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グレムト・ゲール

ぐれむとげーる

リメイク版「宇宙戦艦ヤマト2199」に登場した、ガミラス側のキャラクター。オリジナル版「宇宙戦艦ヤマト」のゲールをリメイクしたキャラクターでもある。
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俺はゲールだ! グレムト・ゲールだぞぉ!

声優:広瀬正志稲葉実(『スーパーロボット大戦V』での代役)


概要編集


宇宙戦艦ヤマト』に登場したゲールのリメイクキャラクター。リメイク版である『宇宙戦艦ヤマト2199』において、グレムト・ゲールというフルネームを与えられている。容貌はほぼオリジナルを踏襲しており、髪型・髭・曲がった口元など、ほぼ一貫している。ただし、キャラクター性は大きく変わっており、リメイク版のゲールにおいては中の人の演技によって多彩な表現力を有するキャラクターに仕上がっている。また、末路も異なっている。


 銀河方面作戦司令長官を務めており、銀河方面軍の攻略を担当している。後にヤマトに対する対策を怠り、デスラーから授けられた作戦に失敗し、自ら指揮を執るも失敗すると言う、失敗続きが重なった結果として、副司令官へ降格されている。副官としてイデル・モンクが付き従っており、毎度のことゲールに振り回されている。所謂ガミラスの苦労人である。


性格編集

 上司には媚び諂い、部下には横暴な態度を取るという、典型的な中間管理職の一面を持っている人物。作戦司令長官になれたのも、権力者であるヘルム・ゼーリックに取り入って貰ったためで、それ故にゼーリックに対して頭が上がらず、常に姿勢を低くして手もみをしながら媚び諂う姿勢が見られている(バラン星観艦式の時が典型例)。この事からガル・ディッツ提督からはゼーリックの腰巾着と揶揄され、忌避されているのが窺える。

 因みに小説版では、事前にクーデター計画を察知しており、それを総統府へ密告。その功績で覚えられ、銀河方面へ推挙されたとも説明されている。というよりも、強敵らしい知的生命体がいないため、この程度ならゲールでも問題ないだろう、という経緯で推挙されている。

 部下に対して横暴なのと同様、ザルツ人等の二等臣民に対してもかなりの上から目線で見ており、「劣等人種」と平気で暴言を吐いているシーンが見られる。同時に、二等臣民の乗る軍艦をも平気で撃沈させるなど、かなり卑劣な部分が見える。

 アベルト・デスラー総統への忠誠心は人一倍厚く、もはやデスラーを信仰の対象として見ているとも言える。その為、総統へ通信で報告したり話したりするときは、異様にテンションが上がっているのが分かる。彼自身は総統への忠誠心を最大限に見せているようだが、肝心の総統はゲールに期待するわけでもなく、寧ろ張り切り過ぎたその姿勢にうんざりしている

総統!御無事で!!(25話・ネタバレ注意)

 因みにゼーリックに対する忠誠心はゼロに等しく、あくまで権力欲として媚に諂っているに過ぎない。そのため、後々の総統暗殺未遂事件では、後押しして貰ってきた筈のゼーリックを撃ち殺す行動に出ている。このように、あくまでゲールの本当の尊敬すべき上司はデスラーただ一人である


軍人としての能力編集

 また、兵站を軽視するうえに、部下には無理を強いていたり、部下の功績を自分の物として報告し、自分の責任を現場の人間の責任とするなど、まるで「他人の功績は自分の物、自分の責任は他人の物」、というジャイアニズムに富んだ人物としても知れ渡っている。

 かのヴァルケ・シュルツの直接的な上官にあたるが、その彼からも日和見主義者と陰口を叩かれている。そのシュルツからヤマトがワープに成功したという報告も、「夢物語」として一喝してしまい、帝星司令部への報告をおろそかにしてしまった。

 艦隊指揮官としての能力は、可もなく不可もなくという程度で、一応は平均的なレベルであるとみられる。また撤退行動だけは素早く、味方艦に命令を出さずに自分だけが撤退している場面が確認できる。後のバラン星観艦式における大爆発時には、全軍に撤退命令を出して生還を果たしている(全軍への撤退命令を出すのは常識だが、この場合、あまりにも密集しすぎた陣形だった為に、単艦で逃げようとも周りが邪魔で離脱できなっかった、という意地の悪い解釈も出来る)。


