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ハイドム・ギムレー

はいどむぎむれー

リメイクアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』に登場する、ガミラス側の新規キャラクターの1人。『2199』ではオリジナルでは名前だけだった親衛隊を本格的に登場させており、その長たる親衛隊長官を務めている。『2202』にも登場した。
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「さぁ、殲滅のメロディーを!!!」

CV:森田順平

概要


 ガミラス帝星、及び帝都バレラスを中心に内政面での抑止力を司る親衛隊の長官(元ネタはナチス親衛隊の指導者であるハインリヒ・ヒムラーであると思われるが、その冷酷さなどは同じくナチス親衛隊の一員で「金髪の野獣」と呼ばれた事実上の親衛隊ナンバー2であるラインハルト・ハイドリヒを思わせる)。容貌は、白銀のオールバックの前髪を一部垂らした髪型と、他者を小馬鹿にするような細目が特徴的。

 制服は灰色の将官服を着用しており、マントも灰色であるなど、軍人とは違うことを露わにしている。また親衛隊の拡充を彼一代でやってのけた実績を有しており、同時に親衛隊が国軍にとって代わりうる存在になろうと、虎視眈々とその機会を狙っている。

 また。ガミラスに恭順を示した者には二等臣民としての権利を与えることが帝国の繁栄に繋がっている、というヴェルテ・タランの主張にガル・ディッツは深く頷いていたのに対し、彼は小バカにしたように笑っていた。


性格

 「疑わしきは罰せよ」「本質は秩序」などをモットーとして、疑いの掛った人間は徹底して摘発や逮捕、弾圧、さらには民族の殲滅をも平然として命令し行う冷酷面が際立っている。慈悲や同情と言った感情の持ち合わせは一切ない。

 同時に劇中では慌てたことが一切なく、どんな時ものらりくらりとした余裕の態度でいる。そういった態度や、弾圧や殲滅を平気で行う姿勢も相まって、周りからは忌避や怒りを買うこともしばしばである。エルク・ドメルの国葬時も、欠席していたヴェルテ・タランに対して、平然として「それはそれは・・・・・・ご親友だったのに残念ですね」と言い放ち、弟のガデル・タランの忌避を買っている。

 また口調は慇懃無礼な敬語が主であるが、時々オネエ言葉が見える事もある。オルタリア殲滅の祭には、総督リベル・ドロッペを相手に「逃げ出してきたのね」と言い放ち、その後のヘルム・ゼーリック国家元帥の観艦式についてミーゼラ・セレステラと話しているときにも「まるで王様にでもなったつもりみたい」等と発言している。


親衛隊の拡充

 親衛隊は大ガミラス帝星建国時に創設された組織である。それをギムレーが長官として就任して以来、彼の指導の下で親衛隊は軍備の拡張を促進。果てには独自の航宙艦隊<航宙親衛艦隊>が編制されるほどに至り、その実態は軍隊とは何ら変わらぬ規模(準軍事組織)にまで膨れ上がっていった。


航宙親衛艦隊

 ガミラス軍の中で、ギムレー直属の親衛隊によって運用される艦隊であるが、その規模たるや軽く100隻を凌駕するとみられる。とても親衛隊とは思えぬ装備であり、かつて冥王星に駐留していたヴァルケ・シュルツ率いるザルツ旅団の艦隊戦力に匹敵、またはそれを凌駕する程と言えるだろう。何せ戦闘艦のみならず、ポルメリア級強襲母艦を数十隻も有している時点で、ザルツ旅団のそれを越している。

 さらに親衛隊は思想・能力ともに優れた人材から選び生成したクローン士官・兵士だけでほぼ構成されており、実質上彼等によって艦隊全体が運用されている。艦隊の構成は、ガミラス軍の艦艇を青に塗装したもので、主にバレラスの本土防衛を担っている。性能に関して通常艦との差異があるかは不明である。

 また、総統座乗艦であるデウスーラも運用している。


・艦隊構成

旗艦…ハイゼラード級航宙戦艦『キルメナイム』

メルトリア級航宙巡洋戦艦

デストリア級航宙重巡洋艦

ケルカピア級航宙高速巡洋艦

クリピテラ級航宙駆逐艦

ポルメリア級強襲航宙母艦


 同時にギムレーは、親衛隊が国軍としての地位を奪う機会を狙っており、ゼーリックによるデスラー暗殺未遂事件後には本土防衛艦隊に対しては実権を握っている模様。ただし、バラン星で主力の航宙艦隊全てが置き去りにされてしまい、閣議の最中では残っているのが親衛隊の艦隊のみ、ということから「本土防衛艦隊=親衛隊」という事なのか、或いは「中央軍だった艦隊」のことなのか詳細が明確ではない(ちなみに史実のハインリヒ・ヒムラーは、1944年7月20日のヒトラー暗殺未遂事件後、国内予備軍司令官に任命されている)。

