ピクシブ百科事典は2023年6月13日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

飢えた狼の編集履歴

2015-01-25 14:23:25 バージョン

飢えた狼

うえたおおかみ

帝国海軍の重巡洋艦・妙高型三番艦「足柄」の二つ名。

概要

重巡洋艦足柄は、1937年に英国国王ジョージ6世戴冠記念観艦式に招待され、現地で「飢えた狼」の二つ名を頂戴した。

あるイギリス人記者からは「今日私は初めて軍艦を見た。今まで私が見てきたのは客船だった」とも評された。“戦闘能力偏重で居住性の欠片も無い無骨一辺倒の艦”であることを、英国流に皮肉ったものといわれている。


が、これには更なる誤解がある。

つまり、イギリス海軍と日本海軍の目的の違いである。

そもそも日本は第一次世界大戦まで、朝鮮・台湾のような本国に近いところにしか海外領土を持っていなかった。第一次大戦後旧ドイツ領のミクロネシアを受け継ぐがそれでも太平洋全体からすれば日本の目と鼻の先である。

つまり大日本帝国海軍基本的には近海防衛型の海軍だったのだ。現在の海上自衛隊に近い性格なのである。

ではなぜ高い外洋航行能力が求められたのかというと日本海に接続する海域が時化やすいため、凌波性を求めたからで、長い航続力はそもそもはその余禄だった。

つまり日本の軍艦設計では長期航海はある程度割り切ってよく排水量が制限されれば真っ先に削るのは当たり前の要素だったのだ。決して言われるように人間的な配慮の欠如によるものではない(そう見えてしまうのは条約も何にもない戦後の自衛隊と比べてしまうから)。

問題はこの前提が運用者である連合艦隊の首脳陣のアタマからすっぽ抜けてたことなのだが……


対するロイヤルネイビーは当時「日の沈まぬ大英帝国」と厨二病全開で自称していたとおり、世界各地に植民地・租借地を持ち、それらを防衛したり、また現地人にその威容を見せ付けて支配を磐石にする必要もあった。このため当然、イギリス海軍の軍艦は長距離航海が必須の条件になり、多少火力の不満足に目を瞑っても居住性と航続力を確保する必要があった。そして隔絶された環境で乗組員の不満が爆発して艦の運命を脅かすような叛乱も度々起こっていたという事情もあった。


この逸話は要するに、お互いの立ち位置を考えずにつぶやいた素人の言葉なのである。


ちなみにフランスの作家ジャン・コクトーが足柄の機能美を褒めているが、フランス海軍もアメリカ海軍も居住性は悪かった。当時軍艦の居住性に配慮していたのはイギリスくらいのものである。


また、この言葉とは関係ないが重巡洋艦の居住性は新造される度に向上を続けており、足柄はまだその途上の一つである。最上型クラスまでくるとかなり改善されていた。


だいたいが、イギリスもイギリスで戦闘能力があるのか甚だ疑問が残るものばかり造ってるわけなのだが……


ちなみに諸悪の根源は、ハード面では勿論この御仁であるが、運用面ではなぜか失言が多いにもかかわらずあんまり悪く言われることのないこの方だったりする。


関連タグ

日本海軍 重巡洋艦 足柄(重巡洋艦)

足柄:このタグの大半は彼女(とその姉妹)で占められている。改二になってからは特に顕著。

熟れた狼:上記のちょっとした応用。

アシガラ武闘派粗忽者。40っゴボガボコボボボボボオ!!!

青葉(重巡洋艦):こちらは戦歴から「ソロモンの狼」の異名を付けられている。

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました