概要
ロシア連邦の南西部、コーカサスに位置し、中東よりの場所である関係もあってイスラム教徒が多い。住民の多くは「チェチェン人」と呼ばれる民族。長年外部との接触が少なかったせいか特殊な血液型の人が多い。
長引く紛争
ソビエト連邦の崩壊後、ロシア連邦に残るか独立するかを巡って激しい内戦が続いており、1994年~1996年の第一次チェチェン紛争、1999年~2006年にかけての第二次チェチェン紛争ではロシア軍との激しい戦闘が繰り広げられ、国民の15%とも言われる多くの死者を出した。
上記の二紛争が一応の決着をみてのちも、ロシア国内でもモスクワ地下鉄自爆テロや、ドモジェドヴォ空港爆破事件。国外でもボストンマラソン爆弾テロ事件、ISILに多数のチェチェン人が参加するなど、チェチェン人勢力によるテロや事件が多発している。また、「チェチェンに味方しないものは全て敵」という、余りに身勝手な振る舞いを続けていたために、ロシア連邦を含む周辺諸国全てから激しく嫌われており、チェチェン人はイスラム社会も含めて国際社会から完全に孤立している。
独立できない原因
カスピ海周辺の石油などの資源の運搬ルートとして重要な地域にあり、これらの存在がロシアが独立を許さない大きな要因と言われている。また戦争にはイスラム系過激派組織などの介入も噂されており、これがチェチェン人同士の宗教対立にも繋がり事態をさらにややこしくしている。
ただ、同じロシア連邦内のタタールスタン共和国は、ロシアと粘り強く交渉を続けて1994年に権限分割条約を締結するに至っているので、単純に地理的問題だけではなく、チェチェン人達が古来より抱えている、より根本的な問題も相当障害となっているのは言うまでも無い。