哺乳綱食肉目イタチ科ラッコ属に分類される哺乳類。
北半球の寒冷な海に棲息している。群集性があり、住処としてジャイアントケルプと言う海藻が繁茂する、波の穏やかな海域を好む。通常は人間で言う「背泳ぎ」のスタイルでぷかぷか浮いている。
ウニやカニ、貝類が主食。摂食行動の際、腹に石を置いて貝やウニを撃ちつけ砕いて食べたり、岩についたアワビを捕らえる為に石をぶつけるなど、簡単な道具を使う習性がある事で有名。
愛らしい姿から各地の水族館で人気があるが、非常に餌が高価な上に神経質な面があるため、飼育は難しい。
またその繊細な神経、ミルクの調整の難しさ等から人工哺育の成功例も極めて少なく、青森県の浅虫水族館で母親の急死により人工哺育された個体は、夜間飼育員が不在になった際の寂しさによるストレスで意識不明になった事もある。
北の冷たい海で体温を維持するエネルギーを得る為、一日に自分の体重の4分の3もの量のシーフードを食べる事から、一部地域では漁業関係者との軋轢が絶えない。また毛皮が優良で密猟の危機にも晒されている。
昨今は上記に加えてタンカーから漏れた重油汚染による被害も被っているようだ。