 ヤマトによるバラン星崩壊に伴ってガミラス帝星ががら空きになった時も親衛隊が国軍に代わって防衛に当たると発言し、他の閣僚から白い目を向けられていた。


秘密警察の暗躍

 親衛隊長官としてだけではなく、他にも秘密警察を有しており、デスラーからは国内の反乱分子の摘発において全権を任されている。しかしその方針は、「国家の秩序を守る為、疑わしきは罰せよ」という言葉通り、嫌疑がかかった者は誰彼かまわず拘束する強引なもの。

 こどもや女であろうとも、反乱分子の疑惑が掛れば纏めて拘束してしまい、その一部始終を捉えたガル・ディッツやヴェルテ・タラン、エルク・ドメルからは露骨な反感を買っている。疑惑の掛った相手が英雄たるドメルの妻エリーサ・ドメルであろうとも容赦なく逮捕しており、そのまま収容所惑星へと送り込んでいる。


クローン兵士の推進

 小説版では、クローニング技術による兵士の育成、拡充を推し進めたのはギムレーであるとされたいる。当初はその提案に波紋が広がったものだが、急速に拡大する領土の維持の為には人員が足りない事も事実であったことから、止む無く了承されたと言う。

 さらにクローニングされるサンプルは、ガミラスの思想に色濃く浸透した者、かつ身体的・能力的にも優秀な者をとされ、クローニング兵士達をより完璧な国家の兵士として育て上げることに尽力した。結果としてそれらは親衛隊の忠実な兵士として育て上げられ、現在に至る。


人間関係

 良好的な人間はまず皆無と言って良い。仕事柄でデスラーの基へ一緒に向かうことのあるセレステラがいるが、彼女に対しては「魔女」と露骨にジレルの魔女として軽蔑の目を向けている模様。

星を牛耳る狐達 壁に耳あり障子に目あり

 ドメルに対しては、ゼーリックの画策によって、バランへ視察に向かっていたデスラーの座乗艦デウスーラが爆破された時、ギムレーはレドフ・ヒスと共に容疑者として、ドメルとディッツを拘束し犯人であると告発した。

 最終的にデスラーの死は見せ掛けで、真犯人であるゼーリックが粛清されてドメルの嫌疑は晴れたが、帰還したデスラーが直々にドメルに謝罪していたのに対してギムレーは何1つ言う事は無かった。そればかりか、バレラスに残った艦隊の大半が航宙親衛隊の傘下にあるため、再びヤマトへの攻撃を命じられたドメルには満足な戦力、兵員をも支給させなかった。

 デスラーに対しては忠誠を尽くしている模様だが、本心が何処にあるのかは掴みがたい。

経歴(2199)

オルタリア殲滅作戦

 惑星オルタリアで原住民が反乱を起こした際には、航宙親衛艦隊を率いてギムレー自身も参戦した。オルタリアを任されていた総督のリベル・ドロッペから、ギムレーに対して一等臣の移住者たちを救助及び保護して欲しい旨を伝えられたが、ギムレーは「この星は焼き付くしましょう」と言い放ってドロッペを愕然とさせた。

 さらには続けて、


「帝国と総統に叛旗を翻す星は、大ガミラスの版図に存在してはなりません。反乱を押さえ切れなかったことで総統への忠誠に欠いた貴方もですよ、総督・・・・・・」


と言い放って、クローン兵士にその場で射殺させてしまったのである。

 それ以降、「さぁ、殲滅のメロディーを!」の号令の基、オルタリアに対して無差別攻撃を加えた。これにより先住民を逃げ遅れた移民団もろともに焼き尽くしていった。尋常ならざる虐殺行為で、惑星間弾道弾ミサイルを10発以上も撃ち込み、ポルメリア級航宙強襲母艦らによる艦砲射撃、さらには艦載機メランカによる爆撃直接銃撃、と情け容赦のない徹底した殲滅を行った。

 この行動はバレラスにいた穏健派の高官達をも絶句させ、閣議の時にもガデル・タランは「親衛隊はやり過ぎだ!」とあからさまな抗議をしている。但しセレステラは「帝国内の結束を保つためには恐怖は必要」と彼の行動を黙認するような言動を見せている。


ゼーリックへの監視

 セレステラと共に、ゼーリックのバラン星視察ならびに観艦式が不穏な動きのものであると確認しあい、彼女と共に連携した動きを見せる一面があった。その際、「忠誠こそ、我が命」と言い放っている。


