南米出血熱(なんべいしゅっけつねつ)は、中南米で発生している、高熱と重篤な出血症状を伴うウイルス感染症の総称である。
病原体
南米出血熱を起こすウイルスは以下の4種類である。
なお、これら4種類のウイルスは生物学的にラッサウイルス(ラッサ熱の病原体)の親戚である。
感染経路
ウイルスを持ったねずみなどのげっ歯類に触れたり(げっ歯類の糞尿を吸い込む場合を含む)、げっ歯類によって汚染された水や食べ物を食べたり、ほこりを吸い込むことで感染する。また、患者との接触によって感染することもある。
症状
高熱・頭痛・筋肉痛・嘔吐・下痢・鼻血・歯茎の出血・全身のあざなど、他の出血熱と同じような症状があらわれる。最悪の場合は死亡する。致死率は30%と非常に高い。
特に有効な治療法はなく、点滴などの対症療法を行う。感染症法で1類感染症に指定されているため、患者は入院が必要である。
予防方法
流行地域ではげっ歯類がいるような不潔な場所に近づかないようにするか、げっ歯類の駆除を行う。
法律上の扱い
感染症法では最も危険な一類感染症となっており、患者は強制的に隔離入院させられる。
これはラッサ熱やエボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱などと同等のものである。
また、南米出血熱を起こすウイルスは原則所持禁止となっている。(生物兵器としての利用が懸念されているため)