概要
大元は新約聖書のマタイ伝における「偽預言者を警戒しなさい。彼らは羊の皮を身にまとってあなたがたのところに来るが、 その内側は貪欲な狼である。」という一節である。
これが「羊の皮を被った狼(a Wolf in sheep's clothing)」という慣用句となり、「偽善者、善良そうな見た目を装った危険人物」を意味を表す概念として世界的に広まっていった。
日本ではピンクレディーの代表曲『S・O・S』が「男は狼なのよ 気をつけなさい 年頃になったなら つつしみなさい」という歌い出しで始まる事から、特に男性・性行為に限定した言説として理解されるようになった。
実際に聞けば分かりやすいが、『S・O・S』はひたすら女性に貞淑でいる事を説き、守らなければ男性から襲われる羽目になるという内容を朗らかに歌い上げる楽曲である。
それを女性アイドルユニットが歌い、男女問わない支持が集まり、昭和を代表する名曲として複数回のリメイクまでなされた結果、今に至る普遍の価値観となったのである。
…まあ、昭和の名曲の中には「あなたも狼に変わりますか あなたが狼なら怖くない」と歌っているのもあるが。
むしろ男の方から「男は狼 生きてる限り狼」と肯定されてる場合もある(意味は違うとは思うが)。