概要
ヴァース帝国火星騎士37家門が一人、ザーツバルムの保有するカタフラクト。
本体となる有人機、腕部・脚部となる二種類の無人カタフラクト、胸部と脚部接地部分(所謂下駄)を構成する飛行ユニットの合計6機のメカニックが合体する事で完成する大型カタフラクトである(ちなみに設定上は全てのパーツに人型形態が存在している)。
合体状態では飛行形態への変形機構を有し、更に単独での大気圏突入及び離脱も可能。
その全長はスレイプニールやアレイオンの倍に達し、その巨体を駆動させる為に複数のアルドノアドライブを搭載している。
これは通常であれば1機につき1種類が基本となるアルドノア能力とそれを応用した武装を複数使用できるという利点を持つ。
また、分離形態であっても各々の機体がアルドノアを搭載している事もあり、戦闘能力も地球連合軍のそれと比較して高く、分離した各機を広域に展開する事で戦略的な視点で運用する事も可能となっている。
可変機構によって飛行能力に長けていた事から15年前の火星・地球間の戦争に於いて先兵としてデューカリオンと共に種子島へ降下し、共同で運用された。その為、伯爵機としては唯一過去に於ける地上運用実績を持つ機体であると言える。
武装としてニロケラスの次元バリア、アルギュレのビームサーベル、ヘラスのロケットパンチと単分子化能力などを保有しており、これを駆使する事で圧倒的とも言える戦闘能力を発揮する(なお、ロケットパンチに関しては腕部機体を分離させ飛翔・遠隔操作している。加えてビームサーベルは腕部から直接発生させる方式となっている)。
また、ビームサーベルは分離状態であっても腕部相当の機体が単独で使用可能。本体となる機体はオプションとして肩部にミサイルランチャーを装備する。
しかし、アルドノア能力の相性の観点(ロケットパンチ使用時に運動エネルギーが相殺される事から次元バリアが使用できない等)から、複数の能力を同時に行使する事が出来ないという欠点を有し、合体状態では揚陸城内など閉所で運用するには機体サイズが大きすぎる為、動作が大きく制限される。
またアルドノア能力の欠点も他の機体と同様であるため、次元バリアは能力の切り替え時にバリアの穴が露呈し、ロケットパンチは接近戦時に使用すると単分子化できない腕の接合部ががら空きになってしまうなど、複合機として運用の幅が広がったが故の新たな欠点も抱えてしまっている。更に本体にはこれと言って特殊な武装も能力もなく、合体しているパーツが剥がされれば戦力も低下するのも弱点となっている。
この事から有効な運用には相応の技量と戦術眼を必要とされる。
なお、この機体の本来の固有能力は他のアルドノアドライブの制御、正確には制御信号を搭乗者に制御可能な形に翻訳する能力であり、地球軍の暗号通信を容易く傍受していたのもその能力の片鱗である。
その翻訳能力で火星のアルドノア研究の躍進に多大な貢献をした機体で、現在実用化されているアルドノア能力の大半はこの機体でテストされている。合体能力も本来は外部のアルドノア搭載機関を制御実験する為の接続機構である。
その建造時期はきわめて古く、またドライブ保全の為に耐久力と機動力、修理のし易さを追求して開発された(コアの武装が貧弱なのはこのため)物の、制御どころかどんな能力かすら使ってみるまで分からない古代文明の遺産のテストなどを行えばどうなるかは考えるまでもなく、破損の度に修復と改修を重ねていった結果本来のパーツは殆ど残っていない。