概要
イラクとシリアで主に活動する、イスラム教スンニ派の過激派組織。
2000年>前後に前身の組織が出来ていたと思われているがこの名になったのは2006年である。
最高指導者はアブー・バクル・アル=バグダーディーと言われている。
イラクやシリアの不安定さなどに乗じて勢力を拡大し、残虐なテロ行為などで世界にその名を知られることになった。
独立国として2014年に名乗りをあげているが他国からは国家として認められていない。
特徴
これまでのイスラム過激派組織と一線を引くスタイルとして、
- 製油所などを抑え、石油の闇売買などでかなり潤沢な資金を持つ
- Youtubeなどネットで積極的に宣伝し、外国からも構成員を多数採用
- 人質に対する極めて残虐な仕打ち
などがある。動画配信では子供達への配給など福祉に力を入れるイメージを打ち出す一方で、捕虜とした外国人の残酷な拷問や処刑の動画を公開したりしている。こうした事情から、関連動画や画像を検索する際にはグロ耐性の無い方は気をつけることをおすすめする。
組織の要職に元政治家や行政に携わった人物が多数いる(主にイラクの旧フセイン政権の残党)ことから、組織構成がかなり洗練されているのも特徴。
資金源
先述しているが支配地域に豊富な油田を抱えており、それらの闇売買でかなりの収益を上げている他、商人や農民からの寄付、公共交通機関からの手数料の徴収、支配地域にとどまることを選んだキリスト教徒からの安全保障料の徴収などを主たる資金源としており、1日200万ドル以上を荒稼ぎしていると見られている。
なお人質解放のために身代金を払えというニュースが一時多く報じられたことから身代金でかなり稼いでいると思われがちだが、そもそも身代金が支払われた件数が少なく、安定した収入源にはなっていない。
勧誘される若者
欧米や北アフリカ諸国からも、若者が彼らの宣伝動画やSNSでの勧誘に釣られて参画する事が増えている。外国からの参画者は数千人に及ぶと言われる。
こうした若者の中にはマイノリティや元からのムスリムだけではなく、十分恵まれた層にいながら日常生活に不満や閉塞感を抱く者達もいる。中には十代の少女達も少なからずいた。
しかし参画した彼らを待ち受けるのは傭兵としての戦地への投入やテロ行為の手先であり、女性は組織メンバーと結婚させられたり、性奴隷として扱われたりし、妊娠してしまって祖国に帰れなくなってしまう悲劇的な運命をたどった少女達もいる。
また組織にハマってしまった若者達が外国人の誘拐や殺害も度々行っていたりもするため欧米諸国も危機感を募らせており、2014年にはアメリカが彼らの資金源である製油所を空爆したりしている。
日本においても、2014年に大学生がアングラ書店に張ってあった求人を見て加入のため渡航を試みようとしたのがバレて、仲介等に関わった者も含めて家宅捜索を受ける事件が発生している。この大学生は就職活動に失敗してヤケになっていたのが志望動機と言われている。
なお、この摘発にあたっては「刑法の私戦予備及び陰謀罪」が初めて適用されたことでも話題となった。
また、組織に直接関わっていなくても、イスラム国に感化された者によって世界各地でテロを起こす事件が相次いでいる。
関連動画
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