概要
『宇宙戦艦ヤマト2199』並びに劇場版『星巡る方舟』に登場した種族の1つである。ジレル人に共通している容貌は、薄い灰色の肌、白銀か薄い灰色の髪の毛、尖ったエルフ耳、身体にある特殊な模様、である。ジレルの人々は、程度に個人差はあるものの生まれながらにして特殊な能力を備えており、人の心内を読むことが出来、テレパシーによって脳内へ直接語りかけ、幻視によって人に幻覚を見せて惑わせたりすることが出来る。
しかし、心を読み解くことが出来るジレル人の能力を忌み嫌う他種族の迫害や弾圧が相当にあったらしく、相当数のジレル人が命を落としてしまった模様。故郷も既に滅びてしまっており、絶滅しかけている種族でもある。なお、この事に関して劇場版では、ガミラスで絵本として知れ渡っているようで(変装したレーレライが語っていた話であるが)、それだけジレル人への迫害が凄まじい事を想像させる。
また、TV版で登場してきたときには、ミーゼラ・セレステラ、ミレーネル・リンケの2人のみであることが説明されたが、後の劇場版ではレーレライ・レールを始めとした、巡礼地シャンブロウに来て生き延びた複数の生き残りがいたことが判明している。
宇宙戦艦ヤマト2199
セレステラとミレーネルは、幼いころに迫害を受けて惑星レプタポーダに収監されていた。それをアベルト・デスラーが救いだし、後にガミラス陣営の官僚として、または情報部の人間として活動をする事となる。なお、この2人はどういう経緯でレプタポーダへ収監されたのかは不明であり、同時に惑星シャンブロウの事は知り得ていなかった。
成長したセレステラは、情報宣伝相としてデスラーを補佐し、もう1人のミレーネルはセレステラ直属の部下として情報部特務官(中尉)の任についていた。しかし、ヤマトの情報を得ようとしてアケーリアス遺跡を使った幻視術を試みるも、意外な反撃にあってミレーネルは精神体が消滅してしまい死亡。
最後の1人(と思われていたが)になったセレステラも、ガミラス本星での決戦でデスラーに見捨てられたことを受け入れられず、デスラーのいない政権に身を置くことが出来ずに単身で脱出した。その先でヤマトに保護され、雪と再会するが、デスラーが襲撃してきた際に、彼が生きていると知って喜んだセレステラは、誤って精神感応波を発してしまい、それに驚いたデスラーに誤射された。
まだ息はあったが、デスラーの暴走を食い止めるべく銃を使って発砲。その後心中するつもりだったが、その前に射殺されてしまった。
星巡る方舟
こちらでは、レーレライを筆頭とするジレルの生き残りたちが、惑星(巨大な恒星間宇宙船)シャンブロウに来ていた事で迫害を逃れて生き残っていた。レーレライは、ジレル人の中でも強い幻視能力を持つ女性で、巫女として、または生き残りのリーダーとして、シャンブロウを守り続けている。
ボイド空間に封じ込めることで、外部との接触を絶っていたが、何処から嗅ぎ付けたのかガトランティスがやって来ては侵略しようとした。それをレーレライが、幻視能力で幻覚を見せて仲間割れを誘発し、撃退してきたのである。
後に迷い込んできたガミラスのフォムト・バーガーや、地球の古代進らを同士討ちさせようとしたものの失敗。しかし、共に生き抜こうとする古代の姿勢に納得し、シャンブロウを起動させて途方もない旅を始める事となった。
余談
ジレルという名称はC・L・ムーア「暗黒神のくちづけ」のヒロイン処女戦士ジレルに由来するものと思われる。なお、ムーアの代表作ノースウェスト・スミス・シリーズに登場する魅惑的なベムがシャンブロウである。
ジレルの故郷が滅びた理由は明言されていないが、実は当初の設定だとデスラーの策略によって滅びたという設定になっていた。デスラーはジレル人を「心を読める危険な化け物」としか認識しておらず、セレステラ達を救ったのも単に能力を利用するためだった。
この設定は第25話で明かされる予定で、脚本決定稿段階まで残っていたのだが、最終的には没になった。