オリジナルとの差異編集

 オリジナル版ゲールと比較した場合、リメイク版ゲールは目下に対する態度の大きさが大分大きくなっている。オリジナル版も横暴になったことはあれど、これはドメルのパワハラ的な態度(コレクションを叩き壊されたり、無能と遠回しに言われたり)に立腹した由縁である。リメイク版は予めその様な態度で接していた。同時に、目上に対する媚び諂う姿も、リメイク版の特徴の一つであり、オリジナル版ではあくまでも総統への忠誠から密告はしているのみであった。また身の保身を第一に考えるのもリメイクからである。

ゲールさん(もみ手)

 キャラクター性のものもも大きな変化を見せている。リメイク版では表情豊かになっており、総統を前にした時の高揚ぶり、部下に対しての横暴な態度、上司を前にした時の腰の低さ、余裕たっぷりの態度、焦った時の態度、等々、オリジナルよりも表現が多様化されている。

 また、彼の結末事態も大きく変更されており、七色星団で無理やり心中させられたオリジナル版と違い、リメイク版では物語の最期近くにまで登場し、デスラーの為に戦って敗れている。

 因みに、オリジナルとリメイクの双方で共通する点は、デスラーへの忠誠心であろう。


活動歴編集

司令長官時代編集

 ヤマトが出現し銀河系を出てくるまでの間、ゲールは銀河方面作戦司令長官としてバラン星に居座り続けた。そのヤマトが出現してからというもの、部下であるシュルツから重大な報告を受けるも、真面に受け止めずに夢物語として黙殺。変わってヤマトを沈めろと命令を出し、挙句には一等臣民になれるように進言してやる、と餌をチラつかせるなどした(本当に一等臣民にさせる気はあったのかは不明だが)。


グリーゼ581での失態編集

 シュルツが冥王星ことプラード前線基地及び艦隊をも失ってしまった後、ゲールはデスラーから授けられた作戦の実行責任者として任務に就く事となる。建国祭というめでたい日であり、しかも崇拝対象でもあるデスラーが立案した作戦を担当できるとして、ゲールは異様にテンションが高かった。その興奮ぶりは通信でも丸わかりで、デスラーでさえもうんざりしている。当人はデスラーから嫌われていることを微塵にも思っていない様子である。

 だが作戦は失敗、作戦の要であるガス生命体が恒星に飲み込まれて消滅してしまった。ゲールは直ぐに現場指揮官であるシュルツへと通信を繋げ罵倒した。すべてはお前の責任だと擦り付け、しまいには劣等人種と罵声を浴びせた。が、その途中でガンツが通信をぶつ切り、最期まで言えずじまいであった。

 この失態を逃れようと、総統に対して「これはあのシュルツめの失態で、その、私めは・・・」と言いかけて強制的に通信を遮断されるなど、これは推挙者であるゼーリックにも大きな恥をかかせる結果となった。


陣頭指揮に出る編集

 デスラーの作戦をしくじり、ゼーリックにも恥をかかせてしまったゲールに、ゼーリックは通信越しで更迭処分を言い渡した。すべての地位と功績(部下から奪い取ったもの)が無に帰すことを恐れたゲールは、汚名返上をすべくヤマト撃沈のために陣頭指揮を執るという行動に出た。

 しかし、調度この頃には友軍艦「EX178」ことメルトリア級航宙巡洋戦艦が行方不明となっていた。副官イデル・モンク中佐は、そのことをどうすべきかと判断を仰いだが、ゲールの頭には自身の身の安全や、地位の確保しかなかったために対応を先延ばした。この艦にはガル・ディッツ提督の娘メルダ・ディッツと、親衛隊将校であるパレン・ネルゲが乗っているのだが、そんなことは勿論頭に入ってない

 ヤマトの予想航路を見るや否や、彼は艦隊を率いてバラン鎮守府を出撃していった。


「私が陣頭指揮を執る、艦隊出撃ィー!!」


因みにゲールの率いる艦隊は、全て迷彩柄となっているのが特徴的である。彼自身の「ゲルガメッシュ」も、白と濃緑と緑といったカラーで迷彩されている。そして、この時は少なくとも10隻から20隻の規模(漫画版によれば旗艦を除き12隻)であった。いきなりの出撃命令であったのが原因なのか配下の全戦力を動員していたとは言い難いようで、後に30余隻の迷彩柄のガミラス艦が登場していることから、少なくとも本来50数隻は指揮下にあったと考えられるが、全貌は不明である。