ドメルの拘束

 デスラー暗殺事件に伴い、ヒス副総統共にドメルを軍事法廷にかけると、暗殺首謀者としてでっち上げてしまった。彼のモットーである「疑わしきは罰せよ」によって、反論の余地を与えずに死刑判決に持ち込んでしまったのである。

 しかし、後にデスラーの生存が確認され、ドメルの容疑も晴れたものの、謝罪する姿勢一つ見せる事は無かった。あるいはセレステラ同様にデスラーの生存を始めから知っており、誤認逮捕も計画の内としてあったのかもしれない。


本土防衛戦

 ガミラスの主力(基幹)艦隊3000隻が2ヶ月あまりの距離にあって、本土防衛出来る戦力は親衛隊によって構成された航宙艦隊のみであった。意気揚々と、本土防衛は任せなさいと言わんばかりのギムレーであったが、実際にヤマトを迎撃した・・・・・・のは形だけであった。

 航宙親衛艦隊は、ガミラス帝星の手前に待ち構えていたのではなく、機動都市第二バレラスの手前に展開して待ち構えており、この時点からしてギムレーが本土を護る気がないのが窺える。


 手始めに、ポルメリア級3隻で編成された前衛部隊で航空機による攻撃を試みる。ヤマトは航空隊に迎撃を委ねて、単艦で本土へ直進していく。ポルメリア級3隻は、メランカによる攻撃を実施するも、コスモゼロやコスモファルコンら航空隊の前に、艦載機を落とされた挙句に母艦自体も被弾してしまう(この後に明確な撃沈の描写はない)。

 だが、空母の損害に気を留める事もなく、ヤマトが本土へ直進していく様子を眺めるギムレーは、腕を組みながら平然と言い放った。


「守るべきは新しき都(第二バレラスのこと)・・・・・・しかし、ポーズは付けなくてはね」


 ここで追撃部隊としてメルトリア級、デストリア級、ケルカピア級ら数隻を差し向けた。しかも、平然として都市内部で砲撃戦と展開した。が、至近距離における砲撃戦は数分も持たず、貫通して真っ二つになるメルトリア級や、副砲で操舵不能になりビルに突っ込むケルカピア級が続出。中には身を挺してヤマトに立ちはだかったデストリア級がいたが、ヤマトのアルカディア号並みの体当たりには敵わなかった。


 その後、ヤマトが総統府に突入したのを入れ替わりに、離脱したデウスーラを収容した第二バレラス。ギムレーも、後はヤマトが旧帝都と共に消え去るのを待つばかり・・・・・・かと思われた。しかし、デウスーラに乗ったままだった2人(森雪と、ノラン)の活躍によって、状況は一遍した。デスラー砲がノランの身を捨てた行動によって暴走、第二バレラスは暴走した波動エネルギーの放射によって大爆発した。


 その際、不幸にも第二バレラス周辺を護っていた航宙親衛艦隊は、膨大なエネルギー波と爆炎の嵐によって、多くの艦艇(30隻以上の親衛艦隊が2202にて登場している)が呑み込まれてしまったのである。勿論、その中にはギムレー座乗のキルメナイムも含まれていた。

 爆炎が迫る中で、彼は慌てる事もなく、怯える事もなく、いつもの様にただ平然としていた。そして、乗艦が爆炎に巻き込まれる直前に、彼は自嘲気味にこう言った。


「なるほど、これが死か」


 多くの人間を粛清してきた人間としては、あっさりとした最期であった。だが、こういった死ぬ間際の動作が、逆に彼のキャラクターとしての印象を強めているとも言えるかもしれない。


経歴(2202)

第五章(ネタバレ)
























「ガミラスの未来を救うには独裁体制による強権発動あるのみ」

美容を気にするギムレー長官

 第二バレラスの爆破に巻き込まれて死亡していたかに見えたが、実は密かに生き延びていた。その代りに、右目を失う大けがを負っており、額から頬にかけて大きな一本の傷跡が残っている(傷を縫った影響か、右口元が若干吊り上っている)。

 デスラー体制派の指導者として暗躍し、3年間もの間、姿を見せずにデスラー体制派を纏め挙げていた。その手腕は確かなもので、何処に隠していたのかという程の膨大な艦隊を温存していた。ちなみに彼の同志として、ネルン・キーリング参謀総長、ローグ・モラム法務相、トール・トード労働相、メドム・ナーキン財務相、ヒドレ・ザルメ支配統治相と、割と結構な人数の高官が確認できる(2202時代も現役なのかは不明だが)。

