エスパーニャンコとはアニメ『おそ松さん』第5話Bパートのエピソードのタイトル、および登場キャラクターである。
CVは大川透。
また、原作『おそ松くん』にも同名キャラクターおよび類似のエピソードが存在し、『おそ松さん』でもこれが元ネタになっている。
この記事では主に『おそ松さん』でのエスパーニャンコを中心に解説する。
おそ松さんでのエスパーニャンコ
一松に猫しか友達がいないことを心配した十四松。十四松は、一松が猫と意思疎通ができるようにしてもらうためにデカパン博士の研究所を訪れる。
そこでデカパンは人の気持ちが分かる様になる「気持ち薬」を用意し、一松に投与しようとした。
尻から、巨大な注射器で。
恐怖のあまり大絶叫する一松。イチマツニイサンノコンナオオゴエキイタノハジメテー
それを見ていた猫は、一松をかばおうと、注射器が刺さる瞬間に彼の尻に飛び乗る。
結果、猫に気持ち薬が注入され、猫は人の本音を読み取り言葉にして喋る能力を身に着け、エスパーニャンコとなった。
猫は松野家につれて行かれ、おそ松やトド松が普段おもにチョロ松をどう思っているかなどの本音や、トド松のがめつさなどを露わにしてゆく。
そして、いつもマイペースで孤独を気取る一松がエスパーニャンコの前で友達について語ると……
「」:一松の発言
【】:エスパーニャンコの示す本心
「友達?仲間?俺にはそんなの一生いらねえ」
【本当はそんなこと思ってないけど】
「なんでそんな面倒なものわざわざつくらなきゃいけないの」
【なんで僕には友達が出来ないの】
「まぁ、そんな価値あるやつはいないけど」
【まぁ、そんな価値自分にあるとは思えないけど】
「無駄なんだよな、人と距離を縮めるのが」
【怖いんだよな、人と距離を縮めるのが】
「労力が勿体ない」
【自分に自信がない】
「平気で裏切ったりするし、アイツらに」
【期待を裏切っちゃうかも、自分が】
「つーか猫が友達とかあり得ないでしょ」
【つーか猫が友達だと楽でしょ】
「言葉通じないし」
【だから傷付かないし】
「あーバカらしい」
【あー寂しい】
「友達なんかマジいらねえ」
【友達なんかマジいらねえ】
【だって僕にはみんながいるから】
ここまで本心を晒されたことで一松は怒ってエスパーニャンコを追い出すが、内心は心配していた。
日も暮れてきた頃、一人公園のベンチに座る一松の元へおそ松、チョロ松、トド松がやってくる。
三人の提案にもぶっきらぼうな応対をする一松。しかしそんな彼の心情を察してか、おそ松は静かに立ち去ろうとするのだが……
ボロボロの姿の十四松がそこに現れる。彼の両手にはエスパーニャンコが抱きかかえられていた。
何も言わずに、普段の笑顔でエスパーニャンコを渡そうとする十四松。意地を張る一松に、エスパーニャンコが口を開いた。一言、「ごめんね」と。
それは自分が良かれと思ってとった行動で、結果的に兄を追い込んでしまった十四松の本音であった。
その言葉に心を動かされてか、一松もぽつりと呟く。
「俺も、ごめん」
【俺も、ごめん】
こうして一件落着し、和気藹々と家路につく五人。
なお、次男は……。
ちなみに第9話Bパート「恋する十四松」によると、エスパーニャンコは薬の効き目が切れて「ただのニャンコ」に戻っているらしい。
おそ松くんでのエスパーニャンコ
原作文庫版7巻収録「エスパーニャンコをねらえ」というエピソードに登場する。
人に騙されてばかりだったデカパン博士が飼い猫によって人の本音を知るために能力を授けたこと、能力を得た経緯が電気ショックであること以外は『おそ松さん』のエスパーニャンコと共通であり、外観も同じ。
ちなみにこのエピソードで聖澤庄之助らしき人物もセールスマンとして登場している。
『おそ松くん』では、六つ子の両親の本音を晒すことで、松野家の結束を深めることに貢献した。
六つ子「とうさんかあさん。このなかでだれがいちばんすき?」
松造「みんなきらいだ!!」
【みんなすきだ!!】
一方、アニメ版ではモノクロ第一期の第63話「ほんとのこというな」に登場。
能力を得た経緯は原作漫画と同じだがコメディギャグ要素が強調されており、エスパーニャンコに目をつけたイヤミがニャンコをさらおうとするドタバタ劇がメインになっている。
このため原作漫画にあった六つ子の両親の本心を知るパートは省かれている。
また、原作漫画や『おそ松さん』ではエスパーニャンコが眼鏡を最初から掛けていたが、
こちらでは超能力を得てからデカパン博士に貰った眼鏡をかけるようになっていたり、
他にも聖澤庄之助の出番がカット、ダヨーンが警官役になっているなどの違いがある。