マンション、アパートなどの集合住宅や、貸しビルなどでその物件の本体や共有スペースで前の居住者や使用者が死亡している物件のこと。
主に殺人、自殺、火災どの刑事事件に該当しうる事柄や事故が原因で居住者がその物件内で死亡したものを特に事故物件と呼ぶ。
俗にいう心理的瑕疵(精神的にキツい)に当てはまるが、この心理的瑕疵という言葉は近隣に暴力団事務所がある、或いは暴力団関係者が居住している、騒音が酷いなども該当するので注意が必要である。なお以前事故物件に該当するような事件が特に発生していないに関わらず、幽霊が出るなどの心霊現象が原因で住人の定着率が極端に悪いなどの場合でも含まれる事がある。
逆に前の居住者が死亡した経歴のある物件であっても、孤独死や病死などの事件性のない自然死が原因であるものや、夜逃げや人間の生死に該当しない刑事事件が原因で前居住者が逮捕される等の要因で空き家となったものについては、心理的瑕疵に該当はするものの事故物件としては扱われないことが多い。
宅地建物取引業法に定められた重要事項説明においてはシロアリ被害や雨漏り、地震や地滑り被害などの物件そのものの物理的瑕疵などに並んで告知すべき事項とされているが、その遡及(さかのぼり)期間に明確な規定は存在しない。
仮に遡及期間が無条件だった場合坂本龍馬の殺された近江屋、織田信長が変死した本能寺跡地、堀田正俊が刺殺された江戸城などの何らかの歴史的事件が発生した場所も事故物件となってしまうし、硫黄島や島原の乱で大勢が惨殺された原城など大量虐殺に近い戦死者が発生した古戦場周辺、イタリアのポンペイのように火山噴火などの大規模災害などが原因で、地域全体の住人が全滅する形で無人地帯となった歴史ある場所全てが事故物件として扱われかねない状況が発生する。