 当所、ランハルト・デスラーことクラウス・キーマンをデスラー体制派の筆頭として立ち上げ、民主派を転覆させようと目論んでいた。ところが、死亡していたと思っていたアベルト・デスラーが生存していた事から、彼を再び指導者として迎え入れる事をデスラー自身に提案し、クーデターの準備に取り掛かっていた。


 なお、ギムレーは『2199』で狂信的なデスラー支持派を演じていたが、それもガミラス星の秘密を知っていたが故の強権体制推進だった。加えて、バレラスタワーがイスカンダル奪取の為に、軍部の思惑で勝手に建設された巨大兵器だとも知っていた。

 だからこそ、そのバレラスタワーの中核システムであるデウスーラを、ヤマト襲来を利用して切り離し、第二バレラスをデスラーの思惑を裏切った官僚達諸共帝都に破壊しようと落下させた、止む無き行為だったと理解していた。

 ところが、諜報工作員だったキーマンの手によって、ギムレー生存が暴露され、ローレン・バレル大使指揮の下、警察に身柄を拘束されてしまう事態となった。その際、「デスラー体制にしか未来はない」「このままではガミラスは滅ぶ」と嘆いている。


 ちなみに『2199』時にはデスラーから呼び捨てにされていたが、本作では君付けになっている。脚本担当の福井晴敏曰く「(2202の)デスラーは信用していない相手には君付けする」とキャラ付けしているとのこと。どうやらギムレーはデスラーの中で信用できない男に格下げされてしまったらしい。


 なお、続編の『宇宙戦艦ヤマト2205』では、移住先の確保によりガミラスの移民計画が本格始動することになったが、星の寿命がまだ分かりやすく表面化していなかったため、実感のない国民の多くは移民を拒んでしまった(そしてモタモタしている間に…)。強権を発動できない民主政府では強引に事を進めることはできず、危機感を煽るために星の状態を公表しようとしてもパニックを恐れた閣僚が反対するなど、民主制の悪い面が出てしまっており、ギムレーの懸念はある意味当たっていたといえよう。


余談

 劇中での彼の顛末は、いかにもこれから暗躍していきますという風に再登場したにもかかわらず、次話であっさり逮捕されるという肩透かしもいいところな展開になっている。というか首魁が誰か判明したからと言って、それまで死亡扱いになっており現在も雲隠れしている相手をそんな簡単に捕まえられるだろうかという疑問も。

 そもそも「死んだと思っていたキャラが実は生きていた」というネタ自体デスラーと被っており、ここら辺は色々とお粗末さを感じさせる。


 こうなったのは実は制作途中でデスラー派の首魁の正体を変更するという出来事があったため。


 当初の予定ではデスラー派の首魁はギムレーではなく、なんとレドフ・ヒスだった。最初こそ民主化を推し進めていたが、ある時ガミラス星の寿命問題を知り、民主制に限界を感じてしまったため、強権を背景に物事を迅速に進められる独裁体制への復古に思い至ったとのこと。

 このことは物語序盤で示唆されており、第2話等でバレル達がガミラス本国の動きを警戒しているほか、BD第1巻Amazon特典のドラマCDではキーマンが「我々はガミラス本国にも明かせぬ事情を抱えている」と述べている。これらの描写は本国政府の中枢に敵が紛れ込んでいる懸念があってのことだったと思われる。

 表舞台に立っている人間なので正体さえ分かればすぐに逮捕できるし、キャラの復活劇なんてものも当然存在していない。ガミラス側のゴタゴタ話は、キーマンが民主派のスパイだったという答え合わせを以てエピローグだったのである。


 しかし、ヒスが黒幕というのはあまりにも彼が悪党過ぎるという判断が下り、没にされる(最初に気づくべきだと言いたいが)。だが、ヒス以外の残っているキャラと言えば、どう考えてもデスラー派にはなりえないディッツ提督やモブキャラでしかないためインパクトに欠けるキーリング参謀総長などといった、彼以上にデスラー派の首魁としては使い辛いキャラばかり。というわけでギムレーに白羽の矢が当てられ復活してもらったというわけである。

 もちろん急な変更のため展開自体の修正などできるはずもなく、ヒスの役割をギムレーにほぼそのまま充てただけなので、上記の通り拍子抜けするオチとなってしまった。

 もっとも当初の予定通りヒスでやっていたとしても、それはそれで『2199』時代の彼の人物像(卑屈ではあるが根は善人・お飾り呼ばわれされているがやる時はやる男)を台無しにする話なので非難の的になっていただろうが……


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宇宙戦艦ヤマト2199 宇宙戦艦ヤマト2202 ガミラス アベルト・デスラー

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