概要
NHK BS2のマンガ評論番組で、手塚治虫について、「どの作品にも出る」手塚作品の黒い部分を指して、言ったものが最初と思われる。その際に「黒手塚百パーセントで描かれた作品」として、「鳥人体系」があげられた。
漫画の神様 手塚治虫は、まずありとあらゆるイデオロギーに、懐疑的、批判的で、まだ別にアドルフ・ヒトラーがナチスと言う正義に基づいて悪者だ からと言う「アドルフに告ぐ」と言う作品はまだいいとして、医者が「人が生き物の生き死にを左右しようなんておこがましいとは思わんかね?」とかいう『ブラック・ジャック』や、結局最終解脱も悟りも開いてないヘタレな教祖が昇天する『ブッダ』など、「その正義は本当に正義か」というニヒルな視点で作品を描き続けていた。
さらに彼は、作品中で、私的には「女性を閉じ込めてみたり、男性にマスクをつけていじめる」プレイ(個人的に好きらしい)をとにかく入れ、初期の作品から、破廉恥で煽情的なけしからん格好の女性を出す 男女がハグ、キスする作品を描くという、良識へケンカ売るような真似をしていた。なので初期のファンは後に出た鉄腕アトムなどと言う「黒手塚度が低い」「体制側におもねった」作品でがっかりし、アトムで手塚にあったファンは後の「アトムにあった耽美がない」作品でがっかりするという事態があった。
マンガ家のみなもと太郎は、夢野久作の『瓶詰の地獄』(こっちは「書いてある順に読むと兄妹が兄×妹の関係を受け入れる話」)の再発行と並行し、手塚作品(何回も言うけど、おんなのこがカプセルみたいなのへ閉じ込められる)が登場した点を牽強付会している。でも『奇子』は近親姦ものなんだよな。
しかし実際は「黒手塚」「白手塚」なんてない
上記のことから手塚作品は「白手塚」「黒手塚」に分けられることがしばしばある。ネットでは手塚の作品紹介に「白手塚作品の〇〇」と言った使われ方も多い。
しかし、これの使われ方は少し間違っている。
すべの黒手塚作品には白い部分が含まれているし、全ての白手塚と言われてる作品も黒い部分が含まれている。
白手塚作品の代表とされる鉄腕アトムやジャングル大帝も読んだことの無い人にとってはその絵柄から白100%の作品だと思われがちだが、実際に読んでみると鉄腕アトムは人類が滅亡されて作品が終わるし、ジャングル大帝なんか人間に○○られてしまう。
そもそも手塚作品を「白」や「黒」に分けることなんてできないのだ。
白100%の手塚作品も存在しないし、黒100%の手塚作品も存在しないのである。