天然痘(てんねんとう)は、非常に危険なウイルス感染症の一つ。医学界では痘瘡(とうそう)とも言う。
天然痘患者と接触することで感染する。感染力は非常に強い。
高熱・頭痛・筋肉痛・嘔吐・下痢などの初期症状の後、全身に特徴的な発疹ができる。ひどい場合は全身の臓器が侵され、呼吸不全により死亡する。致死率は30%と非常に高い。
ワクチン(種痘)で予防できるが、現在は発生していないため、一般の人は接種できない(軍人など一部の人のみが接種できる)。現在、人類が根絶に成功した唯一の感染症である(ただし、アメリカとロシアの一部の研究所にはウイルスが厳重に保管されている)。
1類感染症
天然痘は感染力・致死率ともに高い、非常に危険な感染症であるため、感染症法では1類感染症に指定されている。1類感染症では患者は疑いのある者を含め強制的に入院・検疫・交通規制・病原体の所持の禁止といった措置をとることができる。
1類感染症には天然痘のほか、エボラ出血熱、マールブルグ病、クリミア・コンゴ出血熱、ラッサ熱、南米出血熱、ペストがある。なお、ペスト以外はすべてウイルス感染症である(ペストは細菌感染症)。