影響が関与している可能性が高い。
彼の壊滅的な軍事手腕が明らかにされたのは、バラン星観艦式におけるヤマト乱入時のこと。数の優位を生かせる状況下にないにも関わらず攻撃命令だけを出して味方を困惑させた他、損害を気にする訳でもなくゴリ押しよりも酷い惨状でヤマトを撃滅しようとするなど、明確な指揮も執らなかった。ゲールの方が余程に有能であると思えるほどの落差であった言えよう。
経歴
デスラー総統暗殺未遂事件まで
ゼーリックは表面上は、デスラーを賞賛し担ぎ上げていた。その姿勢は建国祭にも強く表れており、「まさに偉業、まさに神の御業である!」と称賛している。だが、自分が推薦したゲールが、総統の立案した作戦を失敗した他、観衆の目の前で見苦しい失態を演じてしまったことから、立場の危うさを感じたようである。
そのため、ゼーリックはゲールの更迭を勧告し、それが嫌ならヤマトを撃破して見せるように脅した。が、結局は失敗を重ね、ゼーリックの言うとおりにゲールは更迭(地位の降格処分)されている。
また、ドメルの活躍ぶりが気に入らなかったゼーリックだったが、その鬱憤を晴らすべきチャンスが到来した。デスラーが秘密裏にバラン星の視察に行くと言うのである。さらに「ジレルの魔女」ことミーゼラ・セレステラもヤマトの鹵獲作戦でガミラスを離れていた。そこでゼーリックは、ドメル、ガル・ディッツ、そしてデスラーという邪魔な分子を排除すべく動き出す。デスラー座乗艦「デウスーラⅠ世」の機関部に細工を施し、自爆させるように仕組んでみせた。後は素知らぬ振りをして、いつもの様に会議へと顔を並べるのである。
作戦は成功した。「デウスーラⅠ世」はゲシュタムの門手前で謎の爆沈を遂げ、その訃報は帝国首脳部へと広がったのである。ドメルは暗殺疑惑を掛けられて死刑判決が下され、ガル・ディッツも拘禁されてしまった。この結果にはゼーリックは高笑いして喜び、このタイミングでバラン星観艦式を敢行。一大戦力約1万隻をバラン星に集結させた。
バラン星の遭遇戦、デスラーの生存
バラン星には1万隻に上るガミラス艦隊が集結し、バラン星周辺を隊列を組んで航行していた。その眺めは壮観と言えるもので、それを眺めるゼーリックは満悦しガミラスの力の象徴であると誇示している。そしてここで彼は、全軍に秘密事項とされているデスラーの死を、演説の際に述べるのである。
彼はデスラーの死を公表し、ワザとらしく涙を流すと言う演技振りを見せた。そして、その死を隠している政府高官を排除すべきである、と熱く語った。さらに自分こそが後を継ぐべき人間であるとして公言し、この場に集めた兵力を自分の指揮下に収めようと目論んだのである。もし成功すれば、1万隻の大艦隊に成す術は無かったであろうが、ここで乱入者が現れる。
ヤマトが突然、ゲートから飛び出し、1万隻の真っただ中を驀進すると同時にあらゆる方向に攻撃を開始した。元々は観艦式の為に隊列を組んでいたのであって、戦闘には不向きなガミラス艦隊は対応に苦心する事となる。
しかし、ゼーリックはヤマトの撃沈を命じただけで、明確な指示はしない。よって、ガミラス艦隊は自らの陣形で動きを取る事も出来ずに、無理やりな砲撃戦を展開する羽目になった。味方艦同士のビームが交差し、味方艦に当って撃沈するという惨状には、さしものゲールも驚愕して艦隊間隔を取ろうとしたものの、それを一喝されてひたすら数のごり押しを続けさせた。
被害は勿論甚大で、味方艦同士の誤射もかなり生じた。ヤマトがようやくバランに沈んだかと思いきや、今度は生きていたデスラーが通信回線に割り込んで登場。これにはゼーリックも焦りと動揺を隠せなかった。しかも、暗殺未遂事件の首謀者がゼーリック自身であったことが暴露され、もはや後戻りができない状態に追い込まれてしまう。
最後の最後まで見苦しく足掻き、自分の行動はガミラスの為を想ってのことだ、と叫んだが、そこでゲールに後ろから撃たれてしまった。
「愚かなりゲエエェル・・・・・・」
最期まで芝居がかったゼーリックであった。