 途中、ゲールは親衛隊将校のネルゲから、ヤマトの現在地を受け取って現場に急行した。その報告通り、ゲール艦隊は、次元断層を脱出したばかりのEX178とヤマトを発見。一時は、EX178艦長のヴァルス・ラング中佐に対して、射線軸から退けと命じる(この事から、一応は友軍を配慮している)。

 だが、ディッツ提督の娘がヤマトに乗っていると知るや、ゲールは態度を一変させた。

ゲール艦隊は躊躇なくEX178を砲撃、撃沈させてしまったのである。彼自身もディッツに対しては敵対者のような意識を持っていたのと、邪魔な親衛隊も始末できるためと考えたためである(なお親衛隊を始末できるのが好都合と考えているのは、漫画版にて確認できる)。

 その後はEX178の喪失をヤマトに押し付けるための口封じも兼ねて徹底して沈めようと猛撃を加えようとしたものの、砲撃の流れ弾によってタイミング悪く次元断層の境界面が不安定化、一時的に裂け目が広がり周囲の物を呑み込み始めたのである。

これに驚いたゲールは身の安全の為に逃亡を図る。副官は全艦への撤退命令を下すよう具申するが、間に合わないとみて

「死にたいのか貴様はぁ!?」

と情けなくも一喝、吸い込まれていく味方を置き去りにしてしまい結局は撃沈に失敗して艦隊も全滅と言う惨憺たる結果であった。


副司令官に降格編集

 立て続けに失敗により、遂に降格処分となったが寧ろ流刑地等の辺境へ送られなかっただけ大分マシと言えよう。降格になったと同時に、エルク・ドメルが司令長官となった。これに対して多少の不満はあったと考えられるが、小説版ではデスラー総統の命令なら仕方がないとも言いたげな様子であった。

 旧作のようにドメルからパワハラまがいの被害を被ることはなかったが、寧ろ部下であるフォムト・バーガーライル・ゲットーら幕僚団に軽んじられ、小馬鹿にされたりする場面が多少あった。しまいにはロクロック鳥の足場にされるなど、散々なものだった。


アケーリアス遺跡(漫画版)編集

 ミーゼラ・セレステラが遺跡に来訪した祭、漫画版ではまだドメルが着任する前であった。到着する祭に、セレステラに「総統からお借りした12隻もの艦艇、一斉に行方不目になるとは解せませんね」等と見透かされている様な口ぶりで釘を刺されてしまっている。

 その後の遺跡での一見で、帰還するセレステラを司令室から見送ったのは、ゲールと副官のモンク中佐であった。この2人で、TV版のやり取りを受け継いでおり、さらに漫画版独自の話も追加された。ゲールは「軍隊とはなんだ?」とモンク中佐に問いかけており、彼曰く「軍隊は役所であり、どれだけ上手くとりまわって昇進するかが大事である」という見解を見せていた。

 その直後、ドメルの着任が知らされてビックリ仰天するゲールであった。(カッコつけたところ台無しである)


カレル163の戦闘編集

 ドメルに引き攣られていく形で戦闘へ参加している。特に作戦に意見具申するわけでもなく、「飛んで火にいる夏の虫だぁ~!」と手をワキワキさせながら余裕を見せたり、ヤマトがドメラーズⅢ世に突っ込んでくる時は「か、回避ィ~!」と臆病になったりと、テンションの上げ下げで色々と忙しいものだった。ドメルと歩んできた兵士達にとっては日常茶飯事であって、やけに騒がしいゲールが異様に目立った。

 その後、本星からの緊急無線でドメルに水を差し、それがドメルへの帰還命令であると知るや否や、ゲールは下衆な顔を浮かべて彼の背中を見やっている。


バラン星観艦式編集

 ドメルが強制帰還させられた後は、一応の作戦司令長官代行として復権した模様。バラン星観艦式にて、来訪したゼーリックに対して何時もの媚び諂いを見せた。しかしこの時にはデスラー暗殺未遂事件があったとは全くもって知らされてはいなかった。それを演説で初めて知らされた時の動揺振りは、本当に暗殺を知っていなかったことが窺える。

 その後にヤマトが乱入、1万隻に上る大艦隊がたった1隻の突撃に混乱へと陥ってしまった。しかもゼーリックの無謀な命令で味方艦同士の同士討ちが多発。さしものゲールもビックリな命令で、直ぐに艦隊間隔を広げてからの迎撃態勢を取らせようとするが、ゼーリックのあまりにも酷い命令で無意味となる。小説版では、この行為に激しく怒り心頭で、「デスラー総統から預かった兵士」と考えている彼にとって、それを蔑ろにするゼーリックを内心で罵倒していた。

