この銃(PM:Pistolet Makarova, ロシア語: Пистолет Макарова)はTT-33(マカロフ)拳銃の後継として、ワルサーのワルサーPPに大きな影響を受け設計された。
特徴
作動方式は単純なストレート・ブローバック(燃焼ガスの圧力で後退する薬莢の運動を利用した、自動装填式銃器の作動方式)であり、のちの強装弾発射改良で薬室リング遅延式を採用している。
撃発方式はダブルアクション(引き金を引くと撃鉄が持ち上がりそのまま弾丸が発射される)とシングルアクション(撃鉄を引き上げてから引き金を引き弾丸を発射する)両方可能(ちなみにとカレルはシングルアクションのみ)。また、安全装置が装着された。また、遊底止めがある。装弾数は8発+1発である。
使用弾丸はワルサーPPで使用された9mmウルトラ弾をアレンジした9x18mmマカロフ弾を使用する。この弾薬を強装化したマカロフPMM弾が存在するが、この銃弾は近代化改修モデル(PMM)でのみ使用すること。
全般的に元となったワルサーPPよりも簡略化されている。
利用
この拳銃はソビエト連邦においては1951年に制式採用され、トカレフと置き換わる形で配備され、ロシア連邦軍においてはMP-443 グラッチに変更され、退役したものの、ロシアのほかの軍隊では現役である。
また、ソ連の衛星国などでも利用されたと推測される。
しかし、それまで軍用拳銃としてトカレフ(およびそのコピー)を利用していた中華人民共和国では、この銃のコピーである59式拳銃を作成したものの、軍用でサブマシンガンを用いていた(ちなみにソ連はその用途をAK-47などのアサルトライフルで補っていた)関係上、弾薬供給の関係上一部のみの利用にとどまったとされる。
また、日本においてはロシアの治安悪化に伴い、この銃が密輸され、それまでおもに中国などから輸入され多用されていたTT-33に変わり犯罪での利用件数や押収数が増えているとされる。