日本国有鉄道 10系客車
1950年代に開発された、軽量構造の客車。
1955年に試作ナハ10形10両が完成、以後量産車はナハネ10を皮切りに1971年まで量産が続行された。
新造車は座席車・寝台車・郵便車、旧型車の台枠流用車として食堂車・寝台車・荷物車が製造された。
外観・内装はこれまでの国鉄型客車にない近代的なもので、また軽量であり牽引定数を稼ぐことができるため当初は特急「かもめ」をはじめとする優等列車にも多用されるほどであったが、車体構造が軽量化に徹底したものであったため老朽化が早く、経年とともに車体の劣化が多く見られるようになり、また内装材が可燃性プラスチック材を多用していたものであったため、北陸トンネル火災をきっかけに早期に淘汰されることとなった。
台枠流用車はオシ17形食堂車を除きTR23・TR47などの旧型台車を装備しているので容易に識別ができた。
1985年に旅客用としては運用終了、車両回送時の控車としてナハフ11形が品川に3両残るも1995年に廃車となり形式消滅した。
日本国有鉄道 キハ10系
日本国有鉄道が1953年に開発した一般形気動車グループ。詳しくはキハ10系の記事を参照。
京都市交通局 10系
京都市営地下鉄烏丸線の車両。電機子チョッパ制御でアルミ車体。1981年の開業時から活躍している。
開業時に4両編成で登場、その後6両編成化された前期グループが9編成、延伸開業で1988年・1990年・1997年に製造された後期グループが11編成在籍。前面デザインが両者で異なる。
後期グループは現在、制御方式をVVVFインバータ制御にする改造が進む。
大阪市交通局 10系・10A系
大阪市営地下鉄御堂筋線の車両。電機子チョッパ制御で登場。アルミボディー。
第1編成は当初4両編成で谷町線に所属、初代の20系を名乗っていた(詳しくは20系の記事を参照)。1975年に中間車4両を製造して8両編成にして御堂筋線へ転属、形式を10系に変更した。
1979年~1984年にかけ第2編成~第16編成が8両編成で製造。
1986年~1989年にかけ第17編成~第26編成が9両編成で製造。1987年には第16編成までの編成が9両編成化される。こうして9両編成26本が出そろう。
1995年~1996年にかけて10両編成化を実施。増結する1両は第1編成~第3編成をばらして組み込んだ。元先頭車の中間車が2両いる。余った先頭車4両は廃車。これで10両編成23本となった。
1998年~2003年、2006年~2011年にかけて、23編成のうち第4編成を除く22編成にリニューアル工事を実施。第17編成~第26編成の10編成にはVVVFインバータ制御化改造を実施し、形式を「10A系」に変更した。
現在は30000系の増備もあってチョッパ制御の編成は廃車されてゆく。