 結局は総統暗殺未遂の犯人がゼーリックであることが、生きていたデスラー自らによって暴露され、ゲールはデスラーの生存に歓喜しつつ、犯人と露見しなお悪あがきを続けるゼーリックを背後から射殺する。


「逆賊め!」


身の保身と、総統への忠誠心というものから、彼の行動は早かったようである。しかし、肝心のヤマトは健在で、しかもバラン星エネルギーコアも波動砲で崩壊、大爆発を引き起こすと知ったゲールは直ちに撤退命令を出した。

 指揮官としては至極真面な指示だったが、自分が逃げるには周りの艦がどかねばならないという事を考えていた可能性もある。結果として1万余りの艦隊は大損害を被ったが3000隻は何とか生き残った(余談であるが、7000隻が一気に消滅した可能性は低く、寧ろ元の配備先に戻った艦隊が大勢いるのでは、という見解が視聴者の中でもある)。


デスラーとの合流後編集

 ゲールは3000隻の残存艦隊(自称:ゲール無敵艦隊)を率いて本星に急行していたが、その途上でガル・ディッツ提督の召還命令が届いた。大半の約2900隻はそれに従って航行を続けたが、デスラーの信奉者であるゲールはそれを無視。デスラーが絶対であるとする彼と、30余隻の艦艇が付き従った(ゲールの人望あってなのか、それともデスラーへの絶対忠誠あってなのか、ともかく彼の性格を考えると、30隻もの艦艇が付き従ったのは意外であろう)。また「ゼルグートⅡ世」(ゼーリック艦)艦長・バシブ・バンデベル准将も20隻余りを率いて宇宙をさまよっていたが、被害を免れた艦隊からいつ離脱したのかは不明である。

 そこで念願のデスラーと合流でき、その喜びぶりは涙を流すなど尋常なものではなかった。通信を聞いていたヴェルテ・タランも呆れて途中で切ってしまうほど。とはいえ、デスラーと一緒ならどこまでもついていくと言わんばかりの様子だった。


バラン星での最期編集

 デスラーはヤマトを鹵獲するため、亜空間内での作戦を立てる。しかしゲートは使用できない。そこでゲール艦隊の大半を、ゲートエネルギー確保のために回され、辛うじて稼働している。(20数隻が直列配置でエネルギーケーブルをつなぎ合わせる姿は、少し滑稽でもある)

 大量のデブリ(破片群など)が漂うバラン星周辺にて、ゲールは数隻の艦艇で待ち伏せヤマトを背後から追い立てた。艦橋で、いつの間にやら持っている指揮棒で、さも偉そうに指揮を執るゲールは作戦通りだと思った矢先、それは訪れた。

 ディッツ提督が放った猟犬ことヴォルフ・フラーケン中佐指揮する次元潜航艦UX01が、先行艦のケルカピア級2隻を魚雷で葬ったのである。そしてフラーケンは、堂々とセイルの上で仁王立ちになってこう言った。


「ゲール閣下には逮捕命令が出ております・・・・・・軍事法廷がアンタを待ってるよ」


 ゲールは唖然としたが、直ぐにUX-01共々沈めようと攻撃を再開した。だがデブリの多さから射撃制度は低いようで、UX-01を撃沈する事叶わずして再び次元の海に潜り込まれてしまった。せっかくのチャンスを無駄にしてしまったゲールは、卑怯者めとフラーケンを罵った。が、UX-01の副長ゴル・ハイニ「アイツにだけには言われたくないっつーの」と言い、フラーケンも「全くだ」と同調した。この事から、やはりゲールの悪名は轟いている模様である。

 立ち往生しているゲール艦隊をしり目に、フラーケンはトドメと言わんばかりに魚雷2発を発射。その魚雷が差し迫る中、ゲールは最期の足掻きとも言わんばかりに叫んだ。


俺はゲールだ、グレムト・ゲールだぞぉ!!


直後、「ゲルガメッシュ」は機関部あたりに直撃を許したようで、たった二撃で大破した。明確な死亡描写はなされていないが、生きていても軍法会議に掛けられることは間違いないだろう。



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宇宙戦艦ヤマト2199 ガミラス

アベルト・デスラー

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